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第四十一話:SANDSTORM 砂漠に吹く熱風 02

ウィスキー回廊 11:55 中央抵抗線
≪くそっ!地雷原だ!タンゴ3が殺られた!≫
≪誰かタンゴ3の脱出者を見たものはいないか!?≫
≪上空のA-10をやってくれ!頭が出せん!≫
≪レイピア8、俺が殺る!そっちは任せるぞ≫
≪OK!≫
≪いいぞ、敵は地雷原で足止めだ!≫
≪無線に妙な雑音が・・・敵が盗聴中だ≫
≪構わん、どうせ混乱で分からんさ≫
≪すごい、メビウス1が来ている!≫
≪リボン付きだ!奴は対空ミサイルに任せろ!≫
≪衛生兵!こっちだ!≫
無線も戦況も混乱を極めている。刹那はSAF第一攻撃隊の戦果、確認機としての任務を終えて帰還途中だった。
(うるさいなあ・・・)
無線内容は全て耳の中に入ってくる。五月蝿いの一言しかない。刹那は機体をハーフロールさせ、地表へと機首を落とす。真下には砲弾とミサイルと銃弾が飛び交う砂漠の戦場、レーダーではなくIRST付属の距離測定レーザー照準とサーモ(温度探知機・Mi-24Vハインド:人狩り用のものをユーク軍から失敬して小型改良してきた。精度は通常の人間※対象が長時間静止していない場合※なら瞬時に索敵できる。刹那がCOIN任務も出来るよう新造機に変わる時に改修した)で砂漠表面と違って低温の対戦車地雷の存在を探る
(20mmバルカン、フェイスイン、スタンバイ。降下角65度維持、速度450kt、まずは中央に穴を開けるか・・・・)
20mmバルカンには航空機を確実に破壊する為の炸裂弾が400発残存している。それを地上に向けてぶっ放して地雷ごと吹き飛ばそうと考えた。敵のゲパルトとシルカが対空射撃をしてくるが今更回避運動を取った所で被弾面積を増やすだけだ。
(まずは三つほど頂きますか!FOX3)
ドドドドッ!・・・・ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!
「クッ!」
機体を水平にさせる為に操縦桿を目一杯引く。リミッター解除された機体は最大15Gまで耐えられる。9.5Gもの凶悪なG(通常の戦闘機は9Gでリミッターがかかる。F-15やSu-27、ミラージュ2000以降は機体は9G以上かけられる設計だが、人間が持たない)がかかり、意識が一気に遠のく。
[UP!PULL UP!UP!PULL UP!!]
地上接近装置が危険を伝えるが、気にしてなどいられない。刹那は殆どみえなくて暗い視界の中でADI(水平表示指示計:上昇角が青、下降角が茶色、角度を示す数値は白で表記される。HUDよりも分かりやすいが計器類と一緒に表示されるので見えにくい)を確認しながら操縦桿をゆっくりと緩めていく。
(下降角10度・・・5度・・・0度水平・・・高度は・・・・)
「ヒュー♪・・・100ft(約30m)とは驚きだ。取りあえず上昇する」
対空機関砲の弾幕の隙間を降下したときの速度を維持しつつ、縫い進んでいく。自身に対空射撃が集中したせいか、友軍攻撃機の爆撃が効果を出してきた。特にダルモエード3のA-10のアヴェンジャーの地上スレスレを飛びながらの掃射は凄まじいものがある。
「ブラックデスサイズより攻撃隊、地雷原が戦車隊の前に存在している。誤爆に注意してこれを排除しろ」
≪任せろ。JDAMで吹き飛ばしてやんよ!≫
≪持ってきた弾は全部うちこんでやれ!≫
2機のF-2Aが翼下のJDAM爆弾を8発全弾投弾した。ヒュウウウウという風切り声を上げて一気に落ちていく。
ドドドドンッ!!!ドドドドドドッ!!!!
≪弾薬が尽きた。いったん換装に戻る。≫
「命中多数。炸裂したのがおおよそ15といった所だ。各機、爆撃続行。機甲師団を地雷原から突破させれば練度が上回る此方が勝つ」
≪≪Roger!!≫≫


