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第10話:反攻

10月23日 14:00 カーウィン島基地
整備格納庫の中で機体の部品交換をしていた刹那の携帯がバイブで震える。ヘルメットをかぶり、その携帯を機体の端末に接続させる。そうする事で相手と擬似音声で会話する事が出来る
≪・・・刹那さん、大統領が拉致されたそうです≫
刹那はMFD上に相手の名前を見る。それはユークバニア軍の情報部員の名だ

・・・・予定通りだな。南雲の奴、うまく情報をリークしたようだ。追跡出来ているか?

当然です。第247・第359・第220偵察衛星が灰色配下のオーシア人部隊を追跡しています。HH-60ヘリでベルカ領に向かっているそうです。今送りますね≫
そう言うと愛機のMFDに大量の赤外線衛星写真を映した。撮影された位置情報は狂いも無く北東へと向かっている。最後の一枚はシューティア城の座標で、さらに映像には城が写っている

・・・シューティア城の監視部隊からの報告は?

≪本日01:15時、衛星が追跡していたHH-60が着陸したのを確認済みです。ハーリング大統領らしき人物を確認しております≫
赤外線画像の連続写真が受信される。城の開けた地点に着陸したHH-60から降りてくる複数の男達を写し、最後の一枚は城へと入る瞬間だ。

これで、ハーリング・ニカノールの居場所が判明したな。奪還は時機を見てからになるだろう。それより、2ヵ国間の政府に入り込んだ犬共は?

≪現在、それらを特定し灰色とのレポ(連絡員)が誰かを洗い出しております。特殊部隊や正規軍の長達は比較的協力的です。CIA、GRUは我々の話に対しては多少懐疑的でしょう。ユーク内務省及びDIAは我々の話を完全に否定しました。よほど自信があるんでしょうね、自分らのほうが完璧だと≫

・・・国家の暴力装置たる軍隊は政治的な事は然程考えないからマシだが、諜報組織はそういうことを考えるから扱いが難しい。首脳部を拉致した連中はどうせそういう所にいた奴だ。ユーク大陸反攻の部隊規模は?

刹那はさらに情報を求める。相手は刹那の貪欲さに失笑した
≪やれやれ、あなたは情報が無ければ安心できないのですね。・・・ユーク大陸への攻撃部隊はオーシア陸軍第5師団から選抜された4個中隊です。支援に第二艦隊、空軍一個飛行中隊が確認されています≫

あの国にしては珍しいな。最初に海兵隊を出さないとは・・・

≪海兵隊は縮小されつつありますし、MEUは廃止されましたしねえ・・・ま、陸軍も功績を残したいのでしょう≫

・・・全て順調だ。どうせユークも、もう一隻のジョーカーを残しているだろう。奴らが派手に殺りあってくれれば、動きやすい。そうだろう?サーニャ中尉

≪勿論です、中佐。我々にとっても丁度良い煙幕ですよ。ただ・・・・祖国を荒らされるのは良い気分ではないですね・・・≫

貴様の祖国の威厳は地に落ちた。国家として機能しなくなるのは後10~20年後の話だが、それまでは持って貰いたい物だからこそ我々は動く・・・・それ以外の何があろう?・・・もういいな?では

≪ダー。重要情報が入り次第、連絡いたします≫
ブツッと端末から携帯のコードを引っこ抜き、携帯を元からあったところに戻す。多少満足そうに作業を続行する

・・・クリストフからの方面での切り込みは失敗したが・・・こっちからなら横槍を突けそうだ。楽しみだ。実に楽しみだ

彼は今、ベルカ騎士団の本拠地のカーウィン島の航空基地に邪魔をしている。目的は接触し、情報を引っ張り出して利用するはずだったのだが、条件を出された上に協力しないと言った「人の心を読む男」を運ぶ事と不足してきた物資の補給だ。と言ってもノースポイント軍からの高品質の消耗品供給がセーフハウスをソロ島に移動させた為に途絶えてしまった。そこで、ここまでの運送屋としての移動の代金として機体の品質の保持の為にある程度の部品交換と比較的新品の配線を調達するだけだ。しかし、暫くAIがフル稼働状態での放置が多かったり、飛行頻度が増えたせいか、部品の損耗が酷くなってきている為、予想以上に足止めを食う事になっている。その間、別の組織からの情報に頼らざるをえなくなっている。先ほどのユーク軍情報部の一部はオーシアの国益を第一とするCIAと情報提携している。何故ならばどちらにとってもこの戦争は無益だからだ。刹那もそれをつい最近、知った上でそれらと情報を多少なりとも共有している。そして、クリストフという男も刹那にとっては思ってもいない不確定な存在だった。全ては10月のサンド島侵攻直後から動いていた

10月5日 14:20 オーシア・廃棄された飛行場
刹那はオーシア南部の山岳地帯の廃棄された民間飛行場で愛機の端末に「灰色の男たち」が使用するデータリンクシステムを接続して通話を行っていた。「ADF-01:ファルケン」の状態報告を行っていた整備クルーに化けていたスパイからだった

・・・もう一度言ってみろ。クリストフが、何だと?

