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第二十三話:再戦

タウブルク丘陵 16:44
「ぐうっ!・・・フッ!・・クッ!・・はあ・・はあ・・」
タウブルクでは激闘が続いていた。敵は増援を呼んだ筈だろうから、出来る限り速く引き上げる必要があった。だが、味方がついて来たお陰で、その時期を探りながら戦う必要と、味方の援護も欠かせなかった。
≪くうっ・・・・≫
相手は初めての時より腕が格段に上がっている。中々背中を取れず、ガルムはネーヴェル隊以外の隊に足止めされ。ブレイズ隊はウェルとヘルマンの前に苦戦していた。
「はあ・・は・・グウッ!・・・フッ!・・・クッ!・・・」
もう愛機のリミッターは出撃前に外しており。8Gを優に超えるGが掛かってくる。自機が空中分解しないようにどうにかするのは至難の業でもあり、さらにそのお陰で集中力がだんだん削られている。
≪はあ・・はあ・・流石に限界なんじゃないの?三尉・・・≫
ネーヴェル隊の一番機、リザが笑いながらも言った。
「そちらこそ・・・相当きついんじゃないですか?・・・大尉?」
まだ余裕を見せる自分。
(空中分解覚悟で奥の手を使ってみるか・・・!?)
いきなりエンジン出力が下がりだした。スロットルはミリタリーパワー最大の所の筈である。燃料もタップリ入ってる。
「なっ!?クソ!・・動け!動けよ!」
何度もエンジンを再始動させる。が、言う事を聞かない。このままではいい的だ。
≪エンジントラブル?・・・悪いけど、恨まないでね?≫
やばい、そう思った。
(駄目だ!・・動かない!このままでは殺られる!・・・そうだ!)
すぐに操縦桿下のレバーを引いた。
≪ロックオン、許してね・・・・!!なっ!?≫
セツナのファントムのドラッグシュート収納口とエアインテーク下から炎と白煙が出た。
(いっけええええ!!)
そのまま上昇に転じた。ロケットを使ったのだ。速度と高度を稼ぎつつエンジンを再動させようとしたのだ。だが、最後まで使えば、機体の外壁が熱に耐え切れず溶けてしまう。苦肉の策だ。
「動け!・・動いてくれ!・・・まだ死ねないんだ!動けええ!」
スロットルをMAXにに入れ、A/B点火も試そうとするが中々動かない。
「クソォ・・・動け・・動いてくれ・・・」
外壁がそろそろ限界になる。ロケットを切って水平飛行に入った。
≪手品はそれで終わり?・・・脱出しなさい・・命だけは助けてあげるから・・・≫
後ろにリザが張り付いた。脱出レバーに手がいった。その時だ。
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!
「!?・・・まさか・・・は、はは。悪い冗談じゃないか。相棒・・・」
エンジン、再動。エンジン出力が上がり始める。操縦桿を一気に引き、コブラで後ろを取った。形勢逆転。
≪え!?そんな馬鹿な事をしても!≫
リザはまだエンジントラブルでエンジンは動いてないと思っていた。インメルマンターンで背中を取ろうとする。だが背中は取れずに、ファントムはついてきた。
≪そ、そんな・・・!≫
バルカンの射程に入りレテイクルを合わせるが、発砲はしなかった。
(堕とすには・・惜しい人だからな)
リザの機からレテイクルを外して撃った。
≪え・・?な・・なんで?≫
リザは驚いている。
「此方デスサイズ、敵機一機、未確認撃墜」
冷たく言うと機を反転させた。その先はこちら側が有利に傾きつつある戦場だ。
≪こちらピクシー、残弾残余無し、燃料もキツイ。引き上げる。ガルム2より1へ、そっちはどうだ?≫
≪こっちも限界ね・・引き上げるわ。おっと敵の増援も確認。≫
ガルムの二機が撤退を始めた。
≪潮時のようでんな≫
ヨシタはそう呟いた。
≪隊長!早く!≫
ブレイズ隊の隊員も叫んでいる。
≪え?・・あ、ああ!≫
ジンも引き上げていった。
(増援か・・・引き上げは・・無理っぽいな)
燃料残量を見て一番近いタンカーまでの距離を考えたら、不可能だ。ファントムはヴァイパーゼロやイーグルに比べたら。改造でいくらエンジンの燃費がよくなったとは言え、圧倒的に航続距離は足りない。増槽だってとっくに捨ててるし、残弾はあるが帰還は不可能だ。
「此方デスサイズ、食い止めます。急いでください!」
そう叫んで無線を切った。
(・・・仕方ない。降伏するか・・・でも受け入れてくれっかな?)
そう考えると機体を減速させた。特攻なんて真似はよして、此処はいざ清く降伏したほうがいい。そう考えたのだ。
ドオン・・・・
遠くで爆発が起きた。良く見ればネーヴェル隊機が一機、減っていた。
(え?)
何が起きたか。無線を急いで合わせる。その無線には、女性のすすり泣く声が聞こえた。それで場を大体読めた。
「・・・・・」
≪・・・此方シュネー1、遅れて済まん・・・≫
敵の増援の隊の隊長機の声が重く圧し掛かっている様だった。

