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軍事研究第11回:弾道ミサイル防衛(MD)に関する事案

はっきり言って、これに関して新たに言うのは面倒なのでこの回は日米同盟にしようと思っていたが、北が自称「ロケット」を上げようとしているのでそちらの方に行ってみようと思った次第であります。では行ってみよう

マスコミで最近大きく取り上げられるようになった北の問題、これに関しては何も言うまい。いまさら説明するのも個人的にだるいからだ(オイ

海上自衛隊の皆さんは本当に勤勉でおられます。人数も艦艇も限られているにも拘らず、ソマリア行く、インド洋給油も続けている、さらにMDとまで来ました。本当に現場の自衛官が過労死されるのではないか・・・と正直不安に思っております。本当にお疲れ様であります(空自の皆様も被災救援活動やスクランブル任務、そしてSAR等・・・お疲れ様であります。陸自の皆様も多任務に適応するための日々の訓練は大変でしょう。お疲れ様であります。これからも国を護る為に頑張って下さい。微力ながら応援しております)

日本版BMDは第8回で説明したとおり、二段階に分けて迎撃する。そして日本のMDシステムは北朝鮮の準中距離弾道ミサイルへの対処が主眼で、長距離弾道ミサイルや衛星打ち上げロケットが正常に飛行した際は迎撃能力はない。そもそも日本に飛来しない(どうやって北から長距離弾道弾を当てる?距離が足りないのだ)。で、肝心の命中精度はマスコミは挙って「よろしくない」「実験を鵜呑み出来ない」と言っている

まずはSM-3だ。現行はBlockⅠA

これは先の「ちょうかい」の実験失敗から見て取れる原因ですが

映像



・発射時刻は未判明(方位は判明している)

・捕捉・用意・発射までは順調

・しかし、終末誘導のフォーカル・プレーン素子を持つ、長波長、画像赤外線センサーが命中数秒前に標的をロスト

で、失敗している。最後の事から想像出来るのは以下の点

・センサーの故障だった
 ・クールボトル及び冷却配管(シーカー冷却装置)の破損による赤外線輝度分解能の低下
 ・素子配線の切断もしくはIVアンプ(電荷-電圧変換器)の故障

・センサーの探知圏外だった
 ・中間誘導の誤差が大き過ぎた(終末誘導切り替え時に目標を捕らえられるところに居なかった。もしくはそれが探知範囲内ギリギリだった)
 ・発射タイミングが早すぎ若しくは遅すぎて、迎撃弾体のシーカー探知外に標的が居た
 ・終末誘導に切り替わった標的と迎撃弾体の相対位置があまりにも近すぎた(近すぎて標的がシーカーの探知外に居た。若しくは探知範囲内ギリギリだった)

・駆動系統に問題があった(目標を追えず、ロスト)

スペック上、300km先から弾道弾を捕捉出来るが、冷却装置や配線等の問題からそれを発揮するには多少の疑問符が残る。だが、その探査距離は長大なのは確かだ。当然だが、ちゃんとした距離で終末誘導に切り替えれば標的を仕留める確率は格段に上がる(収束系の誘導の為最適な相対位置が存在する)

映像から見るとしっかりと発射までのカウントダウンをしているので発射タイミングの問題は無いだろう(これがされていない=弾道計算及び迎撃計算まで出来ていない事になる。それが無いと言う事はAN/SPY-1レーダーがターゲットを捉えていて、しっかり用意できていた事を意味する)

それから考えれば、まずは発射タイミングの早すぎ・遅すぎは除外される

弾着数秒前ロストとあるが、命中約30秒前に第2段目から弾体が切り離され、赤外線センサーが目標を捕捉すると、以後は自律して、SDACS(Solid Divert and Attitude Control System:固体推進剤軌道変更、姿勢制御装置)により目標に向かう事から、SM-3はそれまで目標を捕らえていたということだ(少なくとも10秒近くは)

と言う事は、近すぎた・中間誘導誤差が大き過ぎたと言うのも可能性から言うと低いだろう(100%ではないが)