≪は、彼が突然あなたに会いたいと。・・・詳しい合流地点は今から送ります。罠かも知れませんが・・・此方の考えを読める奴です。奴がその気なら私は今頃警備兵に連行されているでしょう。信用してもいいでは?≫
そのスパイは冷静に、慎重に情報を得ていた。しかし、刹那が接触しようとしている男は人の考えを「直接」読める人間だ。その気なら既にスパイの存在は気付かれていた筈なのだ。もし、明日以降に反応が無ければ強襲して奪取するつもりだった

・・・その件は了解した。・・・ファルケンにバックドアを今から仕掛け、情報を吸い出したいが、データリンクを立ち上げられるか?

≪私を誰だと思っているんですか?整備主任ですよ?そんなの簡単です。・・・許容時間は1分です。それ以上だと警備兵に怪しまれます。出来ますか?≫

これまでありとあらゆるデータリンクシステムをこれに積み込み、散々試験してきたのだ。出来ない筈が無い。ハッキングは不可能だが、バックドアなら非常に簡単だろう

≪Roger・・・あなたは末恐ろしいですね。世界中の全てのインターネットシステムにバックドアできるようにしたのですから・・・試験目的でエンジンを回します。12分後、バックドアをお願いします≫

了解。クリストフに「よろしく」と伝えてくれ。Out

10月5日 21:45 ノースオーシア スーデントール市街地
「・・・驚いた、まさか一人で来るとは思わなかったです」
その男が最初に放った台詞はそれだった。恐らく周囲は既に「サーチ済み」の様だ。男に紙を渡す。刹那は周囲に溶け込む為にいつも上にあげていた前髪を垂れさせ、Yシャツ・スーツ姿だ。はたから見ればサラリーマンにしか見えない上に、体の動きも軍人のそれとはまったく異なる動きをしている。

私が何を考えているか、分かっているだろう?今後は喋らずに並行して歩け、周辺に監視している連中が居る

「え・・・は、はい。何故いきなり接触を取ろうとしたのか、でしょう?しかし、何故見張りが居る事が?」
(臭うんだよ、あっちこっちからな。とてもじゃないが、火薬の臭いが堪らない。一番近いのは11時方向・40mのビールバーのオープンカフェで新聞を読んでる奴、次に5時方向・52mのホテル2階部分)
どうやらスパイの報告は確かなようだ。内心驚きつつ、この「実験動物」の成果を確かめてみる
(早速試さないでください、刹那さん。しかし、あなたの嗅覚・聴力・知力、どれもずば抜けていますね・・・もしかして、自分と似たような事を「された」のですか?)
(フフ・・・私が自分で「した」のだ。それ以外の何がある?私は言うなれば「生物兵器」だ。お前の様にモルモットと同義語だ。お前ですら読めない所もあろう)
刹那は心の声でクリストフと会話する。刹那の「中」に入り込めるクリストフはあちこちを「漁って」いた
(・・・確かに核心部分は見せてくれませんね。まるで暗号化されているようだ。しかし、その他は丸見えですよ)
(確かに、それらを組み合わせればその暗号の配列は解けるだろうな。しかし、「AIの言語」を訳せなければ中身は分からんぞ?お前ではその情報を持って元の場所に逃げ込み、解析する事は不可能だ。従って貰おうか?)
確かに刹那の計画の核心部分は「パズルの様な断片的な情報」と「刹那の人工知能が持つ専用言語」によって2重に暗号化されている。しかし刹那の中を漁り終えたクリストフは苦笑交じりに言った
(・・・・その台詞は此方の台詞ですよ、刹那さん。あなたには協力しません。・・・カーウィン島に連れて行ってください。さもなくばこの情報を組織に回します。・・・・此方の能力を舐めないでください、解析要員に情報を渡せば解読可能です。そうなればあなたは破滅ですよ?)
(逆に脅しに来るか、小僧。・・・・・・いいだろう、興味がわいた。乗ってやる)