中央抵抗線 11:57
「地雷原が吹っ飛んだ!被弾したタンゴ4を後退させろ!!第6分隊!爆撃跡まで突撃!ラッシュ!ラッシュ!!ラッシュ!!!」
「走れ!!決して立ち止まるな!撃ち続けろ!!」
≪歩兵小隊の突撃援護!タンゴ全車、制圧射撃!!≫
≪第3分隊!!ステインガーであのAH-64Dをやれ!≫
≪Aye Sir!!トミー!やれ!≫
≪Roger!!IT's Mine!!≫
≪グッキル!ざまあみろ!≫
地雷原の一部が吹っ飛んだ事で流れがグッと変わった。小銃小隊が前方へと押し出し、戦車隊が戦車砲と機銃で支援し始める。
≪上空の敵は航空戦力に任せろ。第4小隊前進だ!≫
≪こちらタンゴ。散開して扇状に敵を受ける≫
≪タンゴ6より1へ、4マイル前方にエルジア軍3両、いや4両だ≫
≪了解、まだ早い。包囲するまで撃つな≫
≪ここの通行料は高いぞ!≫
≪あわてるな、消耗戦になれば我々の勝ちだ≫
「させるかよ!第1小隊銃撃班制圧射撃!第1小隊突撃班、第2小隊側面攻撃し挟み込め!!ラッシュ!ラッシュ!!ラッシュ!!!」
≪下がるな。前進しろ!踏みとどまって義務を果たせ!≫
ISAF軍の歩兵がSAW(分隊支援火器:小銃弾を使う軽機関銃の事。ISAF軍のはFN MINIMI M249、エルジア軍のはUSSR RPK)で制圧射撃をかけ、部隊が前進し始めるとエルジア軍は挟撃されるのを恐れて後退を始めた。それを指揮官が止めようとするが、彼等は止まる事はなかった。何故なら彼等の多くは精鋭とは程遠い、予備役の兵士が多かったからだ。
≪オスカー1より全車へ、砲撃の手を緩めるな。敵を釘付けにしろ≫
≪全員に対戦車用地雷を配れ!敵が反撃に出てきたぞ!≫
≪撃て!撃て!≫
≪接近して来るぞ。捕捉される前に撃て!≫
敵戦車が歩兵が下がりつつ状況の中で前へと出てきた。此方の歩兵を潰そうという魂胆だろう。そうはさせじとISAF軍の戦車が集中砲撃を喰らわせる。次の瞬間、ISAF軍の戦車一両がいきなり爆発した。
≪ブラボー4、応答しろ。やられたのか?≫
≪ブラボー隊下がれ!ステルス攻撃機だ!≫
≪メビウス1が突破口を開いてくれるはずだ!踏みとどまれ!!≫
≪キャタピラ損傷、援護してくれ!≫
突然の空からの奇襲にISAF軍の中央攻撃隊は混乱に陥った。空軍機は護衛のF-22と交戦中で援護は出来ない。
「クソッ、銃が砂だらけだ。すぐにでもジャムりそうだぜ」
「司令部、此方1-5。ここは敵から丸見えだ。突撃を断念する。迂回するぞ!」
「了解!」

