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第二十四話:マモルモノ

5月26日 ベルカ ガルデンブルク基地 11:00
「あーようやく出れた・・」
独房から開放されたセツナは大欠伸をした。
「外の空気は気持ち良いね~!」
自由になった身は思う存分体を伸ばした。
「・・・さて、そろそろかな?銃撃戦でもやってなきゃ良いが・・・」
滑走路に目をやる。そこには何も無かった。だが遠くからかすかに爆音が聞こえた。
「・・・来た来た。武器が無けりゃ何も出来んからな」
爆音のほうに目をやる。そこにはC-Xがゆっくりとやって来た。
ギュッ
滑走路に着陸するC-X。何事かとわらわらと整備兵がやって来た。
「三佐ー、大丈夫でしたかー?」
コックピットに声を掛ける。
「何とか半分だけ確保できた。残りは爆破処分だ。人的被害はこっちには無いからいいがな。これで一つ借しだぞ。生きて帰ってきたら全員に奢れよ」
コックピットの人間はそう言うと貨物室を開いた。中から疲れ切った完全装備の男女達が出て来た。装備している89式小銃や64式小銃、M249MINIMI、機載の62式機関銃からまだ硝煙がくすぶっている。
「ああ、皆さんは休んで良いですよ。戦闘でお疲れでしょうから」
そう言うとコンテナを運び出すセツナ。周りが慌てた様子で、なだめようとする。
「良いんですよ、WAIRと第一空挺団の皆さんにはこれからもお頼み事があるんですから、今は休んでください」
ニコリとしながらもコンテナを移動させる。それでようやく諦めた。ベルカの警備兵2,3人が小銃を持ってきたが、一斉に完全装備の兵から様々な銃を向けられ、銃を構えられなかった。反応が早すぎるのだ。構えた瞬間、原形を留めないほどに蜂の巣にされるのがオチだ
「銃は向けないでくださいね、死にたくなければ」
セツナはベルカ兵士に言った。その声で兵士は銃を下に置いた。
「ほい、これで最後ですね」
最後のコンテナを運び出すと格納庫を閉めるようにジェスチャーした。と同時にエンジンが唸りを上げた。タキシングを始めるC-X。離陸するまで見送ると、コンテナを運び出した。その先はエンジンが不調の愛機の場所だ。
「さて・・・と、久しぶりに様子を見てやるか」
連合軍の後方支援を行っているNASDFの輸送機が何事も無く来れると言う事は、防空体勢に問題があると言う事だ。由々しき事態に基地は騒然となる。だが実は、連合軍が完璧だと信じ込んでいた連合国各国のレーダーサイトも死角だらけだという事に、ノースポイントと同盟国のサウスポイントも気付いていた。その上、この事実は第三国には届く事はあり得ない防諜体勢だ。つまり、この戦争はこの二ヶ国に命運を握られた状態になった。たった一つの情報が、戦争の勝ち負けすら決めてしまう。情報戦ノ冥利、之ニアリ

ベルカ ガルデンブルク基地 ハンガー 14:30
「う~ん・・・やっぱ交換した方が良いなあ」
愛機のエンジンを分解した結果、様々な所にガタが来ていた。
「っても、此処じゃあ無理だな」
この基地の予備のエンジンなんて殆どポンコツだ。
「本国に持ち帰らないと、無理か」
はあ、と溜め息をついた。今のエンジンはF-100-PW-220の初期型を改造したF-100-PW-220Nだ。元々F-15のエンジンだが、改造シータ型は整備性向上と性能向上の為にこのエンジンをつけている。だが、25年以上使われて、あちこちにガタがで来ていた。最近はF-Xまでのつなぎとして、アップグレード型のF-100-PW-220NⅡに変わってはいるが、こいつだけはまだだった。
「・・・このまま通すしか・・・」
仕方ない、という顔つきで組立作業を再開した。