そんなこんなでベルカ騎士団の元に来たのだった。刹那にとってはどうでも良い目的だったが、情報が漏れるのは極力嫌った為止むを得ない事でもあった

11月1日 ボストーク半島沖 16:30
≪テリー、お前に話しておくことが・・・・≫
≪敵は目の前だ、スコット。お喋りは後だ!≫
≪確かに終わってから話したほうが良さそうだ、じゃあな≫
無線の私語を聞き流し、グリム2等軍曹は自らの装備を再確認する。
(M16に異常なし、ゼロイン良し、装具チェック・・・良し。何時でも行ける!)
装備品確認を終え、小隊長の言葉に耳を傾ける
「オーライ、ジェントルメン!俺達が目指す先はあの海岸だ!そしてその奥に攻撃目標がある!上陸訓練を思い出せ!前進時・後退時は相互援護を忘れるな!誰も置き去りにするなよ!!俺達は第5師団最強のAカンパニーだ!良いなファッキンジェントルメン!!」
「「「「「Sir Yes Sir!」」」」」
威勢の良い声がホバークラフト艇のエンジン音を掻き消すほど響く。ストライカーに乗り込み、その時を待つ
「30セコンド!随伴歩兵部隊、着岸・停止と共に展開しろ。止まるな」
空軍部隊の援護部隊が到着した様だ。ジェットエンジン音が聞こえる
「空軍の連中に遅れをとるな、ロック&ホールド」
「20セコンド!」
≪これより四つの中隊が各ビーチより上陸する。上陸支援開始。ウォードッグ、サックス、レックレスはCAS、フェアリー、シグファリー1はCAP開始。ウェポンズフリー≫
上空に見える戦闘機隊は2手に分かれた。レーザー照準器を持ったバキンス2等兵は顔が引きつっている
「10セコンド。セーフティー解除!」
「良いか、降車したら迷わずついて来い。止まったら的になるぞ」
≪停止ーッ!展開スタンバイ!≫
ホバークラフトが完全に止まり、降車口が素早く開く。と同時に発砲音が車外で響いた。
ダダァン!ドンドンドン!ダダダダダダダダッ!!!ガンッ!ゴン!ガキュンッ!ドドドドドッ!!!
「敵の小隊が待ち伏せているぞ!降車だ!Move!Move!!Move!!!」
≪敵歩兵分隊1時方向、200m。制圧射撃開始!≫
「指令了解!アルファ分隊制圧射撃!1時方向!」
中隊長車からの指示でアルファ分隊に制圧射撃を命じる。激しいM240の射撃が敵兵の潜むブッシュあたりに集中し始めた
バラララララララララララララ!!!!!バラララララララララララ!!!!!
≪ブラヴォー分隊、あのクソッたれな敵に側面攻撃!≫
「ブラヴォー分隊側面攻撃!移動、行け行け行け!」
「ブラヴォー了解」
ブラヴォー分隊の面々が制圧射撃で膠着状態に陥った状況を打開する為に全力で走り、敵側面に回る。位置に付くと同時に分隊のM16A4とMINIMIがユーク兵に集中砲火を浴びせる
「Enemy Down!Nice Shot!」
≪制圧?≫
「制圧!」
≪OK、Move up!HQ、上陸地点確保≫
「乗車しろ!前進するぞ!」
各分隊がストライカーに乗車、前進を開始する
≪Bカンパニーの中隊長はもう定年だっけかァ?花道用意してやらないとなぁ!ハンス≫
≪私語は慎め、コマンダー。おい、ウォルター何やってる?・・・死体撃ちなんてのは感心しないな。極端な先入観を捨てろ≫
「ウォルターの奴、怯え過ぎだ。あいつ戦場に居た頃もそうだったのか?元傭兵と聞いていたが・・・大陸戦争時の潜入任務で血を見すぎたかもな」
≪ハッ!馬鹿馬鹿しい。これからもっと死体を見る羽目になる。新兵どもにも慣れさせないとな!HAHAHA!≫
この師団の多くはオーシア南部国境地帯での不正規戦闘を体験している。かなり戦闘慣れしている為死体は見慣れている。Aカンパニーこと第1中隊はその激戦区である死の谷と呼ばれた峡谷地帯での戦闘に長けている。1分半ほど進むとストライカーは急停車した、と同時に汎用機関銃の着弾音が車体内部に響く
タタタタタタッ!カンッ!ゴンッ!ガキンッ!ガキュン!
≪上方に注意!右前方バンカーだ!≫
≪アルファ、攻撃開始!ブラヴォー散開だ!散れ!≫
「Fu○k!釘付けだ!対装甲配置!バギンス、レーザー照射!空軍に支援要請するぞ!ハンス!座標、進入進路を伝えろ!行動開始!」
バキンスがレーザー照準装置を目標に向け、攻撃態勢を整える。その間、部隊はストライカーの影で動かない。
≪航空支援要請?サンダーヘッドよりAカンパニー、他の中隊からも支援要請が来ている。4つ同時は不可能だ。Aカンパニー、スタンバイせよ≫
「・・・Roger。隊長、スタンバイです。ETA不明」
「スタンバイ?冗談もいい加減にしろ。空軍の連中は何とも事務的過ぎる。ふざけているのか?それとも傭兵を動員しすぎてそいつ等の対応に追われているのか?ったく・・・ブラヴォー援護しろ。チャーリー、あの稜線へ行け。爆薬を仕掛けろ」
「了解!RPKに気をつけろ!リロード時を狙え!」
ストライカーのM2重機関銃がバンカーの敵兵の使用している重機関銃に砲火を集中している。そのためそこに備えられた銃座についた兵士は尽くミンチになっている。問題は敵兵の分隊支援火器だ。こいつは火線の届かない死角から攻撃できる。突入口としてあるドアはどう見ても非常に分厚い
≪このバンカー・・・核攻撃でも想定していたのか?分厚いコンクリート製のドアがある≫
「冷戦時代の物だろう。チャーリー、一刻も早く突入し制圧せよ」
≪了解、C4仕掛けるぞ。5・・4・・3・・スタンバイ・・≫
「ブラヴォー援護射撃!チャーリー分隊突入!」
ダダダダダダダン!ドドドドドン!
援護射撃が始まると同時に牽制射撃を加えつつチャーリー分隊がその突入口に向けて走る
≪ブラヴォー援護射撃止めろ!ここからなら良く見える。左翼にデルタ分隊の応援を出せ≫
≪RPG-28だ!奴を狙え!≫
「集中して叩く。スミスあいつを狙え。マークスマンの本領発揮だ」
≪チャーリー、突入する。空軍の支援が来たら言ってくれ。ショック体勢をとる。ブリーチングチャージ・・・クリア!≫
ドンッ!
≪派手に吹っ飛んだ!これならいけるぞ。突っ込め!走れ!敵に逃げられちまうぞ!≫
「了解だ、チャーリー。・・・ETA15秒!衝撃に備えろ!」
≪サックスだ、中隊長車が突出しているのが良く見える。航空支援を開始する。誤爆しないよう気をつけるよ≫
F-15が腹にJDAMを抱えて突っ込んでくる。導入されたばかりのレーザーJDAMだろう
≪レーザー照準良し・・・トスでやる。気ぃ付けろ≫
「チャーリー衝撃に備え!」
≪来るぞ!何かにつかまれ!≫
F-15は友軍の後方からバンカーに対して正面から突っ込みJDAMを上昇しながら投下する。GPS/INSよりも正確な攻撃を可能にしたレーザーJDAMは弧を描いてバンカー上部に向かう
ドンッ!
≪命中確認!アルファ分隊前進し、敵の特火点に集中射撃!敵の気を引け!≫
≪チャーリー分隊だ、損耗無し!さらに前進する!空軍連中に伝えろ!いい爆撃だったとな!アホな敵兵がこっちに飛んできやがったぜ!蜂の巣にしてやったよ!≫
「ハイテンションだな、チャーリー。そのまま前進し、制圧しろ」
≪Roger、野郎ども!格闘戦に備えろ!≫

