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ANOTHER STORY――生きる戦い

ユーク大陸ベルーサ社会主義共和国 10月28日 15:00
「結局、シカトされたのね・・・」
上空には一機の戦闘機も残っておらず、救援に来た両軍とも激しい空戦の後、結局燃料切れで全機撤収したのだ。
「ハア・・・。これからどーするよ?・・・えーと」
流は彼女に聞いた。
「ローザ、ローザ・ウェーヴァーよ。・・・どーするもこーするも無いわ、一緒に行ける所まで行きましょう。・・・と言っても二人で居たら、両軍から狙われるに違いないけどね」
溜め息交じりに答える。それもそうだ。何と言っても二人で行動しないと荒野で死んでしまうし、どっちかの陣営に捕まったら両軍のトップエースが行動を共にすると言う事でスパイ容疑で二人とも死ぬ。適当に逃げる以外には無いのだ。
「んじゃあ・・・100km位東に小さな村がある筈だ。其処に行こう」
流はローザに提案した。その村には綺麗な小川も流れ、村人も少し居るし、暫く潜伏するには持って来いだ。
「決定ね・・・でも、随分歩くし、夜は冷えるけど、携帯用寝具なんて無いわよ。水、食料は節約して5日位持つけどね」
ローザは流に意見をした。
「仕方ねえだろ。この際だ。二人で寄り添って寝るしかない」
ローザはその言葉を聴いた瞬間顔を赤らめた。
「・・・・安心しろ、何もしねえよ。一日十時間歩けば2日~3日だ。さ、行くぞ」
その様子に気付いたのかニッとしながら、頭を撫で、歩き出した。
「あ、ちょっと!待ってよ!!」

ユーク大陸ベルーサ社会主義共和国 政府軍空軍司令部 15:20
「で?彼女は見つけられなかったと?」
太った大きな勲章を大量に付けた将官は部下に苛立った声で聞き返した。
「は・・・しかし!明日こそは見つけて見せます!」
大きな声で言い返した部下だったが、相手は顔色を変えなかった。
「奴にはユークから導入されたばかりの最新のMig-29を与えたんだぞ。閣下に如何説明すればいいのだ!?貴様、もう良いわ!ワシの前から消えろ!!!」
大声で叫び散らした彼は部下を退出させた。
「メスのコヨーテめ・・・何が藍色の女神だ!」

ユーク大陸ベルーサ社会主義共和国 反乱軍極秘飛行場 同時刻
「そうか・・彼は見つからなかったか・・お疲れさん。休んでくれ」
パイロットから報告を受けた年老いた傭兵は仕方ないと言った表情で座り心地の余り良くない椅子に腰を掛けた。
「深緑の破壊神も無敵じゃなかったか・・・生きてくれよ・・・戦友」

ユーク大陸ベルーサ社会主義共和国 荒野 22:00
「はあ・・はあ・・流石にもう・・・」
ローザは弱音を吐きながらも重い足を動かしていた。
「フッ・・フッ・・・ふう、今日は此処までだ。・・もう寝よう」
流はかつてノースポイント陸上自衛軍のレンジャー隊員だったが最強・最凶・最先端・死者すら平気で出るレンジャーと呼ばれるハイパーレンジャーになった1年後に天駆ける傭兵となった。その経験は今此処で生きている。
「でも・・かなり寒いよ・・・火も起こせる様な木も無いし・・」
ローザは元々ベルカの貴族だったが貴族暮らしを嫌い、傭兵となった。
「仕方ねえよ。最初言ったとおり、寄り添う以外にはな」
しれっといった流は上着を脱いだ。
「さっさと脱げ、掛け布団の代わりだ」
「え!?ちょ、ちょっと待って!!Tシャツで寄り添って寝ろって!?冗談じゃないわ!!」
流石にこれには反論したがギロッとにらまれた。
「こんな所で風邪でも引いたら、それこそ命取りだ。死にたくなければさっさとしろ!」
人を直に素手で惨殺した事があるだけはあって、迫力は満点だ。それに彼は経験者なのだから言う事を聞く以外なかった。
「・・・解ったわよ。変な事はしないでよね!」
パイロットスーツの上を脱ぎ、大地に寝転び上着を掛けた。彼はすぐ傍に同じ様にした。そして体を預ける様に寄り添った。
「さっさと寝ろよ。明日は30km行くからな」
しれっと言う彼には疲れと言うものが無いのだろうか。それすら考えられないほど疲労していて、すぐに眠れた。
「・・・あったかい」

ユーク大陸ベルーサ社会主義共和国 荒野 10月29日 05:00
「起きろ。行くぞ」
ゆさゆさとゆらされて目が覚めた。彼は既に着替えを終えている。
「ん・・・・解ったわ」
眠気眼を擦りながら、急いで上を着る。彼の体温のお陰で健康体そのものだ。
「5時間は連続で行くぞ。倒れたら、担いで行ってやるよ」
意外な優しい側面にちょっと驚きながらも、すぐに歩き出す彼の背中を追った。
「よくもまあ何も食べずに此処まで行けるわね」
そう、彼は今まで、何も食べずに歩いてきたのだ。常人である自分には信じがたい位である。
「ハイパーレンジャーは何も食わずに丸2日間戦闘と移動を続行出来る様に訓練されてるんだ。まだ平気だぜ」
ニヤッとしながら答える。まだ余裕な表情を見せる。
「凄いなあ・・・私も負けてられないね」
ぽそっと言うと彼はきょとんとした。
「何か言ったか?」
にこりとしながら答える。
「いいえ。何も!・・・!!」
ゴオオオン
10000M高空に何筋もの飛行機雲が見える。どうやら空中戦のようだ。
「こっから見上げると綺麗だね・・・」
ローザは歩きながら空を見上げた。
「下から見りゃあな。だが、あそこでは命の駆け引きが起きてるんだ。そして俺達もな」

fin
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