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第二十六話:火焔 力の暴走

6月1日 ベルカ ガルデンブルク基地 ハンガー 23:00
「急げ!敵が来るぞ!」
「街を守り抜くんだ!早く離陸しろ!」
基地は騒然としていた。何といっても敵の爆撃目標がスーデントールでは無くホフヌングであり。さらに爆撃機が接近中だからだ。
「まだエンジンはどうにかならないんですか!?」
セツナは焦っている。
「無茶言うな!こんなんで出撃したら、離陸直後に堕ちるぞ!」
整備員は言い返した。エンジンはもう限界が近づいていたのだ。
「向こうで戦えるまで持たせられるだけで構いません!早く!!」
セツナは手を動かしながら叫んだ。
「先に行ってます!三尉も急いで下さい!!」
他の隊員が声を掛けてきた。
「ああ!すぐ行くから!!」
手を動かし続けてもう4時間は経過している。こんな言葉は互いに嘘だとわかっていた。
「クソッ!クソッ!動けこのポンコツ!頼むから動いてくれ!」
応急処置を終え、どうにかエンジンを動かせる状態になったが、中々唸りを上げなかった。
「畜生!動け!・・・・貴様ァ!!私にホフヌングの人間を見殺しにさせる気かァ!
叫ぶのとほぼ同時にエンジンがいつも通り唸りを上げ始めた。
「よし・・良い子だ・・そのまま回転数を上げろ!」

ホフヌング 23:10
ギャアアアアァァァァ!!あ、熱いぃ!!
既にホフヌングは爆撃が始まっていた。
「誰か手を貸して!子供が家の下敷きになってるの!!」
「腕が!腕がアアア!」
「誰か!助けてえ!」
「目が見えない!誰か!」
「運河だ!運河に飛び込め!!」
「馬鹿!運河はもう酸欠状態で水は沸騰してるぞ!!おい!聞いてるのか!」

運河には人が殺到していた。だが、爆撃による火災で酸欠状態になっており、さらに熱湯状態になっていた。その影響で運河に飛び込んだ人間はどんどん死んでいった。軍の一部や警察、消防が処罰覚悟で決死の消火活動と誘導を行っていた。
「畜生!!畜生!!当たれ!堕ちろよ!!」
学徒団の一部はまだ爆撃機に対して必死の対空弾幕を張っていた。だが、ウステイオの傭兵や護衛のオーシア・ユーク・サピン空軍に蹴散らされている。だがそんな彼等を絶望させるような命令が入ってきた。
[ホフヌング市は完全放棄。但し、撤退は全施設の破壊後とする]

ベルカ ガルデンブルク基地 滑走路 23:20
「何だと・・・ッッ!?」
ようやく飛べるようになり、離陸しようとした瞬間だった。
≪全軍に繰り返す、[ホフヌング市は完全放棄。但し、撤退は全施設の破壊後とする]だ≫
管制官から重い一言が飛んできた。
「クソッ!何てこった・・・!ええい!こうなったら一人でも行く!」
スロットルをマックスに入れ、離陸を開始した。
≪おい!三尉!一人で行っても!≫
管制官が止めようとしたが、構わず離陸した。
(頼む!まだ間に合ってくれ!!)
そう願いながら・・・

ホフヌング 23:40
「あ・・・・あ・・・ま・・ち・・が」
最大戦速で駆け付けたが、そこには爆撃が終わり、街が燃えている様子だった。
「ま・・に・・あ・わ・・な・・かった」
愕然としながら街を見下ろす。運河には人の形をした物体が、道路や建物には黒焦げの物体が軽く8000以上あるだろう。セツナの中で何かがプツンと切れた。
「・・・はー・・・はー・・・許さ・・ない・・肉片も残さず、滅ぼして・・やる」
機体を方位1-8-0に向けた。