12:02 旧アンカーポイント市
≪敵の後方支援射撃が激しい。なんとかならないのか!≫
≪全車チャーリー4の後退を援護しろ!!≫
≪戦車の中は50℃もあるぞ!≫
「冗談じゃないぜ。まったく・・・・」
「激しく同意です」
MC51MC51レフトサイドアップを持ったISAF軍陸軍特殊部隊員等は砲撃が降り注ぐ友軍陣地を遥か北西から眺めていた。彼等の任務は砲兵部隊の殲滅だ。逆に北西の方を見ると大隊規模の砲兵部隊と小隊規模の対空高射部隊がいる。
≪敵機接近、敵機接近、真上まで来ている!≫
≪敵の爆撃は正確だ。もたもたするな!≫
≪こちら前線司令部。左翼に増援を送れ≫
≪空軍の到着までもちこたえろ!≫
≪ちくしょう、コンピューターが熱と砂でやられた!≫
無線を傍受する限り、敵軍も相当焦っているようだ。熱が体温を急激に上げる砂漠では長時間の休息無しの戦闘は危険、だからこそエルジアも塹壕からの砲撃戦の消耗戦ではなく機動・近接火力主体の横一文字隊形の速攻を仕掛けてきたらしい。
「急ごう。一気に押し込まれると危ない」
「了解」
彼等はSAFのMC-130コンバット・タロン輸送機から此処に降下し、戦況に応じて行動するよう指示をされていた。右翼の旧アンカーポイント市は中央抵抗線突破隊や左翼・敵陣地攻撃隊に比べて損害が大きかった。その大きな要因は敵の砲撃だった。当初の作戦計画では砲兵隊は航空部隊で壊滅させる手はずだったが、左翼、中央に投入した航空戦力に対して右翼には敵地上部隊が少なく、脅威となりうる航空勢力も少ないという理由で削減された。それは敵も一緒だったが、敵はそれを補う為に砲兵隊を配置した。SAFの強襲偵察任務でこれ等も明らかとなって準備爆撃が画策されたが準備爆撃の際には砲兵隊は現在位置に移動していて無傷だった。さらに運の悪い事に陸軍前線部隊には砲撃逆探レーダーが配備されて居なかった。旧アンカーポイント市では両軍が正面からぶつかり合う消耗機動戦となりつつある。それは物量作戦のエルジア軍が望むことだ。早急に砲兵を制圧せねばならない。
「隊列PM先導、(ポイントマン※分隊の前方監視員※が先導し、前方からの攻撃に対応する4人分隊の隊形)Move!」
彼等はACU(多目的迷彩、都市、森林、砂漠で"ある程度"被発見率を下げる迷彩服。主に米軍が採用。青っぽい迷彩なので都市以外だと迷彩服としては目立つが目に"入りにくい"[言うなれば、イメージとして残りにくい感じ]モノトーン仕様[現代迷彩服は部隊が主に活動する地域の植物や海面、壁などをコンピューター処理して見えにくいようにしてある。現に陸上自衛隊の森林迷彩〔迷彩服二型〕は森林で50m先から見たらまったくわからない。さらにギリースーツ着けたら踏んだり動いたりしない限り肉眼では何所の方向にいるかすら解らないほどである※管理人が実体験済みです]となっている)を着込み、静かに動く。敵の後方に素早く、音を立てずに回り込むとまずは小銃を持った敵兵に近づいて

ザクッ

頚椎をヒルト(柄)の大きいナイフで一突き。そしてまたもう一人

ザクッ

頚椎を突かれて生き残れる人間なぞ存在しない。何故なら頚椎を斬られた人間は瞬時に心肺機能が止まり、さらに深く突けば気道を貫通し声も出せなくなる。当然息を吹き返すことなどない。これをされたら敵兵はまるで糸が切れた操り人形のように崩れ斃れるしかない。
ヒュッ・・・ボスッ・・・
C4爆薬をさりげなく弾薬車に投げて物陰に移動し、起爆スイッチを点火させる。
チッ!ドガガガガガガガガガンッッ!!!
大多数の誘爆が起きて弾薬庫周辺の敵兵が一斉に臓器や手足、血を撒き散らしながら2~3m吹き飛んだ。元々砲撃にのみ集中していたので僅か5kgもないような小さな物体になど目が行く筈もない。集中している人間ほど視野がどんどん狭くなる。戦場を渡り歩いていけば嫌でも視野が徐々に広くなるが、彼等は後方支援部隊であり着弾観測をして砲弾を再装填、そして砲を微調整し発砲するという作業をするために作られた部隊なのだ。遠くを見る事はしても近辺援護はどうしても歩兵任せになる。彼等はパニックに陥った。既に身の回りの歩兵はナイフで殺され、彼等が持つのは拳銃やIMIウージーなどのSMG程度でさらに直戦部隊ではない、それに対し襲撃部隊はアサルト(カービン)ライフルや手榴弾を持ち、周辺警戒をしていた筈の味方歩兵を殲滅できる腕前を持つレンジャー部隊のような高機動性を持つ軽歩兵部隊。さらにエルジア側はパニックに陥っていた為防御など不可能だった。
「ロイ・サージェント〔サージェント:略号Sgt、軍隊の階級で軍曹。通常の部隊であれば分隊長クラス〕!右翼へ回れ!アレン・セカンドサージェント〔セカンドサージェント:略号SSgt、軍隊の階級で二等軍曹、通常の部隊であれば分隊長補佐員。ポイントマン又はテールガンという重要な立ち位置〕、制圧射撃!撃て!レッド!左翼に回れ!同士討ちに注意!」
たった4人の分隊は2人が助攻(主攻※後述※の直援、SAWで弾を敵の頭上目掛けてばら撒き、移動、及び精密射撃を援護)、もう2人主攻(攻撃の主力、助攻が攻撃中に移動して精密射撃で敵を射殺する。今回は敵両翼に移動し退路を塞いで攻撃する"両翼包囲戦術"である)の二人は左右に散り十字砲火を喰らわせる。これに対抗する為には兵力を均等に振り分けて適時交互支援後退又は主攻に対し突撃がセオリーだ。だが、彼等はそのような近接機動戦術など知らないし、SMGではSAWのような制圧力も、アサルトライフルのような汎用性もない。拳銃で勝てるなど漫画・アニメや映画ぐらいだ。3分もしない内に2砲兵小隊(一個砲兵小隊、砲門4~8、兵員100~200。砲兵中隊はその二倍、砲兵大隊は6倍程度の規模)はたった4人のSAS(スペシャル・エア・サービス:世界初の本格的ミリタリースペシャルフォース。実績及び装備は世界トップクラスを維持し続ける特殊部隊)式一個分隊の奇襲によって壊滅した。