ベルカ ガルデンブルク基地 ネーヴェル隊宿舎 16:00
「あ~、疲れた・・・まったく、一人でやるんじゃなかった」
愚痴りながらも、椅子に座り力を抜く。
「・・・まったく、三佐に持って来させるべきだったなあ」
目を閉じて疲労を取るために寝た。
「・・・・寝ましたよね」
ぽそりと声がする。
「・・・・ええ、寝たわ」
どうやら男女が話している様だ。こっちの様子を見ているのだろう。
「今の内に行きましょう」

寝たふりで様子を見ていた。静かに足音が過ぎ去っていく。
「・・・何してるんですか?少尉、大尉。コソ泥見たく」
通り過ぎた所で声を掛けた。
「「うひゃぁ!!」」
二人はいっぺんに驚いた。
「私の部屋に何か御用で?」
続けて言うと相手は急いで退出した。
「・・・な~るほど、スパイでもやろうって事か。まあ、どうでもいいがな・・・」
ぽそっと言うとまた眠りについた。

ベルカ ガルデンブルク基地 ネーヴェル隊宿舎 18:00
「ん・・・ああ良く寝た・・・!」
部屋の異変に気が付いた。連絡用の携帯が無い。
「あんの野郎!盗んだか!」
怒りながらすぐに駆け出した。あるとすれば基地司令室、情報部だ
「仕方ない・・・こいつを使うか」
緊急用の最新軍事用超短波無線機と起爆装置を取り出し、基地司令室に向かった。
バンッ
「司令!貴様!俺の携帯を何所にやった!!」
扉を荒々しく蹴っ飛ばすと叫んだ。まだ着任したばかりのデトレフ・フレイジャーは狼狽した。ただならぬ殺気。目を見れば殺されそうな殺気だ。
「し、知らんよ!私は何も知らん!!」
そう言うとセツナはすぐに引き返した。
「携帯が一体どうしたというのだ・・・」
ポカーンとしたフレイジャー。
今度はリザの個室。鍵が掛かっているので、叩き壊した。
「大尉!貴様!携帯を何所にやった!」
例え、ベルカ公室の公女だろうと容赦はしなかった。
「ひ!ご、御免なさい!」
素直に謝るリザ。その手には自身の携帯があった。
「次、こんな事やったら本当に殺しますよ!」
目一杯脅しを効かせて言った。
「ったく・・・」
セツナは頭を下げるリザを残して退出した。
「暗号があったから良かったけど・・・危ない危ない・・・漏れたら大変だなこんな情報・・お!来た!」
pipipipipi!
≪力強き者の剣は、ホフヌングに堕ちるなり・・・・北の騎士団は、最後に矢を放ち、力強き者を殲滅するであろう・・・貴官はブロークンソード、ブロークンアローをせよ。此方はラストバタリオンを編成中なり。之を指揮し、ブロークンアローを達成せよ≫
暗号にはこうあった。
「クク・・・ククク・・・クハハハハ・・・なんてこった」
哂いながら、顔を覆いかぶさった。
ラストバタリオン――ノースポイント自衛軍、防衛省直轄の特殊部隊、特殊作戦群の暗号。こいつが出動する際は国が最悪の危機に直面に帰した場合だけ。つまり、本当の意味でのラストバタリオン(最後の戦闘集団)である。全員がSAT(特殊強襲部隊)、SST(海保の対テロ船舶制圧部隊)、第一空挺団、特殊警備隊(海自の対テロ艦船制圧部隊)、WAIR(西部方面普通化連隊)、若しくはレンジャー部隊の所属であり、ステルス試作戦闘機「心神」20機、UH-1A15機、OH-1偵察機5機、AH-64D10機、ミサイル艇10隻、潜水艇15隻と世界の中小国並の武力を持ち、尚且つ、現地で指揮官を編成する部隊。その指揮を出来るのは二佐以上の人間だが、自身は三尉だ。それでも防衛省は自分に指揮官になれということだ。そして任務内容も非常にシビアなものだった。


ブロークンソード――大量殺人阻止命令
ブロークンアロー――核兵器の使用阻止命令

fin
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コメント

おおおおおおおおお!!?
こんなにも楽しい展開になるとは…
次が待ち遠しいです
>ブロークンソード、ブロークンアロー
この台詞が出るだけでもかなりやばいんですがね(苦笑

今後も期待してます

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