16:34
「Bカンパニーのルービン少尉より上空の味方機へ。隊長の引退仕事に花を添えたい。支援を!」
≪此方ウォードッグリーダー、了解。しかし2機しか支援できない、殆ど自力になると推測されるが、出来るだけはやってやります!≫
「此方ルービン、恩に着るぞ。爆撃で出来た花道か・・・隊長に相応しい。・・・隊長、空軍の支援は2機です。他の方に引っ張りだこのようですよ」
「やれやれ・・・これで退役なんだ、酷使してくれるなよ・・・各小隊長へ、状況は把握している。第2小隊、そっちにストライカーをまわすぞ。各車へ到着次第、敵火点へ制圧射撃を行え。同時に第3小隊を側面より投入しろ。第1小隊の先遣隊が遭遇した歩兵小隊は・・・側面から回りこめそうだな。第5小隊を行かせろ」
「了解、各小隊長に伝達――」
「ポール先任曹長、作戦の進捗状況はどうだ?」
「第1小隊が敵バンカーの前で足止めを受けています、しかし第5小隊が先遣隊の遭遇した歩兵部隊を撃破出来れば・・・最小の航空支援で突破できます。まだ第一段階ですが・・・作戦時間から見てまだ余裕はあるかと」
矢継ぎ早に指示を出すBカンパニーの指揮官は初老のハル中佐だ。彼は、過去にベトナム戦争・湾岸戦争・オーシア南部国境紛争・ベルカ戦争等で戦い抜いた老兵である。4つの中隊の中で最も実戦経験が豊富で、最も新技術や新たな戦術を取り入れる事に積極的な指揮官だ
「・・・このバンカーの後方部分は・・・航空写真とは少し地形が違うな。作戦変更だ。第5小隊に伝えろ。バンカーの後方で敵が偽装された塹壕でアンブッシュしている。敵将は此方の動きを読んでいるぞ。2手に分かれて攻撃だ」
「了解!」
「重迫撃砲中隊、橋頭堡に展開完了しました。指示を!」
「バンカーに対し集中砲撃、周辺を制圧しろ。誤爆に注意し、前線との距離1.25kmを維持して前進。狙撃兵に狙われにくい距離でもっとも有効な打撃を与えられる距離だ。予備一個小隊を護衛につけて前進だ」
≪此方Bカンパニー第2小隊!迫撃支援求ム!砲撃座標1-4-2-5!≫
「了解!迫撃砲撃ち方始め!砲撃座標1-4-2-5!弾着修正は逐次送られたし!」
≪第5小隊、敵の待ち伏せにあって足止めを受けています。航空支援要請、レーザー照射します≫
中佐は地図の上に置かれた友軍の指標を無線やC4Ⅰの状況を眺めながらゆっくりと動かしていく、第5小隊が敵の後方に回り込むと、自ら無線機をとった。
「上空からの爆撃を要請する!現在迫撃砲が着弾しているバンカーの後方、そして敵バンカーの射撃デッキに機銃掃射だ!」
≪ウォードッグリーダー、Copy!エッジ、バンカーの後方にレーザー照射がされているのが分かるか?≫
≪ええ。ブレイズ、正面をお願い≫
ドンッ!
ヴォオオオオアアア・・・・
2機のトムキャットが散開、敵バンカーの上空・正面から突入していく。数秒後、爆発音とM61独特の発砲音が響いた。
≪射撃が止んだ!第2小隊集中攻撃!≫
≪フーヤー!!敵兵が吹っ飛んだぜ、いい臭いだ!行くぞ、突入だ!≫
「攻撃の手を緩めるな、第1小隊強行突破を敢行し前進しろ。第3小隊もだ。迫撃砲中隊も200進めろ。友軍機へ、航空支援感謝。必要があればまた連絡する。Out」

