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第十一話:新たな任務

サンサルバシオン 11月1日 酒場スカイキッド 11:20
「まったく・・・掃除で忙しいってのに・・・」
酒場の娘はカウンターにいる一人の漆黒のコートを着た男・・・・・いや肌と歯と口の中以外は黒い男を見た。開店前だってのに平気でズカズカと入ってきた男だ。ISAFの人間だ、と言わなかったら敵ではあるがこういう時は便利な憲兵を呼んでいる所だった。ついさっきは店主であり自分の父と話していたが、今はとてつもなく古く分厚い一冊の本を読んでいる。
「・・・・・レジスタンスのお嬢さん。変な目で見ないでくれ。こっちは任務で此処にいるんだ」
その男は此方の視線が気になるらしい。その目は1000人や2000人殺した目なんてレベルじゃない、何万もの命を喰らっている目だ。ゾクッとするのを背中で感じながらも掃除に集中した。と、その時だ
「・・・・お嬢さん、[死神]の本当の意味って知ってるか?」
「・・・・は?」
その男はずっと本から目を離さないでいる。聞き違いかな?と思ったが、その後もその男の口が動いた事で違う事が証明された。
「死神は生と死を司る神の事だ。あんた等が何かを考えているかは知らんが、野暮な真似は止した方が良い。今のあんた等には荷が重過ぎる。"私の死神がそう言ったのさ"」
まるで自分が発言してるようには聞こえないが、間違い無くこっちの考える事を先読みしている。
「何・・・言ってるの?大丈夫?」
何かしら彼女は重いのを感じた。何かに例えるとすれば・・・プレッシャーに近いものだろう。
「ここでレジスタンス活動するのはいいが、十中八、九は死ぬだろうと言っているんだ」
無表情のまま続ける男は自分の本から目を離した。
「こんな仕様も無い事で死ぬのが本望かい?まだ、デカイ花火を上げるのには早いんだよ。ISAF軍は間も無くエイギル艦隊への攻撃に移り今年度末に衛星を打ち上げて、来年の7月位に此処を奪還する予定だ。それまで動くなと伝えに来た、それともう一つあるんだ。私の任務がね・・・私はフォースリコン001刹那准尉。オペレーションカウントダウン発動まで暫く此処にいるように言われた」
そこまで言うとその男は本を置いて店を出て街に向け歩き出した。その中身はユージア大陸にいる全レジスタンスの名簿だった。
「!?・・・これは・・・・!」
サッと酒場の娘は名簿を隠した。そこには自らの名前も記載されていたのだ。憲兵にばれたら一大事なんてレベルじゃない。
「あいつ・・・・ッッ!!」
娘は刹那を追い始めた。3つほどのコーナーを曲った後に彼を見つけたが。その後継は我が目を疑った。
「・・・!ああ、見られてしまったか・・・・どうだ?血の酒は美味しいぞ?」
刹那はニヤァとしながら口から溢れ、滴り落ちる血を口から垂れ流しながら言った。それの持ち主の男に頚動脈を噛み付かれて血を噴き出している一人の白人の男だった。まだ息はあるが助かりっこない。その他にも首が捥がれたのが一体、体が裂けるチーズのようになった死体、そしてその血溜まりの中に一人が糞便を垂らした男が自分の足が本来の真逆の方向に曲がって骨と血肉がそこから溢れていて動けない。
「ァ・・・ああ・・・・ああああ・・・い、いやあああ!」
娘は逃げ出したが、刹那はまだ息のある奴等にこう言った。
「どうした?無防備の奴に虐殺されて・・・・・・・ククク・・・・灰色よ。そんなに闘争がしたいのなら、地獄の果てまで殺ってやる・・・・闘争の契約に"非人間も人間も神も悪魔も吸血鬼も化け物も"ないからな・・・・"殺すか、殺されるか、打ち倒されるか、打ち倒すか、縊り殺すか、縊り殺されるか、ダスト トウ ダストされるか、ダスト トウ ダストするか"それこそが"闘争の契約"だ。さて、と君等は糞の様な連中だ。ケツの穴を増やすより犬の糞にした方がいいな・・・・Hey!Cool!仕事だよ」
「「「「ヴルルルルルルルル・・・・・」」」」
刹那は血を拭き取る事も無く蒼い独特の模様の小刀を舐めながら黒い軍用犬を数頭呼び出した。
「じゃあ、諸君の健闘を祈るよ+AMEN+」
クククっと哂いながらも軽く十字を切る。
「UGYAAAAAAAAAAAHAHAAAHHHAAAA!!!!!!AGAH!!AAAAAA!」
「あが・・・あ、あ・・・ああ・・・あ・・・ギャアアアアアアアアアアアアア」
ゴキャ!メギャ!グチャ!メギョ!ビチャビチャ!グチャ!メギ!バキュ!ゴキュ!メキメキメキ!ブチャ!メチャ!グチャグチャグチャ!