残るは駆動系に異常か、シーカーに異常があるかの二択。もしくは複合して起きた可能性もある。どちらにしても現状で改善はし難いだろう。何故ならこれまでの実験で約8割が成功している事からこの「弾体」が単なる「不良品」だったも可能性が高いからだ。(一概には言えない。だが弾体に搭載されていたかもしれないカメラによる画像さえあれば一発で分かる筈だ。しかし、公表されていない所を見ると搭載されていなかった可能性がある)

SM-3BlockⅠA自体試験品のようなミサイルでもある。

今後はBlockⅠB(2波長赤外線により目標識別能力を向上・SDACSを推力可変型に換装する事より軌道変更範囲を拡大)で完全に技術確証させ

更なる実戦向けにBlockⅡ(2・3段目ロケット・モーターの直径を53cmに拡大、終末速度を向上し迎撃範囲を広げる・他のセンサーからのデータで交戦可能とする)を開発・試作している最中だ、

その派生にBlockⅡA(大口径化により識別能力向上・ロケット・モーターの改良により更に速度向上・弾頭も大型化し破壊力向上)が鋭意研究試作中だ

さらにその派生にBlockⅡB(多弾頭型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を迎撃することを目指して自らも多弾頭化する)を日米共同で開発する事が合意された

このBlockⅠAを搭載したイージスシステム搭載艦艇が自衛隊は2隻「こんごう」と「ちょうかい」、米海軍横須賀基地の「ジョン・S・マケイン」と、ハワイの真珠湾を拠点とする「チェフィー」が日本海に展開し、捕捉追尾用のイージスシステム搭載艦が太平洋にも多数配備・展開されている。もし衛星・ブースターが予想地点から外れて落ちてくるor発射後の高度が低ければ迎撃するだろう

(SM-3BlockⅡ以降なら正常に飛んだとしても迎撃は可能だが、現在のBlockⅠAは対準中距離弾道ミサイル・短距離弾道ミサイル用だ)

次にPAC-3ペトリオット対空ミサイルだ。

これは航空機用PAC-2ミサイルをさらに最終突入フェイズで対弾道弾に対応しやすくしたペトリオットシリーズの最新タイプだ(大気圏外用のSM-3とは違い一応航空機にも対応できる)

目標が正常時の落下軌道を取れば、射程半径は20km、垂直落下ならそれは縮まるだろう

これは首都圏及び東北地方に臨時展開された。展開部隊は以下の通りだ。マスコミに公表する=防衛省はそれほど緊張していないのだろう。あくまで本命はSM-3の方だと言う意味合いにも取れるし、米海軍も慌てている様子無しとなれば成功させて「じゃ、安保理に抗議案出すからwあ、後下手な真似したらどうなっても知らないよw」と言う事なのだろうか。落ちてきても丁度良い「実戦」となる
東北地域
 秋田県男鹿市男鹿中滝川・加茂分屯基地:高射教導隊第1教導隊
 秋田県秋田市・新屋演習場:高射教導隊第2教導隊
 岩手県八幡平市・滝沢村・岩手山演習場:高射教導隊第2教導隊
 秋田県秋田市・秋田駐屯地:高射教導隊整備隊
 岩手県滝沢村岩手駐屯地:高射教導隊整備隊
首都圏
 入間基地:第1高射群指揮所運用隊
 朝霞駐屯地:第1高射群(1個)高射隊
 習志野演習場:第1高射群(2個)高射隊
 市ヶ谷駐屯地:第1高射群(1個)高射隊習志野演習場からのリモートランチ(遠隔発射)
以上だが、首都圏部隊にも整備隊はつくだろうと予想される

演習場・駐屯地が選ばれた原因はまずは警備・次に土地の借用費が掛からないからだろう(防衛出動時を除けば、自衛隊敷地外を使用する場合は借用して展開せねばならない)

一度地上配備型のFPS-3改(もしくは試験中のFPS-5)に捕捉・追尾されると府中基地等のJADGE (Japan Aerospace Defense Ground Environment)システムによって全航空自衛隊の管制システムに下令出来るだけではなく、今後は米軍(BMD統合任務部隊の指揮所となるCOCは、在日米軍との共同統合運用調整所と一体化するのでJADGEシステムの管制データも回される)とデータリンクする事が可能となる(じきに否応無しに米国に向かう弾道弾の迎撃に手を貸す事になる。同盟国としては当然だが集団的自衛権という憲法上の問題が発生するかもしれない)