ユーク軍前線司令部 16:40
≪オーシア軍に前線が崩されています!11番バンカー感無し!≫
≪21番バンカー、通信途絶!≫
「司令、一体どうすれば・・・」
「落ち着け、各隊に遅滞戦闘を下令。此処で迎撃する。分隊狙撃手は分隊から離れて行動しろ。敵の増援部分を混乱させるのだ」
ユーク軍の司令官は既に制服を脱ぎ、迷彩服・防弾着、ケブラーヘルメットと完全装備で待機していた。他のユーク軍士官はようやく事の重要さが理解できたらしいが、未だに制服を着たままだ。
「制空権確保は?」
「傭兵飛行隊のレイヴン隊、独立飛行隊のRoc・ワイバーンと第244戦術飛行隊・・・計10機が担当しています。対地支援は陸軍第120飛行隊のMi-28とMi-24、各4機です」
「彼らには無茶をするなと伝えろ。此処では防ぎきれん。可能な限り敵の数を削る。右翼第32バンカー、左翼42バンカーには徹底抗戦させろ。残念だが、全滅してもらう他ない。・・・・奴らは強すぎる」
≪またやられた!こちら第31バンカー第2班、航空攻撃による損害大!畜生、敵の攻撃が正確すぎる!≫
≪駄目です、ここでは防ぎきれません!・・・迫撃砲、外れてるぞ!修正南へ100m!≫
無線から響くのは最前線のバンカーや陣地からの悲鳴だった。司令はそれを聞きつつ新たに指示を出す。
「前線を下げろ、戦闘可能者は即座に32バンカー、42バンカーに撤退。戦線を固めるのだ。負傷者は置いていけ、可及的速やかに移動せよ。本部守備隊、直ちに最終防衛ラインを敷け」
「だ、ダー!」
≪第120飛行隊到着した。航空支援を開始する。増援の分隊は何所に下ろせばいい?≫
「Mi-24に乗っている兵員は全て最終防衛ラインへ!全機オーシア軍への攻撃をするんだ。滑腔砲とスティンガーに注意しろ」
≪此方第一OP、上陸地点に敵戦車を確認。M1A2です≫
「全バンカーにTOWの用意は出来ているか確認しろ。キツイ戦いになるぞ。私の銃と弾を、最終防衛ラインで陣頭指揮を執る」
司令官は同じく武装した副官からAK-74MとMP-443、その弾倉を受け取り無線手と共に外へ行こうとする。
「お、お待ちください司令!外は危険です!」
「兵士達が命懸けで戦っているその時に、指揮官が前線に行かないでどうするのだ。・・・参謀、逃げたければ逃げたまえ。私は義務を果たす。全隊、全力で防戦せよ!これより私が陣頭指揮を行う!」
司令官は自分の参謀に静かに言うと、何の躊躇もなく銃を手にバンカーへと進んだ
「全部隊状況を報告せよ。これよりオーシア軍に防衛戦を仕掛ける。持ち得る火力を集中し、敵の戦力を削ぐ。32バンカー、42バンカーで敵を抑える。現在交戦中の部隊は無線機を破壊し、素早く当該バンカーへと撤退せよ。尚、負傷者は軽傷者のみを移動させろ。これは命令だ」
≪どうした?状況を報告しろ!≫
≪敵です!対戦車壕に接近中!交戦続行不能、第4中隊退却します!≫
≪第3中隊損耗率20%、状況は最悪!全滅寸前だ!命令を受領した、撤退を開始する!≫
≪第2中隊だ、距離600から射撃を開始する!一斉攻撃後即退却するぞ!1マガジン分を撃ち尽くせ!≫
≪此方第1中隊、損耗大!部隊を再編しろ!BMPに素早く乗車するんだ!急いで退却するぞ!さあ行け!≫
全部隊の行動が変化し、第32・42バンカーへと退却する。そこは、地獄の一丁目。両軍にとって最悪の戦場になる地点だった