彼のこの忠実な犬達は此処で拾った捨て犬だ。生きる術を叩き込むのに人間も非人間も犬も糞も無い。
「所詮はこの程度か小僧。・・・犬の糞になりな」
吐き捨てるように死体に別れを告げる、彼の道を阻害するものは誰だろうが皆殺しにする。それが"今の"刹那が持つ唯一の信条。そんな彼の横に一人の女性と男性がいる。レヴェッカ・チェスター通称二挺カトラスと鉄脚ウォルター・・・フォースリコンの面々だ
「流石は黒き死神、私も負けてられねえな」
そんなレヴェッカ達の任務は情報収集者の刹那のサポートと逃走時の逃がし屋との交渉だが、刹那にとっては不要なのだろうプイッとそっぽを向けて歩き出した。そして刹那は命令を下した
「003、008、第一段階は終わった。もう直ぐ憲兵がやって来る筈だ。貴様等はファーバンティに行け。私にサポートは必要ない」
「はあ?此処はウォルターの出身地だ。何でそんな簡単に・・・・」
レヴェッカが反論するが、刹那はギロリと睨んで命令に従わさせた。
「レヴィ・・・私には専属の兵がいる。君等は不要と言ってるんだ」
パッと手を上げると二人の完全武装の兵が建物の上からロープで降りてきた。どうやら彼の私兵らしいが、かなりの手だれだ。動きで分かる
「分かったよ、旦那。命令に従いますよ。マイマスター」
大手を振ってさっさと移動し始めるレヴェッカとウォルター。刹那の言った意味は「お前等二人で敵本拠地の偵察をして来い」と言うことだ
「影山軍曹、目標イはどんな警備と人間が居た?」
「はい、奴等は高速道路を改装して滑走路としています。さらにトンネルを基地としているようです。確認しただけでも30機程です」

報告書を渡しながら漆黒の軍装をしている兵士は言った。
「・・・新川曹長、目標ロは?」
「警備は一個飛行隊に、一個歩兵中隊に二個対空小隊です。現在稼動中なのは6門です。現在も監視を続けております・・・所で、大した喰いっぷりですね。戦争の匂いを強烈に感じたんですか?」

兵の一人が無線に集中しながらも刹那に報告するが、彼の目は食い散らかされた死体にある。
「そうだ・・・確実に灰色は追い詰めつつある。このサンサルバシオンの何処かに奴等の拠点があるのは事実だ・・・・喰らい尽くすぞ、曹長・・・・旧軍の精神力に現在のハイテク武器に知識だ。思いっきり戦争を起こそう」
刹那の私兵は旧日本軍の忠誠心を元に自らへの忠誠心と肉体を極限まで鍛え、ハイテクと人間の限界を超える科学と知識を兼ね備えた化け物集団だ。それゆえ数は少ないが一騎当千の働きをしてくれる。刹那はそれに信頼を置き、自衛官を辞めた今はそいつらで灰色との戦争に全力を注いでいる。
「さてと・・・・警戒中の01、02以外は戦闘準備。今日は一等の花火を上げるぞ。できれば此処の憲兵の奴等にも力を見せ付けてやりたい。全員に下令、作戦開始は23:45、奴等も私が来る事位は知っている筈だがな・・・・奴等のケツの穴を100個程増やしてやるつもりで望めと伝えろ」
兵達がコクッと頷くと壁に向けて跳び、壁を蹴っ飛ばしてまた別の壁へと飛んでいくそれを繰り返して文字通りあっと言う間も無く飛び去った。
「さて・・・夜まで別の酒場で飲んでいるか・・・・・クックックッ・・・・」
安っぽいシガーとティルミットを取り出してティルミットを死体にぶっかけて火をつけた。派手に燃え出す死体を背後に町の中に消えて行った。

