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軍事研究第21回:SAMの今後

今自衛隊に新たなMDシステムの導入が検討されている

そのシステムの名称は「Terminal High Altitude Area Defense」通称THAAD(サード)だ

その諸元は以下の通りである

THAADミサイル
全  長:6.17m
弾体直径:0.37m(インターステージ部分)
重  量:600kg
最大速度:2500m/秒以上
最大射程:200km以上
最大射高:150km以上
最低射高:約40km
メーカー:ロッキード・マーチン社他

THAAD発射機
全  長:12m
全  高:3.25m
重  量:40000kg(ミサイル搭載時)
メーカー:オシコシ社他

最低射高40km・・・つまり、対弾道弾専用のSAM(地対空ミサイル)だ

射程は対中距離弾道ミサイルを第一想定として約200kmとされている。つまり北朝鮮からのミサイル防衛向けとも言えよう

現行のMDには欠点が幾つかある

1:SM-3ではディプレスト弾道(浅い角度で発射、浅い角度で落下する弾道)に対して対処困難(SM-3は最低射高=迎撃高度が高いからである)であり、PAC-3ではロフテッド弾道(急角度で打ち上げ急角度で落下する弾道)に対して対処困難

2:PAC-3の有効防護範囲は20km、ロフテッド弾道ならばさらに狭まると推測(ヘッド・トゥ・ヘッドでは無くなる為。対空ミサイルは正面から突っ込んでくる目標の方が有効射程が長くなる。PAC-3の場合だとVLS(垂直発射)では無いからでもある)

3:SM-3は数が少ない(少なくとも現状では)

これらの欠点を克服するにはロフテッド・ディプレスト弾道両方に対処できて、長射程のミサイルを、数多く導入する事だ

そこで上がったのがTHAADミサイルシステムだ

1990年に開発が始まったが、2009年に米軍配備が検討されている代物である

何故THAADが此処まで開発が遅れていたかというのは、実射試験がほとんど成功していなかったからだ。一時は開発中止も検討されたほどである

しかし、プログラムが何度も改良され、最近になって実射試験は成功した。因みに既にTHAADのレーダー部分であるFBX-T(移動式前方配備Xバンド・レーダー、制式名称AN/TPY-2)は青森車力分屯基地に前線配備されている。警備には民間軍事会社「Xe」(旧ブラックウォーター社)の社員が行っていて監督は米軍である(Xe社はもはや死に体ではあるが)

THAADの特徴は、ロフテッド・ディプレスト弾道両方に対処できて、長射程の対空ミサイルである事だ

先程の諸元からうかがえる通り、射程は200kmある。千葉県にある陸上自衛隊習志野駐屯地に配備すれば群馬県はすっぽり入り、新潟県の南半分が入る程なのである

これが高射部隊に配備されればPAC-3よりも少数の高射群で日本全土を防空出来る

では、PAC-3はどうなるのか?

PAC-3は「相当の対弾道弾能力を持つ対航空機・巡航ミサイル」である。それに対しTHAADは「対弾道弾ミサイル」でしかない

THAADを護るにはPACシリーズやその他のSAMが必要不可欠だ。今後もPAC-2・3のJADGEとリンクした混合運用が続くであろう。当然THAADが撃ち漏らした弾道弾迎撃の為に駆り出されるのは言うまでも無い

導入に当たって問題が無いという訳ではない

現状では空自が長距離SAMを、陸自が中距離SAMを運用しているが、空自の高射部隊の人数が不足しかかっている上にTHAADはPAC-3の後継などでは無い。その為、どう勘定しても現状の体制に合わせた人員定数では間に合わないのだ。現にナイキ導入時に陸自高射特科の運用要員が空自に転向している様に、今回は定数の多い陸自にTHAADの管轄が回される可能性はある(03式中距離地対空誘導弾で既に目標情報は射撃レーダーだけではなく、DADS(師団対空情報処理システム)、またBADGE(自動警戒管制組織)を通じて警戒管制レーダー(移動式警戒管制レーダーを含む)やAWACS(空中警戒管制機)やAEW(早期警戒機)からも目標情報を入手することが可能なので運用上は問題はないだろう。将来的には開発中の対空戦闘指揮統制システムともリンクするだろう)