左翼エルジア防御陣地 12:00
≪タンゴ9、ダメだ!釘付けだ!航空支援を待つしかない!!≫
≪タンゴ5、了解!後退を援護する!あの対戦車陣地に制圧射撃!!Fire!!≫
≪オメガ4、被弾した!イジェークト!≫
≪空軍!!上空のファッキンエルジアのTNDとF-2を叩き落してくれ!≫
≪ブラック7!投下!!良し!一両撃破!!≫
≪これ以上撃たせるかぁ!!レイピア15FOX3!・・≪しまった!7!チャフ撒け!レフトブレイク!≫・・キル!≫
≪砂がエンジンに入った!行動不能!≫
≪ブラック7の脱出確認できず!クソ!≫
≪戦車の中は50℃もあるぞ。水をくれ!目が霞んできやがった!≫
≪くそ、ろくに連絡が取れない。各自の判断で前進せよ!≫
「トーチカに近づけ!」
左翼の陣地では、ISAF軍がエルジアの陸空一体の攻撃に苦戦していた。航空支援の前に制空権は確保できていなかったため、両群の航空攻撃による損害は微量だった
「こちらチャーリー8!敵機銃陣地側面に到達!侵入を開始します!」
ISAF軍の一隊がエルジアの半地下式機関銃陣地の入り口に侵入することに成功した。早速陣地に手榴弾を2~3個放り込む。
「手榴弾ッ!!伏せっっ!!」
ドンドンドン!!
「Move NOW!GO!GO!!GO!!!」
タン!タン!タン!
突入と同時に生き残っていたエルジア兵を射殺。それと同時に友軍歩兵部隊が機関銃の死角となったそのトーチカ周辺からなだれ込み始める。
≪チャーリー10、20m前進!≫
≪チャーリー8、そこをコマンドポストとして死守しろ!≫
「チャーリー8、了解!」
≪チャーリー2、損害が大きくなってきた!50m後退する!≫
≪もう直ぐ増援がいく!持ち堪えろチャーリー2!≫
「チャーリー2!此方に来い!!メデイック!!此処に臨時救護所を構えろ!」
「Roger!第12衛生小隊はチャーリー8の元へ集結ッ!走れ!」
しかし、戦車には死角を補う歩兵が、歩兵には移動式のカバー兼トーチカの戦車がいなければその戦闘能力は100%ではない。前進する兵士達は十字砲火で一人、また一人と砂漠に倒れる。そして別の兵士がそいつ等を引っ張って奪取したトーチカへと並べる。
≪上空支援は手一杯だ。接客は各自に任せろ≫
≪防衛線を突破された。予備兵力の投入を要請する!≫
≪重傷者の後送を急げ!≫
≪敵機侵入!空軍は昼寝中か?!≫
敵の無線を盗聴していると相当混乱している。ここが踏ん張り時だと、ISAF軍将兵達は確信した。

fin
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