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第三十一話:戦う理由②

6月10日 スーデントール最前線 01:52 
「はあ・・はあ・・・酷いな・・まったく・・・」
セツナは此処まで休みもせずぶっとおしで走って来た。そこには無数の死体と甘苦しい程の死臭、さらには血だらけの内臓や人間の体の一部がまだゴロゴロとしていた。放射能を浴びる危険があっても、潜伏のため南に移動する必要があった。
「ガイガーカウンターには大した反応は無い・・・もう大丈夫みたいだな」
撤退途中で愛機のF-4E改の回収を頼んだSOG隊員から譲り受けたガイガーカウンターは微弱に反応するだけだった。
「・・・・!!ウステイオ軍か!!」
死体を撤去する兵士の国際表示を見たセツナはギョッとした。オーシア軍、ユーク軍なら自分の顔は分からないが、ウステイオ軍だと陸軍の軍人達とは交流がある為、顔が割れ、見つかればすぐに逮捕される。何としても逃げ切らなければならないのだ。隠れようとしたその時だった
「・・・・!!おい!待て!!」
兵士がカチャッと銃を構えた。こっからでは逃げ切れない。諦めて両手を上げた。
「・・!貴様・・まさか!こんな所にッッ!!」
顔を見らてはもう観念するしかない。
「来いッッ!!」
明らかに怒りをあらわにした兵士に手錠を掛けられ、臨時指令所に運ばれた。
「なッ!?・・・貴様、良くもまあ我々の前にノコノコと現れおって!!この裏切り者め!!」
ドゴッ!!ガッ!!
指揮官らしい男の前に連れ出たセツナは思いっきり腹を殴られ、後頭部を銃で殴られた。
「グハッ!!グアッッ!!」
殴られた直後、気を失った。

6月11日 ??? ??? 16:00
「う・・・」
固いベットの上で気が付くと、周りを見渡した。どうやら牢屋の中らしい。
「此処は・・何・・・所だ?」
まだ痛む後頭部を摩りながら誰も答える事の無い質問をぶつけた。すると返答が帰ってきた。
「此処は独房だよ、ディレクタス空軍基地の」
その声の主は扉の向こうのもう一つの扉から聞こえた。
「僕はホルスト。元ベルカの戦車兵さ。と言ってももう戦車は無いけどね」
笑いながらも皮肉りながら言う青年は自分よりも少し年上の様だ。
「私はセツナ。どう言う経緯でこうなったか知らないけど、これから宜しくお願いします」
丁寧なベルカ語で答えるセツナ。

デイレクタス空軍基地 司令室 18:00
「で、どうしても確かめたいと?」
司令はわざわざクレスタ基地からやって来た二人を見た。
「はい・・何故彼があっちに行ったのも確かめたくて、そして何故彼が・・いやノースポイントがこの戦争に非常に深く関係してるのかを・・・そして何故彼等が自衛軍究極、最強のジョーカーとも言える特殊作戦群を動かしたのかを・・・」
二人の片方がやや小さめの声で言った。
「・・分かった。会わせよう。来たまえ」

デイレクタス基地 面会室
「・・・ほう、珍しい客ですな」
面会室に入ったセツナは意外な相手に驚いた。
「久しぶりですね。三尉・・いや、今は一佐でしたか」
「随分と、長い間姿をくらましていたんですね」
それは、セリーヌとアクセルだった。
「今更何様だ?私は命乞いなんてせんよ」
フッと微笑みながら相手に話しかけた。
「貴方の戦う理由が知りたくて・・じゃ、駄目ですよね?」
アクセルも同じよう微笑んで答えた。
「ケッ、反吐が出るな。ウステイオ解放までが仕事だったのによ。そっちが図に乗って勝手に向こうに攻め込んだ。そして戦友だから共闘してやった。そしてホフヌング、スーデントールに爆弾を浴びせる計画を考えたのはテメーらの上司なんだからな」
相手を睨みつけて棘々と言った。
「だからって・・裏切って、尚且つ私達を皆殺しにしようとした貴方の言う台詞ですか?」
セリーヌが反論する。
「ほ~う・・クククククフフフフハハハハ・・・所で?セリーヌさん、親父の仇を沢山討って満足かい?敵を皆殺しにして満足か?戦いを楽しんだか?」
ニヤリとしながらセリーヌに言った。
「なっ・・ふざけないで!!
ガタッと席を立って、殴りかかろうとしたがアクセルに抑えられた。
「落ち着いてください!・・・今の貴方は何も出来ない。こっちの質問に答えてください」
キッとセツナの瞳に睨みつけて言った。
「フフフ・・・アクセルさんは、そう言えばベルカの出身でしたよね。同胞を大量に殺せて満足か?殺人を愉しんだかい?ちゃんと一人残さず殺したか?クククク・・・・」
それでも余裕の表情で嘲るセツナ。
「なっ・・・・」
余りにも反省が無い事に絶句するアクセル。
「貴様等には一生掛かっても分からんだろうがな。私は貴様等とは違う、こっちは自分達の命を投げうってより多くの生命を救おうとしているだけだ!貴様等の大国追従主義とは正反対のな!」
口調を急に変え、感情を表に出して来たセツナ。それは、怒り、悲しみ、憎しみとかなりの感情がごっちゃ混ぜになっていた。
「貴様等が今此処でウステイオの首都にいられる理由は何だ!?ホフヌングから帰還できた理由は!?そして今!!死体にならずに済んだのは誰のお陰だと言うんだ!?全てノースポイントが私に制約と力を貸したお陰だろうが!!あの日にウステイオやオーシア、サピン等が核に焼かたり、死の灰を浴びなかったのはこっちが死や厳重処罰や国民、世界から強烈な非難を覚悟して全力を挙げて止めたお陰だろう!!違うか!!」
有無を言わさない極めて強い声で吐き散らした。確かに情報部からそういう情報が極秘で入っていたが奴は平気で言いのけたのだった。セツナ自身、もう死ぬ事を前提にして吐き散らしている。迫力が違うし、何よりも物凄い殺意に満ちていた。
「・・・・」
もはや何も言い返せない。そう、各国のMD(ミサイル防衛)はまだ検証段階で、迎撃など出来ず、結果的に何億人かは死んでいただろうし、さらにセレス海から流れて来る独特の季節風と大西洋の季節風で濃度が濃い死の灰、死の雨が世界各地に向かって舞い上がり飛んで行ってしまっていただろう。暫くの後、セツナが口を開いた。
「それにな・・私は軍人が10人死のうが、100人死のうが、千人死のうが、1億人死のうが、1兆人死のうがそんなの知らん!!!ただな・・ただ、この闘争に大して関係ない民間人が死ぬのは、見ちゃいらねぇんだよ!!!!」
fin
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コメント

拝見
えー、何かホルスト君が登場してますね……

しかし、私の小説のホルスト・ヴァルトマンは、この後瀕死の重傷を負うという予定がありますので、おそらく別人でしょう

一挙にこれだけのものを書いた死神さんには、頭が下がります


これからも、頑張ってください

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