サンサルバシオン アクイラ隊野戦基地 15:00
「4・・・何か誰かに見られてないか?」
13は自分の認める護衛機である4に聞いた。
「隊長・・・如何したんですか?整備員と警備の兵士とパイロットしかいませんよ?此処には」
4は落ち着きの無いエーリッヒを心配しながら言った。
「いや・・・この嫌な感じは・・・・・奴だろう・・・あの男が何処かで我々を監視してる・・・・」
エーリッヒの予感は当たっていた。何故なら既に此処から2KM離れた所で刹那の私兵が逐次監視をしているのだ。
「冗談よしてくださいよ・・・まるで亡霊が見てるようじゃないですか・・・今夜は飲み明かしましょうよ・・・そうすれば嫌な感じも消えうせる筈ですし」
4は軽い笑いでエーリッヒの目を見た。
「・・・・そうだな」

ノースポイント 入間統合自衛軍基地 16:00
「刹那は此処には居ないぞ。任務で大陸に行ってるらしい」
セレスティアは基地司令から手に入れた情報をメビウス1以下ISAF軍のパイロットに伝えた。
「今我々が欲しいのはあいつの消息だ。あいつが何所で何やってるかを知りたいんだが・・・・」
ブルフィンチは舌打ちしながらも言った。今の彼等には刹那の腕前を欲している。間も無く敵艦隊の補給路を断つ作戦があり、その後も失敗できないミッションが続いているのだ。勝利を確実にするにはより多くの強い奴が必要なのだ。
「ISAF司令官の話じゃ奴はフォースリコンに志願したらしい・・・今もフォースリコンの何人かが大陸で諜報活動をやっているそうだ」
アフマドが手に入れたばかりの情報を出した。
「フォースリコンだって?あのSAF所属のか!?」
危険が超がつく事で有名なフォースリコンは今や自衛官が多く志願し20名に膨れ上がり、さらにそれに第零中隊が引っ付いたために強大な戦力となっている。
「って事は、だ。奴は今大陸の何処かで諜報活動してるって事だろう?我々なんて如何でも良いんだろうな」
誰かがそれを整理してまとめて言った。
「"やってみろよ"ってあの死神は言ってるんだ。"やってやろうじゃねえか"あいつが帰ってくるまでに驚かせて見せるぜ」
誰かがニヤつきながら言った。
「ああ、やってやる・・・」

サンサルバシオン 旧市街 23:45
≪中隊指揮官殿、此方分隊02。breeching wait≫
≪リコン01より報告、ターゲット確認。≫
≪スナイパーチーム、スタンバイ≫
「中隊指揮官より各隊へ、始めろ。ラッシュ!ラッシュ!ラッシュ!」
≪ラージャッ、breeching cheage3・・・2・・・1・・・グワッ!!!breeching!ドンドンドン!≫

無線から爆発音と共に銃声が響く。刹那はそれを愉しんでいた。現場にゆったりと近づきながら、銃にアモをマガジンに入れ、スライドを引き、セーフティを外した。そして無線に新たな命令を吹き込んだ
「中隊指揮官より各隊、奴等を月の果てまで吹き飛ばしてやれ。殺して殺して殺しまくれ。一切合切容赦はするな」
「ヤー、マスター。野郎ども、コマンダーから命令だ。ジェノサイド(皆殺し)スタートだ」

さらに銃声が激しくなる。狙撃部隊も撃ちまくっているようだ。
「まったく、限度と言うものを知らない奴等だからな・・・・殲滅戦か」
現場の事務所に到達して中に入るとあらかた掃除はすんでいた。敵の死体を蹴飛ばしつつ、二階に向かう。
「来るな!来るなあ!来るなあ!」
男の一人がミニウージーとWz53を乱射して中に味方が入れない状態だった。
「やれやれ、世話の焼ける・・・・」
刹那はそんな中に平然と入って行った。部下はそれを止めない。刹那が入ってきたのでその男は刹那に撃ちまくった
「うあああああああああああああ!!!!!」
タタタタタタタタタタタタタタタタタタ!!!!!ビスッドスッメキャッグチャッ

