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第二十話:ハードリアンライン

5月16日 ウステイオ クレスタ基地 野外駐機所 0:00
「来た来た!」
現在この野外駐機所に居るのはセツナのみ、そこに静かなジェット音が鳴り響く。
「やっと、量産体勢に入れたんだなあ」
しみじみとしながらジェットエンジンの音源――C-Xを見た。限りなく静かなジェットエンジンにC-1から受け継いだ高い機動性、航続距離が長いと三拍子のNASDF次期輸送機の試作機だ。やはり日の丸をつけている。
ギュッと車輪が地に付く小さな音を出して着陸した。
エンジンをアイドリングさせながら、野外駐機所に止まる。
「お疲れ様です!三佐!」
コックピットの人間に声を掛ける。
「おーう!注文の品物を届けに来たぜ!三尉!」
コックピットも応じる。
すぐに格納庫が開かれ、大きなコンテナが10個と小さなコンテナが5個、運び出された。
「零式多目的用奮進弾―――今回の国産F-Xの専用ミサイルですかあ。私の機体に付けられますかねえ」
苦笑しながらもコンテナを開けた。そこにはズラッとミサイルが並べられていた。その数、20基。それを10個のコンテナに詰めているのだから、合計――200基
「当然だ。ただ、これを取り付けるには少し余剰スペースが要るからな、お前の機体のミサイル兵装システムを外して、こいつ専用のバックパックを入れるしかないがな」
技術者らしき男はこういった。
「まあ、良く私が原案を出したミサイルが通りましたね~」
セツナは苦笑しながら言った。
「基本設計が忠実だったし、コストも少しだけ高いくらいで済んだからな」
技術者らしき男はこう言った。
「ちゃんとデータ集めはしておいてくれよ」
そう言うと敬礼をして輸送機に乗った。こちらも敬礼を返す。
「ではお気をつけて」
離陸するまで見送るとコンテナの移動を始めた。その直後、何人かが宿舎から出て来た。
「お、おい!!三尉!!今の大型機なんだ!?敵じゃないのか!?」
どうやら気付かれてしまった様だ。こうなっては言うしかない。と言っても、データさえ奴等に行かなければ十分だ。
「あ~、あれですか。あれは秘密兵器を届けに来たんですよ」
しれっと言うとコンテナを開けた。そこにはズラリとミサイルがあった。
空襲警報すら鳴らないほどの超々低空で飛んできた輸送機はレーダーに引っ掛かる事無く離脱していった。

ウステイオ クレスタ基地 ブリーフィングルーム 13:25
「では今回の作戦を説明する」
司令は声を高々と上げた。
「今回はベルカ軍・南部戦線の要、ハードリアンラインへ侵攻する。作戦目標はこの目標郡A・B・C・D・Eを壊滅させる事だ。敵機も多数確認されている。その為、装備は対地対空両面において選定せよ。以上だ。質問は?」
すると多くの人間は手を上げた。
その殆どは撃墜された後は救助してくれるかと言う点だ。
「さあ、な。敵地のど真ん中だからね。多分無理だな」
しれっと言うとブーイングが沸き起こった。
「以上で終了だ。後、セツナ三尉だけは残ってくれ」
やはりと内心呟いた。他の奴はぶつぶつ言いながら出て行った。
「さて、これで話が出来る。・・・・実は君にスパイ容疑が掛かっている。君はノースポイント防衛省直轄の中央即応集団の防諜部、第一課と連絡を取っているそうだな?」
一気に言われる。第一課は第13課まである防諜部を仕切る防諜の長だ。
「そうですよ。貴方方は気付くのが遅すぎますね。」
何の驚きも無く言った。
「それに、自分で兵器開発も手伝っているとか」
司令は続けて言った。
「ええ、そうです。それがどうかしましたか?」
顔色一つ変えずにしれっと言う。
「貴官は事の重要さが分かっていない!!貴官のした事はどんな事か分かっているのか!!!!!!」
司令は本気で怒った。
「分かってますよ。貴方方、いやオーシア・ユーク・エルジア・FCU首脳陣の命だって握れるくらいの大きな情報も持っているんですから」
何にも動じず言い返す。
「貴官一人で、世界の秩序が全て崩されてたまるか!!」
そう言うと拳銃を取り出した。
「へえ、中々物騒なものを取り出しますね。でもそんな玩具でどうにか出来ると思っているのですか?」
微笑しながら言った。
「な・・に・・?」
司令は固まった。本物の実弾入りの拳銃を突きつけられているのに顔色一つ変えない人間は初めてだからだ。
「遅い」
席に座っていたセツナは次の瞬間には司令の腕を掴んでいた。
「ば・・か・・な・・・」
司令は震えだした。
「安心なさい。まだ私は貴方達の味方です」
そう言い放つと拳銃を奪った。
「銃を向けるリスクぐらい分かるでしょう?軍人なんだからさあ」
そう言うと拳銃を握り潰した。
バキ・・ベキ・・・ガキャッ・・・メキャ・・・
「さて出撃準備をしますか」
そう言うとブリーフィングルームから出て行った。だが出口のドアの向こうに人の気配を感じた。
「・・・・」
何も言わずにシグを取り出すと躊躇無くドアに6発、発砲した。
バン!バン!バン!バン!バン!バン!
「盗み聞きとはいい度胸してますね。去りなさい、死にたくなければ」
そう言うと何人かの足音が大急ぎで去っていった。