16:45
≪いいぞその調子だ!彼らが私を信頼するように、私も彼らを信じる!前進するぞ!≫
≪中隊長に遅れをとるな!全部隊突撃!ほら!せっかく来てくれた隊長を失望させるなよ!≫
≪Bカンパニーより、Cカンパニー。左翼を250進めろ。増援として第7迫撃小隊を送る≫
≪Cカンパニー中隊長、了解!恩にきます!左翼の部隊・・えーと・・・第3小隊、250進め!≫
≪Dカンパニー全員聞け、Bカンパニーに遅れるな!止まるんじゃない!≫
「凄ぇ・・・前進が止まらねえ・・・本当にあのオーシア軍か?」
≪地上の連中に負けない為にも、もうひと踏ん張りするか。航空支援要請が引っ切り無しに来るだろうよ!稼ぎ時だぜ、レックレス!≫
「あったりめーだ!お前も遅れんなよ!サックス!・・・早速おいでなすった!Dカンパニー・Cカンパニー航空支援要請確認!こいつはさっきより固そうだ・・・弾幕に気をつけろ!」
レックレスは友軍の航空支援要請に伴い、敵陣地へ急降下していく。だが、敵の強烈な対空射撃によってCCIP投下のビパーを合わせるのも一苦労だ。どうやら此処に敵軍が集結しているらしい
≪くっ・・・このスーパーフランカー・・・疾い!レナ!挟み込むぞ!≫
≪このフランカー・・・疾いな・・・だが俺ならやれる≫
≪このF-15のパイロット、いい腕だが・・・運命を受け容れろ、FOX2≫
≪チッ!ブレイク!・・・ウォードッグ2、後ろにエメラルドのX-02!≫
≪ブレイズよりエッジ、投下続行!援護する!チョッパー!Migに気をつけろ!≫
彼らの上空では友軍機が制空権の取り合いをしている。互いにBVR戦では決着はつかず、損耗が出なかったので有視界航空戦闘にて戦闘中だ。地上では互いに血を流しながらも戦い続ける地上の将兵たちが居る。彼らを援護しなければならない。レックレスは一個LJDAM(レーザーJDAM)を敵バンカーに落とし、離脱した。しかし、見事にJDAMは弾かれる
「ったく、爆弾一個投下するだけで一苦労だ。なんて対空弾幕だよ・・・これで5000$は頂いたな。・・・って、アレ?」
≪下手糞!バンカーの真上に落としてどうする!ウォードッグの方が先に仕事を片しちまうぞ≫
≪サンダーヘッド、海上からのハープーンの支援が途絶えたが・・・何があった?≫
≪たった今第二艦隊から入電があった。「ユーク・セレス海艦隊ト接触。交戦状態ニハイレリ、支援続行不能」・・・以上だ≫
≪・・・マジかよ・・・サックスより全機、残弾は余裕のある奴はいったんバンク振れ≫
CASを行っていた全機がバンクを振って応える。と言っても全体で後7~8回が限度だ
≪やれるよ・・・絶対に・・・≫
≪そう願いたいが・・・ね。シグファリー2≫
≪こちらBカンパニーのルービンだ!敵バンカーの抵抗勢力は強大だ!第1小隊第2・第6分隊が壊滅!第3小隊第1・第4・第5分隊全員死亡!ストライカー3台、エイブラムスを1台を失った!!航空支援要請!こいつら、此処で再編してやがった!≫
≪ウオードッグリーダー了解!アーチャー攻撃しろ!直ぐに!≫
≪蟻んこ一匹通すな!制圧射撃を続けろ!≫
≪ZSUは弾幕を張れ!もっとだ!近接信管で敵を近づけるな!≫
≪第4分隊稜線の影へ!第2分隊援護しろ!≫
≪もう持たない!退却していいか!?≫
≪駄目だ、退却は許可できん!今増援を出す。そこでオーシア軍を足止めしろ!≫
≪撃たれたっ・・・助けてくれ・・・≫
地上では死戦が繰り広げられているまさに地獄の底だ
≪こちらグリム!無理です!対空砲火が厚過ぎます!突破なんてとても・・・≫
≪・・・分かった、僕が行く!エッジ、カバーして!≫
≪レックレス、正面から行け!やるにはそれしかない!≫
「あいよ!サックス、俺が敵の砲火を引き付ける。一瞬の隙を突いてくれ!」
≪任せろ!≫
レックレスのF-14がサックスのF-15Eのシルエットに重なるように単縦陣を組む。敵の小火器に放つトレーサー(曵光弾)が地上部隊の装甲車やオーシア兵の隠れる遮蔽物からレックレスの機体へと向く。
コンッ!バヒュン!ヒュン!フォン!シュン!カンッ!
「く・・・う・・・」
機体に5.45mm弾や7.62mm弾が当たる音と12.7mm弾がキャノピーギリギリを通過する音に首を竦めつつ、レックレスは目標を睨む。目標に到達するギリギリまで後ろのF-15Eの存在を気付かれてはならない
(まだだ・・・まだ・・・まだだ!)
直ぐにでも操縦桿を引きたい衝動を抑えつつ、レックレスはスロットルを少し絞った。そして両手を添えて操縦桿を握る
≪良し・・・レックレス!今だ!≫
「OK!ぐおおおっ!」
レックレスは全力で操縦桿を引き、バンカーの後ろにあった山を掠めるように飛びぬけた
≪良し!行けるぞ!サックス投弾!≫
ほぼ同時にF-15Eの左右のコンフォーマルタンクのハードポイントから2基のLJDAMが投下され、サックスは被弾無しで退避した。
≪敵陣地沈黙!Cカンパニーより友軍機に感謝!Dカンパニー第4小隊が突入する!第2小隊援護しろ!≫
≪敵陣地沈黙!ウォードッグ感謝する!Aカンパニー第5小隊突撃!≫
≪凄い・・・もうブレイズには追いつけないかもしれない≫
≪そんな事は無いよ、エッジ。手が震えて・・・≫
「お前もか、ブレイズ。こっちは脚が笑ってる。何度やっても弾雨の中を突き進むのは慣れないな・・・陸軍や海兵隊がどれほど凄い事をやっているか良く分かるよ」
レックレスの脚は独りでに震え上がり、ブレイズの手はタイプライターを打っているように震えていた。暫くして制圧の報告が入る
≪防御陣地第2陣、制圧!≫
≪次は敵の最終防衛ラインだ。ヘリに気をつけろ!≫