「ふへっ・・・ふへへへへ・・・馬鹿め・・・ふへへへへ」
間違いなく刹那の体は銃弾の嵐でズッタズタに切り裂かれ、血が、脳漿が、血肉が床にビシャッと広がった。だが・・・
「成る程・・・成る程・・・大した威力だ・・・・」
「へ?」
ゾルッ・・・とゆったりと撃たれた部分を回復させながら起き上がってきた。
「だが、銃では私は殺せない・・・・・」
「ひぐぅっ!!ひ、ひいいいい!!」

完全に起き上がってから刹那はこう言い放った。
「化け物を倒すのは!何時だって人間だ!!!」
そして刹那はゆっくりとSIG拳銃を向ける。
「バ、バッ、化け物ッッ!!」
「よく言われる・・・ならそれと対峙したお前は何だ?人か?化け物か?いいや違う・・・・貴様は灰色の狗だ。狗では私を殺せない」

ニヤリしながらSIGの引金に力を込め始める。
「はっああ・・ああああ・・ああああああああ・・・・」
「シ・ネ」
バン!バン!バン!バン!
刹那は硝煙と血と脳漿の混ざった匂いの中でニヤついたまま撤収を指示した。部下達がM-16A1カスタム仕様(スリー・ツー・バースト[3バーストと2バーストショットが交互に発射される]機能・ダットサイト・引き込み型銃床・砂漠、ジャングル、水中でも発射を可能にした圧縮空気を吹き込む薬室・軽量のためにカーボン樹脂等を多様し強度と軽量化を両立・M203ライフルグレネード改良タイプ[M203を連射できるように5発入り専用箱型弾装で弾を格納、フルオート対応]高威力、高射程、捕獲された際の容易な流用を避ける事を図り6.5ミリARISAKA弾仕様)通称[零式小銃]の安全装置を安全に戻すとすぐさま薬莢を持ち去って痕跡を消毒した。刹那は落ち着いて煙草で一服するとさっさと酒場を目指した。報告ではスカイキッドに黄色中隊が飲む為に向かったらしい。
「奴に挨拶でもしてくるか」

サンサルバシオン スカイキッド 01:15
「既に閉店時間は過ぎてるんだがなぁ・・・・」
店主はあきれながらも給士に徹した。未だに彼等は飲み続けている。
カラン、カラン・・・・
「もう閉店だ・・・!!」
さっさと出てけの台詞の前に店主は黙ってしまった。黒いコート、黒髪、美女の様な顔立ち・・・・昼と違うのは全身に血と硝煙の香りがする事だ。
「あんた、昼の?」
店主が聞くと刹那は周りの目を気にせずにカウンターに座り込み注文をした。
「ウオッカを一瓶。じゃないと酔えん」
店主が直ぐにウオッカを一瓶出すとそれをあっと言う間に一気飲みした。
「んなッ!」
「何だこれは、まるで水だ。一番アルコール度が高い奴を」
刹那は何の顔色も変えずに言いのける。流石に驚愕だったらしい。周りが唖然としている
「・・・・こいつなら酔えるぞ。ウオッカ・スカピリタス、世界でも指折りのアルコール度が高い奴だ」
一瓶渡されてそれをコップに分けて飲み始める。
「成る程・・・これは目が覚めるな・・・だが、血の方がもっと刺激的で旨い・・・・」
クククといつもの笑いをこぼす。すると刹那はそのビンを端のテーブルに向けて投げた。素晴らしいコントロールで正確にエーリッヒのテーブルに乗っかった。
「飲めよ、13。昔の仲だ。久々に語り合おうじゃあないか・・・・」
「・・・ああ分かったよ。話じゃISAFに入ったそうじゃないか?刹那准尉?」
「そうだ。だが今此処で銃を向けあうのは互いに嫌だろう?街を占領されたくなければ銃は向けてくれるなよ?」
「分かってる」

Fin
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コメント

No title
しばらく考査やら何やらではなれていたら・・・。
ようやく、ここまで読みきりました。

刹那強し。どうやったらここまで化け物じみたことができるのやら・・・。それを表現する蒼空の死神さんもすごいです。
No title
レオ氏ご指摘有り難う御座います。歓待でしたね。つーか、刹那はもう人間じゃなくなってます・・・。邪悪と言うよりももはや純粋な化け物ですよ。
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