ホフヌングから南に100㎞ 23:45
≪≪≪≪≪・・・・≫≫≫≫≫
護衛機隊は誰一人として喋らない。ただの虐殺を目の前で見たからだ。
「・・・相棒・・大丈夫か?」
ピクシーは専用の無線でサイファーに問いかけた。
≪なんとか・・ね≫
辛い様子で答える。
≪やれやれだな・・・こんなのに付き合わなきゃいけないなんてな・・・≫
フェンリルも苦虫を噛み締めたようにぽそっと言った。
≪だが・・避けられない事を恐れても意味が無いだろ。それが早まるってだけの事だしな・・・≫
サピン空軍非公式戦闘飛行隊のセレスティアもぽそっと言った。
≪!?此方イーグルアイ!全作戦機へ!後方から敵機一機が追跡してくるぞ!!全機ブレイク!≫
イーグルアイが叫ぶのとほぼ同時に、オーシア軍のF-22の部隊と爆撃機がが全機吹き飛んだ。
「んなッ!!な、何が起きた!!AWACS!状況を!!」
ピクシーは上昇しながらイーグルアイに情報を求めた。
≪馬鹿な・・此方イーグルアイ、敵機は一発のミサイルを発射・・被撃墜数が・・1・・9だと!?≫
残っていた爆撃機10機と護衛の9機の戦闘機が固まっていたとは言え一気に落とされたのだ。慌てるのは当然だ。
≪これって・・まさか!あのミサイル!?≫
トライデント1が叫んだ。これは紛れも無くあの日の丸が持ってこさせた零式奮進弾だ。
≪此方ローレライ!全機固まらずに、後方の敵を落としてください!≫
アクセルも必死の声で叫ぶ。
≪コ・・ロ・・ス・・最後の肉片も絶滅せん・・・≫
無線から僅かに聞こえた声。次の瞬間、ユーク空軍のsu-30、5機が吹き飛んだ。ベイルアウトは確認できないまま・・・
≪何て・・奴だッ・・・化け物ッ!≫
この無線が聞こえた次の瞬間、敵機の後ろに付いたサピン空軍のラファール4機は上手く敵機にオーバーシュートされ、4機共堕とされた。
≪この・・飛び・・方は!≫
イーグル1は相手の動きを良く見ていた。何度か見かけた、踊るように追い詰めていく飛び方。
≪そ、そんな・・また裏切るなんて・・・≫
ロイは愕然とした。
≪クウッ!強い・・!≫
相棒ですら苦戦している。こっちの方が圧倒的有利な筈なのに、心理的にどんどん追い詰められていく。チカッと敵機のコックピットが光ったかと思うと、衝撃が走った。
「!?!?な、何だ!!??」
良く機を見れば右主翼の半分が消えていた。
「な、何だ!?何所から!?」
周りを見るが爆発などではなかった。
≪クッ・・駄目だ!一旦退きましょう!!次元が違いすぎる!!≫
アクセルが被弾したらしい。どうやら俺と同じ攻撃で被弾したようだ。インテークの一部がぼろぼろに崩れている。友軍はそれに同調するかのように、撤収を始めた。
≪全機固まるなあ!!まとめて撃ち抜かれるぞ!!≫
クロウ1が叫んだ。クロウ1は垂直尾翼が半分吹き飛んでいた。
≪ば、化け物め!≫

6月2日 ウステイオ ナイメーヘン空軍基地 野外駐機所 02:00
「はあ・・はあ・・何とか帰ってきたな」
周りをぐるっと見渡すと、帰還機は作戦機の半分以下だった。生きて帰ってきたものの全ての機体は被弾している。全てあの謎の襲撃機による物だ。
「ラリー・・大丈夫?」
相棒が声を掛けてきた。
「ああ、酷い作戦だったな・・・一応の成功って所だ・・・」
何とか答える。が随分と疲れてしまった。と言ってもそれは皆同じだ。

fin
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コメント

拝見
ああ・・・やっぱり壊れた

もはや彼にとっての正義とはなんなのでしょうか?
誰もが正義?誰もが悪?
そんなもの存在しません
あるのは、無慈悲な現実だけです

ついに二度目の片羽での帰還を果たしたピクシーに合唱・・・

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