16:50 ユーク軍最終防衛ライン
「ついに来たな。引き付けて撃て。空軍連中に伝えろ。もう十分だとな」
「ハ?ど、どういう意味ですか?」
ユーク軍の司令官は自ら双眼鏡を持って敵の戦力を確認する。そして、空軍に撤退命令を出した
「もう十分に戦ってくれた。これ以上空戦を続ければ燃料が持たなくなる。今すぐ退避させろ」
「ダー!」
ガシャッ
司令は時計を見ながら言うと、銃に初弾を装填した。
「・・・来るぞ。射撃始め!」
≪射撃開始!撃て!≫
「迫撃砲、攻撃開始!」
最後のバンカーにて司令は作戦指揮を取り始めた。既に敵軍は目の前に来ている。今更足掻いてもどれほど効果があるか・・・。それを最も知っているのは司令であろう。その時エアカバーを担当していた空軍や傭兵達が一斉に口を開いた
≪撤退命令!?何を寝ぼけた事を!宴はまだ終わってはいない!≫
≪司令、どう言う事ですか!我々はまだ行けます!≫
≪そうだ、俺たちはまだ戦える!何故退かねばならない!≫
「・・・諸君らは今後のユーク軍に必要な人間達だ。死んでもらっては困る。今すぐ退け。これは命令だ」
≪しかし!≫
「撤退せねば、命令無視とみなす。こちらから攻撃するぞ」
司令は彼らに強い口調で言った。そう、戦争はこれで終わりではない。これからも戦わねばならない。そして、国家の暴力装置で、外交カードでもある軍はその力を戦後も可能な限り保っておかねばならないのだ。そして、最後の要である司令部前のバンカーに居る全員に無線で言い聞かせた
「さて、諸君。撤退したければしたまえ。諸君らにその取捨選択の義務がある。高い確率で敵軍は此処を攻略するだろう。逃げ帰って味方に白い目で見られても我慢するか、それとも此処で死ぬかの二択だ。降服するのも当然あるが、戦後まで祖国の地は踏めぬ。諸君らは何を選ぶ?もし前者か降服かならば、今すぐ持ち場を離れてくれたまえ。私らは一切諸君らを責めない」
≪・・・司令、我々は此処を守る為にこれまで訓練してきたのです。今更退けるわけありません。第1中隊は交戦を続行します!≫
≪そうですよ、司令。我々は此処で祖国・・・そして家族、兄弟の為に死ぬ為に訓練し続けていたのです。此処で退いたら後方の兄弟達に何を言われるか・・・第2中隊は全員戦い抜きます!≫
≪言いたい事は第1・第2中隊に言われちまいましたな。ま、言いたい事は一緒です。第3中隊、全員の意思が取れました。交戦継続!≫
≪第4中隊です。今退いたら先に逝った連中に顔向けも出来ませんし、家族にも馬鹿にされます。そんなの御免です。・・・死ぬときは一緒です≫
「・・・この自分の命の価値の勘定も出来ぬ阿呆共め・・・良いだろう、オーシア軍に一矢報いてやれ!」
司令は無線のマイクを握りながら顔は笑っていた。後方にようやく到着した予備兵力は今から投入しても間に合わない
≪敵がこの先のブロックに侵入した!≫
≪まずいぞ!火力が低下している!武器庫行って来い!ありったけの弾と銃を持って来るんだ!このAKは使い物にならない!≫
≪急げ!第3分隊が包囲されてる!連中を救い出せ!≫
「第3中隊第5小隊、誰か応答しろ。まだ生きてるか?」
≪生きとりますよ、司令!敵が傍まで来てますがね!現在応戦中!次はあの世で!≫
「了解だ。極上の酒を持って待っててくれ」
司令は敵軍がバンカーの中に入っていくのを見て、安全装置をはずした
「前線バンカーの退路を断て、こっちに雪崩れ込まれたらあっという間に全滅だ。可能な限り友軍を受け入れてからだぞ」
「了解!全バンカーへ、退却せよ!最後のバンカーに撤退だ!工作部隊は敵軍の侵攻を抑える為にバンカーの通路を敵軍が通る前に爆破・封鎖しろ!」
味方の兵士達が最後のバンカーへと集結し始める。既に師団級だった部隊は一個中隊程度まで激減していた。
≪第43バンカーの爆破要員が撃たれた!援護しろ!俺が爆破する!≫
≪任せろ!行け行け行け!≫
司令は無線から離れ、無線員に「もう良い」と、一言告げた。無線員は無線の席から離れ、同じく銃とヘルメットを取りバンカーデッキへと向かう
ドンッドンッ!