ウステイオ クレスタ基地 野外駐機所 14:00
「三尉!これで良いんですか?」
整備員が叫んだ。そこには自分の愛機にバックアップの交換作業が終わっていた。
「ああ、有り難う!後はこいつを積むだけだ!」
そう言うと見慣れないミサイルを指した。
「こいつですか?」
整備員が聞いてくる。
「ああ、私も手伝うから」
そう言うとミサイルを片手で持った。ギョッとする整備員達。
「これ・・重量は・・・?」
整備員が驚いて聞いてきた。
「TNT10kg・黄燐65kg・チタン製ベアリング弾0.025g1000個と後は制御機器20kg、燃料80kgくらいだった筈だけど」
サッと言う。合計200kg。普通なら持ち上げられる筈はない。
「さっさとやって下さい。後七基も取り付けるんですから」

ハードリアンライン 16:30
≪作戦空域に入った。攻撃開始!≫
AWACSからの命令を受けて早速目の前にある目標郡Aの攻撃態勢に入った。
≪核査察とは笑わせてくれる≫
ピクシーがなんか言ってるが無視した。
「諸元入力完了。攻撃開始。目標、敵対空陣地」
まずは小手調べと言ったところだ。
「撃ッ」
トリガーを引いた。すると一発だけ発射された。
(え?5つくらいロックオンした筈だけど・・・)
10秒後友軍が言った。
≪おいおい、一発だけで、しかも目標手前でミサイルが消えたぞ。何やってるんだ・・・!?≫
友軍機が皆驚いた。たった一発で目標郡Aが〝全滅〝したのだから。
≪な、何だ!?何が起きた!!≫
≪分からん!だが表に出ていた奴は全員蜂の巣になって死んだぞ!!≫
≪此方エリアゲート!内部で火災発生!!畜生、奴等は火炎放射器でも使ったのか!!≫
敵軍も大慌てだ。
(まさか!?・・・あ、「通発」にするつもりが、「時限」にしてた・・・なんて威力だ・・・特注品のベアリング弾は違うな・・・)
創造者の自分ですら呆然とする。
≪こ、此方イーグルアイ、目標郡Aの壊滅を確認≫
イーグルアイも何が起きたか分からなかった。攻撃隊からの距離約120キロ先の目標が壊滅したのだ。
その上空を通過すると、建物は蜂の巣状態で燃え上がっていた。
「うわ・・・すげえ・・・」
まるで下は地獄だろう。
≪さ、三尉・・何やったんッスか?≫
フェンリル1が聞いてきた。
「いや、ただ新兵器のテストを兼ねて撃っただけだ」
普通に答える。
≪僕の作ったレールガンより凄いじゃないですか・・・≫
サピン空軍非公式戦闘飛行隊の奴等も驚いている。
≪技術者の端くれとしては、物凄く気になるな・・・≫
ブレイズ隊の一番機はぼそりといった。確かジン・ナガセと言ったか。
≪なんつー兵器だよ・・・NBCでも無ければ、核でも、レーザーでも、レールガンでもない・・空飛ぶクレイモアって所か≫

ハードリアンライン 17:00
「ガルム1、FOX2!」
≪ガルム2、FOX2!≫
サイファーとピクシーの放ったミサイルは敵機に確実に突き刺さった。
「命中、共同撃墜!」
≪此方ガルム2敵機を共同撃墜した。≫
宣言をする二人。
≪ピュ~♪ガルムの二人は熱くて良いねえ~≫
他の傭兵が余裕ブチかましている。
「喋ってると、ラッキーストライクで落ちますよ」
ムッとしながらも反論した。次の瞬間、その傭兵の機体はSAMに撃墜された。
「言わんこっちゃ無い・・」
サイファーは呆れた。
≪相棒、気を抜くと落とされるぞ!≫
ピクシーが注意を促す。
≪弾丸の波に乗ってやろうじゃねえか≫
≪飲み込まれるなよ!お前にはまだポーカーの借りがあるんだ≫
他の隊もも善戦している。後もう少しって所だ。
≪撃ッ!≫
聴きなれない言葉。
(まさか・・あの人が・・・)
その直後一気に敵の火力が弱まった。
「!?下が・・・」
地上がいきなり火と土ぼこりに包まれた。
≪此方イーグルアイ、目標郡Eの壊滅を確認。大きな戦果だ。敵軍のほぼ壊滅を確認。作戦終了、帰還せよ≫
イーグルアイからの報告を受けて離脱を開始した。
≪・・・ん?今空が光らなかったか?≫
ピクシーが何か見たようだが、こっちからは何も見えない。
「いいえ、何も見えなかったけど、どうしたの?」
≪いや・・何でもない≫
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