しかし、こちらは命中精度とは別問題だ。射程が短く、対処時間も少なく、その想定ケースは最悪の状況を意味する。下手をすると迎撃しない方が被害軽減につながる可能性さえあるのだ

まず想定できるケースは1つ、そして迎撃中・後に想定できるケースは2つだ

目標の二段目のロケット(一段目が秋田沖に墜落する=一段目は正常だろうと・異常があろうと日本海の公海に墜落するのだ)が日本海の日本の近辺の大気圏内で異常が発生した場合だ。

この場合東北地方以外にも危険が生じる。

当然異常発生→墜落していく・・・この時点ではSM-3は攻撃可能だ。「偶然の不良品」で失敗した場合、PAC-3しかないが、重力で加速している上に比較的低空で迎撃する為に破片が出るのだ。問題はその位置だろう。

墜落予想地点に市街地があれば当然迎撃するが、PAC-3の破片も降ってくることになる。

しかし、命中すれば水平方向への運動エネルギーを減らすので市街地への直撃は免れるかもしれない。

だが、ロケットの墜落地点には何も無くとも、その手前に市街地があると迎撃は逆効果だ。そのまま市街地以外に落としたほうが破片による被害は減るだろう

そして、迎撃失敗の場合はその墜落地点に燃え残りの燃料や衛星本体・ブースターが降ることになる。

そうでなくとも、大気圏内で異常が発生すればコース予想は非常に難しいものになる。東北地方以外に被害を被る可能性が相当あるのだ。つまり、迎撃出来ない地点にロケットが墜落する可能性があり、迎撃失敗と同等以上の被害が出る(PAC-3展開の効果は薄いと見るべきだろう)

野球で例えるなら絶対にド直球のストレートを投げると宣言しておきながら、「失投」で誰にも全く予想のつかない変化をするナックルボールを投げるようなものだ(有り得ないが、状況的にはそういうこと)

最後に問題が新たに出る。自衛隊も北朝鮮がやったように迎撃範囲内にノータムを設定せねばならない

ノータム(NOTAM)とは、航空路や特定の地域での危険要因の存在を操縦士に警告する情報で、ミサイル発射時に飛行中の航空機に当たらないように情報を出した上で警告するものだ。当然、自衛隊は演習等でノータムは出しているので問題は無いだろうと推測される(中間誘導中に誤射するor割り込みするとは思えないが、常識的に通告するだろう)

さらに立ち入り禁止区域も設けなければならない。PAC-3の発射ブラストもかなり強烈なの一応の安全距離を設けるべきだろう(と言っても、演習場ならそれを設けなくとも演習場に作業・警備要員以外誰も入れなければ良いだけだ。これは市街地での運用時ぐらいで良いだろう)

そしてPAC-3の後継は日本が一度は共同開発を持ちかけられたMEADS(Medium Extended Air Defense System:米・独・伊の共同開発)だが、これは日本は蹴って、SAM-4(03式中距離地対空誘導弾)を開発した。ペトリオットに酷似しているが、これは射程を除いて全てペトリオットを上回っているとの話があり、今後のSAM-4の発展型に期待したいものである
詳しくはMissiles & Arms 国産ミサイルよもやま話(地対空ミサイル編)を参照していただきたい

そして最後にMDの為に自衛隊の予算がMDにかなり割かれている事を忘れないで頂きたい。人件費が5割近くを占めていて、装備の更新が精一杯なのに割かれると言うなんとも現場が涙目な結果になっている。

迎撃出来ない・出来る訳がないと政治家が言うならば、「最初からMDを導入せずに敵基地攻撃能力を持たせたほうが如何に費用対効果が優れる事すら考えられないのか、政治家共!実行力として、抑止力として国を護ってくれている現場に土下座しやがれ!」とツッコミたいのである。

しかし、実戦的試験でも成功裏で収まり、失敗する原因もさほど大きい物では無さそうなのはMDが無駄ではなかったと言う事に他ならない。もし今回、「ロケット発射ポシャった→迎撃成功」ならばMDはさらに推進力を増すだろう。そうでなくとも、今後の事を考えれば核兵器を持たない(持てない)日本はMD+敵基地攻撃能力(研究中)以外の抑止効果が望める物は存在しないのだ

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