「・・・退路爆破、成功です」
「さて、正念場だ。逝くぞ、諸君」
「敵戦車接近ー!」
見張り員の報告により、敵の戦車と装甲車が進入してきたのを確認する
「TOW、用意良し!撃てっ!」
バンッ!シュアアアアアァァァ・・・!ドンッ!
「命中!敵戦車撃破!敵の進行が遅れたぞ!」
「撃ってくるぞ!」
対戦車陣地から有線誘導方式のTOWが放たれ、敵のエイブラムス戦車を撃破し足止めする。しかし、数秒後発砲炎で位置を把握され25mmAP弾と炸裂弾、そして航空攻撃の20mmでその陣地は完全に破壊され、操作要員たちは即死した
「下はどうにかなるが、上はどうしようもないな」
「RPGを出来るだけ持って来ました!コイツであの戦車を!」
「応!・・・10基と20発か・・・・迫撃砲各隊から報告は!?」
「既に航空攻撃で壊滅です。かろうじて2門が撃っています」
「よろしい、来るぞ!」
ドンッ!ギュアッッッ・・・ガンッ!!
敵戦車の120mm砲から多目的HEAT榴弾が発砲され、バンカーの一部が吹っ飛ぶ。鉄筋コンクリートで頑強に作られたこのバンカーは簡単には壊れない。敵の進入口は全て封鎖し、内部に突入される心配は無い。
「損害報告!」
「ザカエフ!ザカエフ!・・・クソッ・・・死んだ。現在死亡1、負傷32!」
「不利だな・・・!航空攻撃だ!伏せろ!」
司令は敵兵に向かってAK74Mをフルオートで発砲しつつ、周囲を確かめる。正面からジェットエンジンをうならせてやって来るF-14を見た。
ギュアアアアアアアァァァァ!グワッ!

「ぐはっ・・・」
「ぐおっ!」
兵士達は一気に吹き飛ばされ、壁へ叩きつけられる。爆風をもろに受けた機関銃手が内臓を撒き散らしながら飛んで行くのを司令は一瞬だけ見た。
「く・・・耳が・・・」
キーンと響く耳鳴り、自分の声と荒い息以外聞こえない。周囲に首を動かしてみるが、同じく動けない者が大多数だ
「・・・!!」
「・・・・・!?」
何も聞こえないが、何とか起き上がった兵士達が司令を介抱しようとする。司令は自分の腹部に目をやった。大腸と小腸、肝臓が飛び出ている。一瞬で持たないと悟った
(ああ・・・畜生・・・まだ・・・指揮・・・が・・・とれ・・・て・・・な・・・・・・・)


痛みは、無かった。ただ、最後の一兵になれない事を、悔やんだ



17:00
≪全軍に連絡、全ての防御陣地は沈黙。要塞内は我々が完全に制圧した!聞こえているか、空軍?君らの支援には本当に感謝する≫
≪これで一段落だ。で、話ってのは?おいスコット!≫
≪・・・・実は転属命令が来てな。4日後に本国へ帰還なんだ・・・≫
≪そうか・・・お前と戦うのも今日で最後か、寂しくなるよ≫
≪俺もだよ、相棒。今まで楽しかったぜ≫
オーシア軍は17:00時、全てのユーク軍防御陣地を突破し橋頭堡を確保した。今回の戦闘でのオーシア軍戦死・重傷者は168名・負傷者は324名、ユーク軍は陸軍防衛隊戦死者1015名、負傷・捕虜200名。ほぼ無傷で生き残ったユーク空海軍は、内陸及び北の海へと退避し再編に入った

To Be Countinue…
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