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第三話:開戦

2003年 8月20日 入間統合自衛軍地上ハンガー 16:00
「どうだ?私のファントムは?」
刹那は今、かつての愛機の残骸だったものをベルカから持ち帰り、それを復元させようとしている。偶然墜落した所が積雪の上で敵機との体当たりの時に失ったノーズと右エアインテーク以外は無傷に近かった。そして刹那自身はエンジン部分の交換作業をしていた。最新型のエンジンXー00。この性能は計り知れず、出力だけなら成層圏のギリギリまで飛んでいける。設計からファンをエアインテーク上部に収納してスクラムジェットエンジンとターボファンエンジンを切り換えられるという利点がある
「うーん・・色々壊れてて・・・・他の物で補強しても足りないと思います」
整備員が答える。
「そうか・・・だが・・・私には感じられるんだ。こいつはまだ飛びたがっているのを」
そう言うとまだ修復が半分程度のファントムを見る。
「・・・・あと一年待ってください。絶対に戦闘が出来るようにします。それまでは機龍で慣らしといたほうが」
「ああ分かった。頼むぞ・・・ああ、倒れないでくれよ。ただでさえ暑いんだ」
「ラージャッ」
整備員とのやり取りを終え、ハンガーの外に出てみた刹那。管制塔の方から亮子三佐が走ってきた。
「一佐!!大変です!!」
よっぽど急用らしい、こっちを見つけ次第全力で走ってくる。
「どうした?首都に核でも落ちたか?」
落ち着いてそれに答える
「違います!エルジアがSTNを奪取しました!!さらにサンサルバシオンに侵攻作戦を開始しました!!それに対抗してFCUはFCU中心のISAF軍を編成しました!!」
ピクッと刹那はそれに反応した。
「ほう・・・。あの国がとうとう始めたか。忙しくなるぞ。三佐」
ニヤッとしながら答えた。
「ハッ!直ぐにコンディションレッド(臨戦態勢)を発動します!」
亮子三佐が敬礼して走り出そうとするのを刹那はちょっと待ったと言う具合に手を出した。
「いいや、まだだ。まだデフコン(戦闘レベル)2のままだ。いいな?」
「で、ですが・・・」
反論しようとする三佐にすかさず言った。
「エルジアの力を見極めてからでも遅くは無い・・・ちょっと今日は久々に空を飛んでみたくなった。9人連れて付き合ってくれ。久々に"あれ"も使いたい」
「!!・・・あれを使うのですか・・・・・了解しました」

ノースポイント 入間統合自衛軍地下ハンガー 18:00
「こいつ暫く飛んでなかったから拗ねて埃だらけにしてねえよな?ん?」
コンコンと機体をたたいてチェックを済ませる。機龍の漆黒の機体はまったくをもって良好だ。
「さて、行きますか」
キュウン・・・キュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!
機体のエンジンがスタートし始める。と同時に機体のキャノピーを閉める。その他にも同じ音が数度にわたり響く。その音は約30機。刹那の機体にはパイロットに多大な負担がかかるシステムが搭載されている。地下駐車場のような場所を誘導灯を元に進んでいく。そしてその空間の行き止まりに到達した。すると機体はゆっくりと斜め前にあるハッチに向けられる。そしてハッチが開かれた。
≪圧力良し、射出角安定、一~五番射出用意良し・・・・5、4、3、2、1射出!≫
バシュンバシュンバシュンバシュンバシュン!!!!!

≪上空12000で編隊を組めレイザー隊はα、ランサー隊はβに別れろ。≫
≪ウィルコ。レイザー1よりレイザー各機、方位0-2-0高度12000で牙突隊形を組め≫
≪ランサー1、ラジャー。ジャベリン隊各機方位3-4-5、高度12000でジャベリン隊型を組みなさい。≫

計9機の機龍が高速で別れていく。地上から次々と無人機が射出される。UF-4と呼ばれるT‐2CCV改の無人機だが、機動データには鬼神や各空軍のトップエース達のデータが詰まっている。機動性だけなら世界中の第4.5、5世代戦闘機にも劣らない。機龍とて例外ではない。
≪各機ぬかるなよ。撃墜数の多い者が勝者だが落ちたら負けだぞ≫
刹那が交戦命令をだした。
≪ラジャー、アタックランサー!≫
≪ランサー隊に遅れるなよ!レイザー各機遅れるな!≫
≪さてと・・・行くぞ。システムオン!クッッ・・・・クゥゥゥ・・・!≫

