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閑話休題

ノースポイント 入間統合自衛軍基地 屋外駐機場 12月25日 15:00
「ヘイ!機体の方はオーライか?」
「ええ刹那一・・・じゃなくて准尉。新品って良いですねえ。人間の新品は無いけど、"人の棺桶"の新品は本当に良い匂いです」

整備長兼警務課課長の西山三尉はクンと匂いを嗅ぎながら言った。刹那は旧式化し、前の作戦での急激な機動で耐用限度を超えてしまった機体の代わりに新たなF-4を手に入れた。こいつは刹那が3800万ドル払って新造した機体だ。まず目に付くのはカナード翼、そして長くなった機首、エアインテークの先端を二等辺三角形の形にカットして空戦能力を確保、暗めの灰色RAM迷彩の機体概観。そしてグラスコックピット化されたコックピットだ。アヴィオニスクには第五世代級の物を装備している。モジュール式なので必要なら通常のミサイルの運用は可能だが、刹那にとってはサイドワインダーやアーチャー、ASRAAMは扱い辛いので製造を拒否した。このアヴィオニスクの特徴は計器類で捉えた敵味方の情報をHMD上と画面に視覚化させることだ。IRSTとパルスレーザーモジュールの組み合わせで超長距離索敵も出来る。だがジェネレータの影響で物理的に物体を溶かす様なレーザーは撃てない。さらにFBL(フライバイライト※光ファイバーを使ったフライバイワイヤの事)とカナード翼、推力変更ノズルによって機動性運動性が向上、チタン合金とカーボン繊維、炭素複合素材を大量に使った為機体強度も上昇した。他にもモジュール式追加ファインセラミックス装甲が重要部分に取り付けられている。ファインセラミックスはレーダーに映りにくく耐熱性能もあるので大きなステルス効果と共に騒音を低減し高速化を図る事が出来る。但し、取り付けた場合は運動性能はやや低下する。無論これらの追加装甲は空中でパージ出来る様になっている。エンジンは新型で大型かつ低温排熱、低騒音のスクラムエンジンの併用も可能なFE-14を採用した。
「やれやれ、縁起が悪い・・・・・三尉、人の機体を棺桶って言うなよ」
「棺桶は棺桶です。最近は帰ってこない奴が増えましたからねえ、整備が楽になりますよ」
「・・・・まあね。否定はしない、近いうちにまた忙しくなるし基地に帰ってこない奴も増える」
「その分沢山人が死ぬんでしょう?良い事じゃないですか。あなたの最終目的に近づく」
「声がでかいぞ。三尉」

睨みつけるように刹那は西山整備長を言った。判ってますよと西山は肩を竦めた。
「でもこれは丁度良いクリスマスプレゼントにはなったでしょう?」
「・・・・どうだか。五年前の様なクリスマスにはなって欲しくない」
「ああ、まだ統合前でしたね。あの時はよく覚えてますよ」
「まあ・・・・な。忘れたくとも忘れられない。・・・・・さてと、機体チェックも済んだし、今夜は酒を飲むか?三尉」
「ええ、亮子三佐も予定開いてますから三人でどうです?勿論あなた持ちで」
「おいおい、私は傭兵だぞ?」
「判ってますって。こいつをポケットマネーで作ったあなたなんですから大丈夫ですよ」

そんなやり取りをしながら機体整備チェック表にチェックとサインをチャッチャッとすませる。そんな時刹那は熱烈な視線に気付いた。
「・・・・・・・お前等・・・・・( ̄ω ̄##)」
「「「「・・・・・・えーとですね・・・・・(゜∀゜)キラキラwktkキラキラwktk」」」」

彼等の顔に酒の一文字が見えるのは隣にいる西山にもわかった。ポンと刹那の肩に手を置く。
「に~し~や~ま~?何だ?この手はアアアア!!!!!(`д´###)」
「・・・・・・・・諦めなさい准尉殿。言いだしっぺはあなたです」
「ふざけんなっ!!!!!!(`д´####)」
「准尉~~~?諦めが悪いですよ~」


ノースポイント 入間統合自衛軍基地近く 18:00
「・・・・はあ・・・・結局私持ちか」
しょんぼりとしながら、いつも飲んでいた店に向かう。幸い人数が減らせた為負担金は減りそうだ。機体を全資産の4分の1を叩いて買った直後のこれは金銭的にも精神的に痛い。銀行から金を下ろして100万円用意しておいたがまだ不安なので取り合えず私兵の一人に50万円持ってくる様に言っておいた。
「それにしても刹那准尉ってとってもお金持ちなんですねえ・・・・次も頼みますよ~♪」
「ナシナ・・・・調子に乗らないでくれ。頼むからさ・・・・・」
「朝まで飲みたいんだけど~♪」
「アフマド、閉店は1:00だ。そいつは無理だ」
「え~?」
「え~?って何だ。え~?って・・・・・ほら着いたぞ」

刹那そう言いながら居酒屋にしては大きい店の前で止まった。そしてガラッとドアを開ける。
「久しぶりだな、祖父さん」
「おう、刹那か。何か今日は随分大所帯だな。傭兵生活には馴染めたか?」
「お陰さまでね。祖父さん」

