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第三十七話:覚悟2

11月30日 エルジア首都より東に70マイル 「国境無き世界」攻撃艦隊旗艦イージス護衛艦「アタゴ」 14:00
「さあて・・揃ってきたな」
刹那は艦橋から周囲を眺めた。周囲には「リュウジョウ」、「ソウリュウ」を中心とした機動艦隊が展開し、最後の補給が成されている最中だった。
「良いんですか?彼女を置いて来て」
コブラ1が聞いてきたが首を縦に振って答えた。半ば無理やりリョウコ一尉を置いて来たのだ
「・・それより、貴方達は良いのか?家族も居るんでしょ?」
刹那はコブラ1に本気で尋ねた。彼等は皆志願して来たのだ。
「ええ、良いんです。遺書も既に書きましたし」
ニッと笑いながら答えるコブラ1。それを聞いてフッと笑うことしか出来なかった。
「それに、今立ち上がらないで何時立ち上がるんですか?我々はその為に存在するんですから」
コブラ1は空母から訓練の為に飛び立つ烈風とF-15A改とF-2Cを眺めながら言った。
「じゃあ、悪いですが。貴方方の命を全て私に預けて下さい。自分の持ち場を死に場所と思って下さいね」
そう言うと、相手の目を見た。
「勿論だ。ちゃんと任務は完遂して見せるよ。もう、陸戦隊と輸送機部隊に陸上機部隊はデインズマルクに着いた頃でしょうな」

デインズマルク空港 15:00
「あれが、ノースポイントからの復興支援の空輸部隊か・・随分物々しいな」
空港の職員は日の丸が付いた輸送機と戦闘機を眺めた。既に20機から荷が運び出されている。運び込まれる先は荒廃してしまった市街地だ。だが、開けられていない輸送機の10機の中には、最新の機動兵器、武器と精鋭中の精鋭の完全武装の兵士を満載していた。全員が志願者であり死を覚悟している。表向きには彼等は、復興支援の為に作られた宿営地で活動する隊員だ。

エルジア首都より東に70マイル 「国境無き世界」攻撃艦隊 イージス護衛艦「キリシマ」 16:00
≪レーダーに感!!不明艦隊が接近中!!方位1-7-6!!速力15ノット!!相対距離80マイル!!≫
キリシマからの報告を受け、全艦が戦闘体制に入った。相対距離が30マイルになってから、打電が入った。
「コ・チ・ラ・サ・ウ・ス・ポ・イ・ン・ト・ダ・イ・ニ・キ・ド・ウ・カ・ン・タ・イ・キ・カ・ン・タ・イ・ヘ・ノ・ゴ・ウ・リ・ュ・ウ・ヲ・モ・ト・ム・・・だと?・・・奴等にも我々と同じ覚悟あると言う事か・・」
この打電を受け、艦隊は受け入れる準備に入った。視認すると間違い無く、同じ旭日旗を掲げた艦隊が接近してくる。
「・・・どうやら、ツキは我々にある様だな。艦隊再編!!臨時統合軍を編成する!!」

12月15日 ベルカ北50マイル 「国境無き世界」攻撃統合艦隊 18:00
「さて、目的地に到着したのは良いが。いささか早すぎた様だな。当初の予定通り、此処から重戦力を出すぞ」
輸送艦「オオスミ」の艦長は部下に指示を出すと、90戦車、96式装輪装甲車等と言った、重戦力を強襲揚陸艇に積み込みを始めた。目的地は国境無き世界の基地であるZ・Y基地周辺だ。時が来ればすぐに行動を開始する。
「・・・・流石に寒いな・・潜伏する隊員達は、大変だろう・・・」
艦長はこう言うと、移動を開始した揚陸艇を眺めた。防諜部の報告では、敵は年末に行動を開始するだろうと言う事だった。
「大変なのは我々ですよ・・・もしも、戦闘となれば狙われるのはこの艦隊ですよ・・ですが、何としても・・・」
副長はこう言うとそこで言葉を切った。彼も家族が居るし愛する子供も居る。だが、ここに居る以上死を前提にしているのだ。
「なあに、心配するな副長。今回も何とかなるさ」
艦長は嘘と分かっていながら、安心させるために言った。副長は少し安心したようだ。
「艦長。バタリオンリーダー以下B7R制空隊がデインズマルク空港に向かうそうですが・・・」
通信士官の報告を受け、ウィングに立つと、空母から1機のファントムを先頭に、F-2C、F-15A改とSu-30mkiが二機ずつ発艦準備に入る所だった。
「確か、あのファントムには脱出の為に必要なものを全て取っ払ったそうだな・・」
艦長は、先頭で待機するファントムに敬礼を送った。
「・・・・我々はやらなければならない。だが、決して靖国や、国に奉られる事は無い・・悲しい事だがな」
皮肉るように言ったが、そんな感傷に浸ってる暇は無かった。
「総員に通達・・第一警戒態勢をとれ!!」

12月17日 ベルカ Z基地周辺
「あ~寒ぅ」
隊員の一人が森の中に掘られた塹壕の中でぽそっと言った
「仕方なかろう・・朝は氷点下を下るんだからな。と言うよりちゃんと監視しろよ」
隊長はその隊員に言った。だがその手には家族の写真があり、手は震えていた。
「隊長・・」
隊員が不安げに聞いてきたが、不安にしてはいけないと思って、明るく答えた。
「なんだ?こっちは無問題だが?」
「あ、いや。可愛いお子さんですね」
意外にもそっけない質問だったので少し拍子抜けした。

彼等の心中は、2015年現在でも明かされる事は無い。

fin
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