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第十四話:望まない戦い

5月5日 ベルカ ガルデンブルク基地 野外駐機所 11:40
(やるしかないのか・・・)
セツナは愛機の中で呟いた。セツナにとってはベルカにいるノース・サウスの4000人の"人質"は重すぎた。つい昨日、二カ国の政府が邦人の渡航禁止・早期帰国を宣言したのが唯一の救いだったが、それでも全員が帰国するまで一週間から三週間くらいだろう。それまでは皆、人質なのだから自分は逃げられない。
「[エースストライカー]、よろしく頼む」
≪スタンバイ・レデイ≫
聞きなれたAIの機械音声が悪魔の声に聞こえる。
滑走路へとタキシングして離陸の用意を済ます。
≪デスサイズ、クリアード・フォー・テイクオフ≫
スロットルを倒し、離陸を始める。
「Ⅴ1・・VR・・V2、テイクオフ」
機関砲のみの機体はあっと言う間に離陸した。
後ろからはネーヴェル隊とグリューン隊が続けて来た。まるで監視役のように。

オーシア・西部戦線 13:00
「作戦空域に入った。攻撃を開始する。攻撃目標、敵戦闘機と敵戦闘車両。エースストライカー、ターゲットを選定、ロックしろ」
≪レデイ≫
AIに目標をロックさせる。後は全て戦闘能力を必要とする部分を撃ち抜くのみ。ミサイルは要らない。
≪目標α郡へ攻撃開始≫
「了解」
AIが目標を選定した。一番近い敵の戦車小隊を狙う。
(戦車を戦闘不能にするためには、砲身を打ち抜かなければ・・・)
意識を集中して低空飛行で目標を狙う。まずは二両。レテイクルが砲身に合った瞬間引き金を引いた。もう一回今度は二両目を狙う。また砲身を狙い、トリガーを引く。
≪目標郡α戦車二両の戦闘継続能力の撃破を確認≫
AIが戦果報告をする。
「次っ!」

オーシア・西部戦線 16:00
「・・はー・・はー・・クソ!後どれだけだ・・どれだけ壊せば退くんだ!」
すでにF-15、F-16、su-27等撃墜数15を超え、戦闘車両30車両を戦闘不能にしていた。
≪敵損害率、48%。戦闘を継続せよ≫
AIが敵損害率を報告する。すでに4回基地と往復している。体も機体もガタが来ていた。
(敵陣深くに来たのはいいが・・流石にキツイ・・)
すでに機体には10発の被弾を数えている。他のベルカ軍が優勢になってはいるが、奥深くに来たセツナはそうは行かない。
≪裏切り者め!堕ちろ!!≫
状況は最悪。敵機2機がケツにくっついてくるし下は対空車両と言った所だ。
「こいつ等に話しても無駄だな・・・ならやるしかない!」
そう言うと機体を減速させ、機体を直角にする。
≪コブラか!二度も引っ掛かるかよ!≫
敵機は左右にブレイクした。
(頂き!)
その瞬間ロケットを引火させ速度を得つつそのまま上昇後、スパイラルダイブで敵一番機の片翼を狙撃した。
≪しまった!蜂の巣か!≫
そのまま脱出する敵機のパイロット。また空に白い花が咲く。
「撃墜、18!」
≪此方ゾンネ1、敵軍は後退を開始した。各機作戦終了、帰還せよ≫
AWACSから報告を受けようやく撤退を始める。
「な、なんとか生きてるみたいだな・・デスサイズ、帰還する」

ベルカ ガルデンブルク基地 野外駐機所 19:00
「結局裏切り者・・か。ま、確かにそうだろうな。どうせ、裏切り者だよ・・ククク・・アハハハ!」
嘲笑しながらも拳を握る。高飛車に笑い続けた。
「三尉!?大丈夫ですか!!」
驚いたウェルがタラップを駆け上がり機体の中に居たセツナを揺する。
「ハハハ・・・まったく、いい玩具だよなあ。私は・・アハハハ」
ヘルメットを取って、ウェルをどかし、機体から降りる。
「何所に行こうが、何をしようが、結局、無駄なんだよな。・・あー馬鹿らしい。なんだったら死んだほうがマシかもなあ。ハハハ!・・ねえウェル少尉」
そう言うとホルスターからSIG拳銃を取り出し頭に銃口を向ける。
「三尉!!」
引き金が引かれる寸前にウェルが体当たりで拳銃を飛ばす。それをすぐ近くに居たリザが銃を拾う。
「三尉!!何やってるんですか!!自決なんて馬鹿な真似はしないで下さい!!」
ようやく笑いが止まり、真剣な眼差しでウェルの目を射抜く。
「いっそ楽になりたいんだ。生きてて良い事など、無い。両親は目の前で惨殺され、その後はとある傭兵に殺人マシーンとして鍛えられ、ノースポイントに防人として人身売買されたのが私だ。そんな人生捨てたほうが良かろう。」
そしてまた微笑み。じゃあ先にといって宿舎へと歩いていった。
ウェルはその目によって動けなくなっていた。本物の覚悟の目。常人なら腰が抜けるほど恐ろしい目。人殺しの目。色々と混ざりこんだ真っ黒の目。そして――
「人間の目じゃ・・・ない」
僅かに見えたのは、真っ黒なはずの目が左は蒼く、右は緑に見えた。

ベルカ ガルデンブルク基地 ネーヴェル隊宿舎 22:00
「裏切り者・・・か」
セツナは借りたベットの中で呟いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・クスクス・・・・」
少しだけ笑い、眠りについた。

fin
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コメント

拝見いたしました
な、なんかすごいことになってます・・・
裏切り者、人身売買、殺人マシーン
それをとっても普通じゃないですね・・・
ここまで酷いことが起きたのなら、うちのサイファーなんか小さいモンですね・・・

今後の展開も、期待してます

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