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第三十六話:覚悟

7月18日 ノースポイント北部オクジリ基地 格納庫 16:00
「エンジン動かします。下がって下さい!」
懐かしいコックピット、最後に乗ったときと変わってない。だが、時と言うものは結構残酷である。周りを見渡すと機体は全て洋上迷彩と森林迷彩のF-2Cになっていた。かつて、この大空を自由に飛びまわった亡霊は、FCUに分解、清掃され輸出されていた。
キイイイイイイイイイイイイイ!!!
「良し・・エンジンはオールオーケー・・IRST・武器操作・計器類も異常なし、ラダー・エルロン・ノズルも大丈夫・・か」
一通り眺めると、エンジンの出力を下げていった。エンジンが止まるのを確認すると、機体から降りた。
「どう?貴方の愛機の調子は・・」
リョウコ一尉が声を掛けてくる。今の所彼女しか、自分が生きているという事を知っている。
「変わってないですね・・正直、X-6の出力が高すぎて、制御に難があると言った所でしょうか」
今までのエンジンを取り替えて、X-5から派生した、大型機戦闘機用のエンジン、X-6になっていて、非常に出力が高く、A/Bを使用しないで高度7000フィート、7G水平旋回でも速度を落とさない代物だった。
「所で、今夜は余裕があるよね?・・・今まで私をほおって置いた罰よ。今夜はビシバシ色々とやらせて貰うわよ」
拳をゴキゴキ鳴らしながら、にっこりと言うリョウコ一尉。正直、死んだ方がマシなんじゃないのかと思った。
「あ、あの~・・明日午後には防衛省に出頭しないと・・・じゃ・・・駄目ですよね~・・」
弱味を握られている以上、従う他無かった。自分が守るのは国民とその財産。それを壊すかも知れないような事をやっている自分を叱ってやりたかった。
「・・・はあ・・まったく、あんな親父のお陰で・・こんな性格になったのかなあ・・」
親父――流 旭はとにかく血が騒ぐ男だった。戦争とあらばすぐさま駆けつける奴だったのだ。その血を受け継いだせいか、自身もかなり戦いを好んでいるようだ。出来る限りそれを抑えるが、もう一度切れたら、全てを滅ぼしてしまいそうだった。
「じゃ、21:00に私の部屋で」
リョウコ一尉は耳元でささやくと、そそくさと搭乗員待機室に行った。
「21:00・・か・・さて、と」
自身は連絡を待っている防衛大臣に直接ホットラインが出来る小型マイク付き小型イヤホンをつけた。
「・・此方コマンダーバタリオン・認識ナンバー9614253・大臣へ頼む・・・・ああ、大臣。第一任務、完全に完了しました。明日、レポートと共にそちらに、向かいます。・・はい・・はい・・Yes Sir」
プツッと電源を切ると、空を仰いだ。
「・・・・そろそろ、年貢の納め時だね」

ノースポイント北部オクジリ基地 21:08
「ごめーん・・待った?」
リョウコ一尉は自分の言った時刻より遅れて、やってきた。
「・・・・いや、全然。と言うより、自衛官として予定時刻より遅れるなんて如何かと思いますがねえ」
苦笑しながら相手を見る。スクランブルから帰って来て報告で遅れたらしい。
「それならFCUに言って頂戴・・!?・・何・・・その体」
言い訳を言おうとした時、刹那の体を見て驚いた。両腕と両足が人の物ではないのだ。
「これが私が他人を偽った一つの理由です。っても、元から名前なんて無かったですけど」
微笑みながらも軽く皮肉っていった。
「・・・・それ、動くの?」
リョウコ一尉は取り合えず落ち着いて聞いた。刹那は冷静に答えた。
「ええ、人間よりは早く動かせます。能力も十分高いですし。大丈夫ですよ。たぶん中で神経と直接リンクさせ、駆動系を動かしているんでしょうね」
そう言うと腕を動かした。極めてスムーズな動きをしている。
「大丈夫ですよ。・・・所で色々って何するんですか?」
刹那はリョウコ一尉に聞いた。
「あーやって欲しい事は大体済んじゃったからなあ・・・ま、いっか」
そう言うと、刹那の体を押し倒した。
「ホント、貴方には負けるわ。こんなに時が経っているのに、私を本気にさせるとはね」
刹那は何の抵抗もしない。嫌ではあるが敵ですら無い相手に抗っても仕方が無いからだ。
「いずれ、それも出来なくなりますよ」
一言だけぼそりと言った。
「どうして?もう、何所にも行かないんでしょ?」
リョウコ一尉が怪訝な顔で言ったが、すぐに答えた
「私が死ぬからです」
刹那が答えるとリョウコ一尉は黙った。
「・・・次、あの機体が完全武装して、飛び上がったら、地上に降りる時には、スクラップになるはずです。今度の任務は生きて帰れない任務ですから」
そう言うと上にかぶさった彼女を引き寄せた。
「ひゃっ!ちょ、ちょっと!!」
彼女は驚いて声を上げた。が、気にせず言った
「今は・・ちょっと甘えさせてください。多分、体を触れ合わせられるのはこれで最後でしょうし」

ノースポイント北部オクジリ基地 23:45
「・・本当に容赦無いのね・・少しは、手加減して欲しかったわ」
服を着ながらもリョウコ一尉は少し飽きれた声を出した。
「もう二度と出来っこないですから・・・・ま、吹っ切れましたが」
刹那はとっくの昔に服を着て、彼女が着終わるのを待っていた。
「ねえ、その任務。付いて行っても良い?」
彼女はいきなり刹那に聞いた。
「はあ?何言ってんですか!?無理です!同行するのはたった一個飛行隊と5000人の部隊と二個艦隊だけ。すでに編成が完成してますよ!?今からではもう遅いです!」
刹那は既に次の指示を受けていた。それは、現存戦力での国境無き世界の殲滅だった。だが連合軍の到着まで持たせれば、良い方だった。だが―
「・・・・じゃあ、私に貴方が死に行くのを眺めてろって事?冗談じゃないわ。貴方が何と言おうと、絶対付いていくんだから!!」

fin
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コメント

報告
本日箱○の購入を完了し、天使の空へ飛び立つ準備も完了しました

自己中心的ですが、しばらくこちらのネットには登場しないかもしれません
これが、年貢の納め時です(笑

リョウコ一尉はごく普通の防人のように見えますが、何か隠されてるのでしょうか?
ここで彼女が刹那についていくようなことがあれば、それはそれで大変なことになりますけど・・・

今後も期待してます、というより、更新早すぎてお手上げです

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