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軍事研究13回:MD・基地・敵首脳部攻撃能力及びソマリアへの展開事案

今回はMDの今後、及び敵国基地・首脳部攻撃能力に関しての研究と、ソマリア海族対策での陸上航空海上自衛隊展開に関する研究である
さて、4月の初めに北朝鮮がテポドン改造型ミサイル(ミサイルは飛翔物体全体を指す)の打ち上げが決行されたが、いずれの軌道衛星監視国家でも打ち上げ後の展開を確認できず、打ち上げ失敗との結論に至った

今回、日本への危機への除去対処の為にイージス・PAC-3が展開に至ったのは記憶に新しいだろう

しかし、これだけでは国家防衛は不可能に近い。「盾」をいくら頑丈にした所で壊れぬもの等存在しない。敵の「矛」が「盾」を破壊する前に敵の「矛」を破壊せねばならないのだ

当然盾を頑丈にするのは非常に重要だ。同時に敵に絶対「撃たせない」事も重要となってくる

MDのSM-3が今後進化していく事に関しては触れているので割愛させて頂く

問題はPAC-3だ。これはイラク戦争時にクウェート近郊PAC-2と共に展開、イラクの短距離弾道弾を多数迎撃している。もともと前線防衛用だが、市街地運用の実績はこれにあり、さらに実戦も経験済みだ。しかし、これには問題がある(都市への被弾は海上から来たたった一発の巡航ミサイルだ)

それはこのPAC-3は「局地防衛用」の対弾道ミサイルなのだ。射程距離が20km程度と足りない

そう、敵のミサイルが防空圏内を避けた(外れた)場合にそこに着弾すると言う事だ。これはどうしようもない。突入フェイズにおいて、当たる圏内に居なければ意味が無い

そこで防衛省はTHAAD(サッド:終末高々度地域防空システム、射程150km。最高速:秒速2500m。10連装ミサイル発射機、Xバンドのフェーズドアレイレーダー(AN/TPY-2)、指揮情報管制システムからなる。〔Xバンドレーダーは1000km以上の探知距離を持ち、飛来する弾道ミサイルの追跡・迎撃ミサイルの中間誘導も合わせて行う〕)の購入を検討している。これはSM-3・PAC-3の中間が迎撃範囲であり、迎撃範囲が広い。現にUAE向けの商談が進んでいる真っ最中だ。当然日本もこれを要求するだろう

THAADが導入される事で日本の脅威となるノドンや低空を燃料を減らして飛んでくるテポドンシリーズを迎撃できるだろう。こればかりは購入せねばならないが、最近朗報が入った

ゲーツ長官はこれまでの多くの計画から予算を削減し、F-22の生産停止などを決定。議会も認めた。F-Xの選択肢からF-22はほぼ消え失せたが、SM-3Block2やTHAAD等の開発に予算が増やされるとの事だ

最近になってTHAADは試験で命中させる事に成功したが、PAC-3の射程が短ければ未完全であれ導入せねばならないだろう。SM-3(日本海)・THAAD(日本海側沿岸)・PAC-3orPAC-3後継(首都圏重要施設・空自主要防空基地)の3段構えのMD迎撃網ならば迎撃率は理想値で99%以上、現実的数値でどんなに少なく見積もっても70%程度は行くだろう

そして敵に撃たせない事も重要だ。敵基地からミサイルが移動する事も十分考えられる。その際、その拠点を叩く為に日本海で戦闘機(F-2・護衛のF-15及びF-X)と空中給油機・AWACSを待機させたとしても発見・撃破は非常に難しい。砂漠における対地索敵能力が優れるE-8J-STARSをも用いたスカッド狩りですら大した戦果は挙げられなかったのだ。打ち漏らす事も十分考えねばならない

その際、敵の本拠地・首脳部を攻撃する事も考慮せねばならない。ソウルと違い、北朝鮮の首都は遠く、簡単には叩けない。在韓米軍・韓国空軍が開戦からすぐさま反攻できるかどうかにも掛かっているが、自国防衛は自国でやるべきだ。スタンドオフ兵器の調達や早期警戒衛星の整備も必要となってくるだろう。そうする事で直接攻撃を受ける事に危機感を持たせ、ある程度の抑止効果が狙える。(現在の自衛隊に朝鮮半島に攻め入れられるほどの輸送力は無く、帝国主義の復活とは程遠い事を忘れてはならない)

しかし!その為に必要な予算が絶対的に足りていない!!

問題はお金・・・と言う事なのだろう(ああ、悲しきかな日本の国防。経済大国なのに金が足りていないとは)

次はソマリアである

現在P-3Cが派遣される事が決定された。P-3C対潜哨戒機の拠点となるジプチ共和国と日本との間で、航空自衛隊が物資輸送などの面で支援にあたり、陸上自衛隊も基地警備任務などで支援を行うとのことだ

イラク以来の陸海空共同海外派遣任務と言う事になる

既に海上自衛隊の護衛艦は不審船対処を決行しており、完全に実戦のど真ん中に自衛隊は居る

現在ソマリアは完全に無政府状態だ。海賊で得た身代金で豪遊をかます程に旨味を得たソマリアの海賊は誰かが彼らに「教育」してやらねば何度でもやるだろう

その誰かとはソマリアに実権を持つ政府なのだが、それは機能していない。フォローすべき周辺国も大した海上警察力を持っていない。そうなれば「世界」がやらねばならない

海賊の武装、周辺国の能力・商船の数・海賊の数・・・etcこれらを見ればド素人でも一般の海上警察力では意味が無い事が分かる。マラッカはインドネシア・アチェ州の紛争が終結し、治安が改善されたことも海賊事件激減の背景にあるだけではなく、各国に海賊の拠点を攻撃できる警察力があるだけではなく、周辺国の海上警察力も充実しているからこそ成功したのだ

しかし、ソマリア周辺国ではこの方法は不可能に近い。無政府状態のソマリアでは海賊の拠点(港町)に対する陸地での取り締まりを警察力で行えず、これを取り締まるならば陸軍しかない。そしてそれを支援できるのも海軍しか存在しない

当然、ソマリア政府が実権を握れる様になって警察力を持てば各国は支援に回れば良い。だがそれでは時間が掛かりすぎる。今はすぐにでも商船を何事も無く通過させる様にしなければならないのだ

日本国内では「法案、法案」と口を揃えて言うものの、軍において法律なんかよりも重要なのはROE、交戦規定だ。これは有事やそれに近い状態・・・つまり法律の効果が薄く、超法規的処置(殺人・物資・土地調達・作戦遂行の為の警察権使用)を軍に行わせる為のルールだ

自衛隊ではこれはまだ不十分であると言えるだろう。ROEはほんの少ししか公表されない。しかし、公表されているものでも有事の状態になった時を除き、「自衛隊」が「軍」として動ける機能はあまり無い

ROEが整備され、発砲権限や護衛・追跡権限が完全に定められてこそ自衛隊は国防軍として成り立つ

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