米軍においては陸軍の管轄ではある為にこのような問題は起こり得ないのだが・・・


次はXRIM-4に関する話題

XRIM-4とはAAM-4の艦載型の短SAMだったミサイルだ。シースパロー(RIM-7)の後継として導入される予定ではあったが、ESSM(発達型シー・スパローミサイル)でも対処可能、として計画は中止となった

そのXRIM-4だが、今度は陸自高射特科の中SAM(03式中距離地対空誘導弾)の補完として、採用される可能性がある。陸上自衛隊のホーク地対空ミサイル後継の03式中距離地対空誘導弾(03式中SAM)があまりにも高価な為、これを補完する役割としてXRIM-4計画を陸で拾ってみようという話だ。

因みに前例としてドイツ軍でも次期主力地対空ミサイルMEADS(PAC-3MSEを流用)の補完用により小型の地対空ミサイルIRIS-T SLを採用する気で、中小型2種類の対空ミサイル二段構えで野戦防空を行う計画がある

XRIM-4の特徴としては、アクティブレーダー終末誘導によりイルミネーターによる最終誘導が必要無い事だ。これにより、同時誘導可能数が理論的に無限となった点だろう

03式中距離誘導弾の特徴は、XRIM-4同様のアクティブレーダー終末誘導である。恐らくAAM-4(99式空対空誘導弾)の研究結果を反映したものと思われる

尚、射程はXRIM-4がESSMと同程度の50km以上、03式中距離地対空誘導弾も50km以上と推測されている

しかし、両者一点において違いがある。大きさである

XRIM-4はESSM程度の大きさ、弾頭重量が同等(重量は約300kg、弾体直径約25cm)とすれば、03式中距離地対空誘導弾の重量約570kg、弾体直径約32cmと比べ小型なミサイルとなる

これでコストも抑えられれば、高価(470億円、パトリオット850億円より格段に安いが、防衛予算削減のあおりを受けている)な03式中距離地対空誘導弾とハイ・ローミックスや前述のドイツ軍のMEADSとIRIS-T SLの例の様に運用できるだろう

確かに、03式中距離地対空誘導弾にはライフサイクルコスト削減を目指した03式中距離地対空誘導弾(改)が開発される予定ではあるが2016年装備化予定では遅すぎるだろう。現在高射教導隊と第2高射特科群のみにしか配備されていない03式中距離地対空誘導弾だが、他の高射特科群は未だにMIM-23 改良ホークを使用している。早急に装備転換を図った方が得策でもある

尚、96式多目的誘導弾の直径は16cm程度である。これを高機動車は6基搭載できる(つまり許容範囲は96cm)これならばをESSM程度の大きさのXRIM-4ならば3基分、多少ミサイル間のクリアランスを無理をすれば4基分のスペースが出来る計算だ。高機動車をベースにした発射装置を多数配備すれば発射機に対する敵近接航空支援や砲兵射撃、小規模襲撃で防空能力を一度に失うリスクを分散できる事も上げておくべきだろう。

これならば辺境の地や離島に空輸する事が出来る。03式中距離地対空誘導弾の利点である「見越し射撃」を無視すれば幹線無線伝送装置、幹線無線中継装置及び射撃統制装置等、高機動車で出来ているシステムをそのまま流用してコストダウンさせ、残りの捜索兼射撃用レーダー装置車、発射装置車、運搬・装てん装置車・レーダ信号処理兼電源車を高機動車ベースで仕上げれば陸自のCH-47大型ヘリで全ての装備を運搬できるかもしれない

発射・装填装置はNLOS-LSの様に車両固定式で、再装填時は発射装置のコンテナを小型のクレーンで取り換えても良いだろう。ESSMは300kgあり、XRIM-4が同程度ならばNLOS-LSの様に人力再装填は現実的ではない。何故ならNLOS-LSは53kgしかないからこそ人力再装填が出来るからだ

将来的にも「ダクテッドロケット飛しょう体」の研究により射程の延伸をすることも可能だと思われる

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