迎えたのは老いたの男、白髪が目立つが体格はガッチリしている。
「あの・・・誰ですか?」
ナシナは刹那に耳打ちをして聞いた。
「・・・・私の祖父だよ。ああ見えて古武術の天才で旧軍の少年兵であって元傭兵でさ、まだ格闘術で一勝もした事が無いんだ」
「え?」
ナシナはかなり驚いた。刹那の格闘術は徒手格闘とシステマを織り交ぜたもの。しかもプロレベルの刹那が勝てないのだから驚くのは当然だ。
「聞こえているぞ。ワシの言語能力を舐めるんじゃない。で、今日は何のようだ?」
「諸事情あって私がこいつらに奢る事になったんだ。今日はたぶん閉店までいると思うから」
「じゃあ、納屋から大量の酒を取って来るから適当に席について待っていろ。まだ開店直後だし予約も無いから全席予約済みって事にする」
「ああ、頼むよ。つまみは私が作る。金もちゃんと払うよ」
「お前さんはいつもツケ無しだからな。本当にお前の母に似て真面目だな。それじゃ、頼む」

会話を終わらせると男は奥へ刹那はカウンターの中に入っていく。手馴れた手付きで魚や鶏肉をさばいていく。5分もしない内に男は大量のビールやワインなどの瓶を持ってきた。確かに刹那の祖父さんは凄い筋肉だ。アフマドはカウンター席の端っこに長いボルトアクション銃が置かれていることに気付いた
「・・・・・あんな所にライフルが・・・・」
「ああ、あれかい?祖父さんが大戦の頃からずっと使ってきた小銃だ。三十八式歩兵銃っていうんだ。今も狩猟なんかで使ってるんでしょう?」
「まだ腕は鈍ってはおらん。ツバメやツキノワグマくらいならどうって事は無い。そう言えばお前が一番最初に持った銃だったな」
「フフフ・・・・ホント懐かしいな・・・・あの時はまだ平和だった・・・・ほら前菜だ。祖父さんビールはまだかい?」
「焦らすない!不味くなるだろうが」

あの爺さんはかなり酒に関して専門知識を持っているようだ。刹那は包丁の切っ先を人差し指に乗せて遊んでいる。いつもなら見なれない感じではあるが食は進みやすい。その後に渡されたビールは今迄に飲んだ事のない味だった。
「・・・・なあ、これってボッタクリなんじゃ?すごく美味いぜ、これ」
「まさか、市販の奴と一緒さ。ただ、容器への入れ方とつまみの作り方で一気に変わるのがアルコールなのさ」
「伊達に40年間此処をやって来た訳じゃないって事だよ。ボウズ」
ニコッと二人は微笑いながらどんどん作っていく。
「それにしても准尉は何故傭兵なんかに?別に自衛軍のままでよかったのに・・・・」
「さあ・・・あくまで唯の傭兵だからね」
「ふ~ん・・・・」


5時間後


「やれやれ、やっと全員寝たよ・・・・」
「まったく久しぶりに骨が折れたわ」
二人の前には死屍累々と言った状態で酔い潰れたISAFのパイロットや自衛軍の職員がいびきを掻いている。
「所で刹那、お前何故傭兵になったんだ?別にUNFを抜けたくないって気持ちだけではないだろう」
「・・・・・今から五年前の事に遡ったらそこに答えがありますよ。UNFを抜けるのは灰色を叩き潰してからです」
「・・・・まだ、あいつの事を気にしているのか?」
「姉さんを守りきれず大怪我させたのは私の責任ですし、自分で責任を持って死を選べないようにしましたからね」
「お前が戦っても喜ぶ奴はいない。それはお前が一番分かっているだろう」
「・・・・祖父さん。私は私の為に人を殺しているんです。当初は認識不足で姉さんや祖父さんや仲間の安全の為に殺していました。ですが今となっては全世界の裏世界から狙われる身・・・・殺らなきゃ殺られるようになったんですよ」
「ワシはお前の身が一番気がかりなんだ。あいつはワシの知人のお陰で死んだ事にはなっているから安全だしワシだって自分は長くないと分かっておる。もう血縁者の血を見たくは無いんだ」

「・・・・・もう・・・遅いんですよ祖父さん。私は血の泥沼に嵌まってしまった。私は血を求めて歩き続けなければならないんです」

fin
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コメント

No title
いろんな人の小説を見ては勉強しているただの人です。
零式奮進弾の設定ありがとうございます。
コレはどう使えばいいのか悩みますね。
禁断の兵器ですね。
改訂版プロローグ書いています。登場が第一話からが改訂版プロローグへ変わりました。
私の小説では壱式奮進弾と弐式奮進弾と言う奴も使えるようにします。
壱式奮進弾の設定は
黄燐が無くなった代わりにベアリング、TNTが増え広域制圧能力は落ちたがすぐ突入可能のになったもの。
弐式奮進弾の設定は
中にベアリング、TNTが入っているのは変わり無いが小型マイクロミサイルが入っている。
ちなみにマイクロミサイルは24発入っていて対地対空マルチロック式。
誘導方式は壱式は零式と変わらず選べるが、弐式は炸裂点を決めた後ミサイルの目標が決まり発射になります。

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