ベルカ ガルテンブルク空軍基地 独房 20:10
「三尉、面会者です。どうぞおいでに」
警備兵が声を掛けてきた。
「面会?・・どなたが?」
セツナは警備兵に聞いた。
「リザ大尉殿です」
警備兵はそう言いながら手錠をかける。
「ふ~ん・・・」
自身ははたから見れば捕虜だが、旨く行けば解放され、ベルカ軍のもとで戦う事を条件に出すだろうと思った。
「どうぞ此方に」
と言われ。面会室に入る。手錠は外されはしたが。
「お久しぶりですね・・・大尉・・・ヘルマン少尉は残念でした・・・」
セツナはこう声を掛けた。
「・・・なたが・・・した」
リザはポソポソと言った。
「貴方がヘルマンを殺したのよ!!何、知らばくっているの!!絶対に許さない・・・!それに貴方は私に情を掛けた!何で落さなかったの!?」
リザは憤りをあらわに叫んだ。
「・・・」
黙りこくっている自分。
「黙ってないで何とか言いなさいよ!」
リザはさらに怒った。
「・・・・ヘルマンさんが亡くなったのは、誰のせいでもありません・・・それに、情を掛けたのではなく、貴方がすぐに落さなかった借りを返しただけです」
セツナはそれだけをはっきりと言った。
「そんなんで責任逃れするつもり!?絶対に・・・絶対に・・」
だんだん声のトーンが下がる。その内顔を下に向けて口を押さえた。
「貴方は・・弱いのを必死で隠そうと努力なさってはいるが、結局は一人の弱い女の子です・・・一人で背負い込む事はありません。だったらありのまま、親しい者に打ち明けたらどうですか?・・・少なくとも幾分かは気分が良くなる筈です」
そう言うとニコリと微笑んでリザを見つめた。
「・・・・」
黙って頷くリザ。
「実を言えば、私はもう連合軍に愛想がつきました。・・・これからは、本当にベルカの平和のために戦うつもりです。これだけは覚えて下さい」
微笑んだままリザに言った。リザは驚きと喜びが混ざった顔でセツナを見た。
「本・・・当・・に?嘘じゃ・・ない・・の?」
リザはその言葉を出すとほぼ同時にコクリと頷いた。

fin
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コメント

拝見しました
話の丸め込み方、戦うことより生き残る事を優先、
情ではなく借りを返す・・・
やはり只者ではありませんセツナ三尉・・・

>もう連合軍に愛想がつきました
これは『国境なき世界』の内部進入への伏線ですかね?
また腐れ科学者が出てきそうですね・・・

次の話も期待してます

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