頭に締め付けられるような痛みが走るのと同時に周りの状況が簡単にイメージできるようになった。これがノースポイントが開発した新システム、コードネーム[ローレライ]。ありとあらゆる機外センサーの情報が搭乗者のイメージとして脳内に映し出される。副作用として酷い頭痛に悩まされるが、F/A-27に試験的に搭載され各国で開発中のコフィンシステムでは得られない敵の位置、速度、機体の状態が瞬時に脳内に映し出される。技術的に言えば、機外センサーから得られた情報を電気信号に変えて、ヘルメット内にある特殊な超音波により頭部につけたセンサーが反応し、それを直接弱い電気信号・・・つまり人間の神経と同じ働きをする訳だ。だが体は当然拒否反応を起こすため、現在副作用を抑える為の研究がされている。
(敵機下2時方向・・・この機動は姉さんだな!)
刹那の姉はサイファーの事だ。勿論このUF-4に搭載されるAIは常に学習しているため、9年前のサイファーよりも強いのだ。
≪捉える!!≫
520ktの機体がスパイラルダイブでそのUF-4を追い始める。
(右か・・左か・・姉さんなら下に逃げて地上ギリギリで対処してくる筈だ)
刹那は操縦桿をそのまま握り続けエアブレーキを最大にして追う。すると刹那の読み通りに敵機は急降下した。
(それを待っていた!)
ガンッとA/Bにスロットルを叩き込み、エアブレーキを閉じた。チキンレースを挑むつもりなのだ。2機が並んだ瞬間にA/Bをカット、速度を合わせて降下していく。この時速度840kt、高度8500だ。舵の効き難い超音速。何所まで降下するのかはどちらも分かっていた。
(6000・・・5000・・4000・・まだ)
すると敵機は高度3000で降下を諦めた。最大Gをかけて上昇に転じる。
(貰った!!ッッ!?)
刹那は驚いた。地表に近すぎたのだ。咄嗟にGリミッターを解除し、機体が空中分解するギリギリの13Gまでかけた。
(昇れぇぇ!!)
息すら吐けず、内臓が押し潰されそうになるほどのGと真っ暗の視界、さらに力が抜けるのを必死に耐えた。そして機が水平方向になった時に直ぐに右旋回に転じた。
(やってくれる!)
酸素マスクの中の顔は酷く歪んでいた。空戦はこうで無いとな、と喜んでいるのだ。直ぐに索敵をしてその位置にも驚いた。
(真上!)
あの状態で大した物だと感心しながらA/B点火、急上昇。空戦エネルギーはこっちが劣るが、エンジンの差なら勝てると判断したのだ。
≪12o'clock!GUNFire!!!FOX3!!!≫
ヴァアアアアアアアアアアア!!!!

機体をロールしながら、バルカン砲を撃った。敵も同じ様に撃ってくる。
ギュワアアアアアアアアアアアア!!!
ほんの一瞬ですれ違い、コックピットを揺るがした。
≪Enemy kill!!次!≫
撃墜判定を確認し、勝利を確信する。被弾、被撃墜判定なし。だが戦闘が終わったわけではない。
≪レイザー2FOX2!・・・・スプラッシュ!≫
≪ランサー4FOX3!!・・・チッ外した!≫
≪ランサー2ケツに付かれてるわよ!≫
≪分かってる!オラァッ!!≫

一機の機龍が敵機を木の葉落としでオーバーシュートさせる。即座にGUNで落とそうとしたときもう一機のUF-4がその機龍に喰らいついた。
≪させん!!ブラックデスサイズ、FOX2!≫
ピー・・・・・ピピッ
撃墜判定を確認して、次の標的に向かう。
≪一佐、助かりましたよ≫
≪この未熟者!実戦なら死んでるぞ!!≫
≪ハッ!すみません≫

まだ若いらしい声が無線機から聞こえる。ヨロヨロと飛んでいる敵機を3時方向に確認しそっちに向かう。
(こいつは・・トラップだな。こいつはUF-4改だった筈だ。確かポストール機動が出来るタイプ・・・・)
そう考えて速度を落とす。やはりゆっくりとした機動をしている。出来る限り機体を近づけ、一撃必殺で仕留めようとする。だが、予想通りポストール機動[コブラ]を使ってきた。
(タイミング、速度もベスト・・・普通ならこっちが落とされるがな・・・・だが!!)
突然全てのFBW(全自動機体制御装置)を切ってマニュアルに切り替える。主翼とカナードを最大まで展開し、Gリミッターを解除してミリタリーパワーで直角で急上昇した。
(行けッ)
そのまま操縦桿を引き続けると、失速を引き起こした。すると機体はその場で直角から250度回転した。すると照準器にはコブラを続ける敵機の背中があった。すかさずバルカン砲で仕留める
≪トラッキングキル!どうだ!切れ味抜群のツバメ返しは!≫
絶妙な操縦桿の扱い方と速度、湿度、エンジン出力に至るまで計算された業物[ツバメ返し]、並大抵のパイロットには出来ないアンチ・ポストールマニューバ・マニューバと言う新たな空戦技、サウス・ノースポイントに刹那を含め15人しか出来ないほど難しい機動だ。
≪Red Team(敵軍)全機撃墜確認、Blue Team(自軍)全機生存確認、良くやった。AIのレベルを上げなければな≫
管制塔から笑いの声が聞こえる。だが、一年後には緊迫した空気に変わっている事に刹那を除き分からなかった。

fin
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