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第四十話:SANDSTORM 砂漠に吹く熱風 01

8月15日 ウイスキー回廊前線基地 11:30
≪総員!戦闘配置に付け!対空戦闘用意!≫
SAF最前線基地兼不時着飛行場では慌しく動き始めた。最前線からわずかに数十km。野外駐機してあるB-52爆撃機とF-15E、Su-30Mがスクラップ状態で駐機してあるのをよそに、半地下式バンカーから多数の最新鋭機が出てきた。いずれもSAF機だ。
≪ブラックデスサイズよりグウェイ1(ユージア東部での言葉で鬼)、久しぶりの戦場だ。無茶はするな≫
≪あーら?若いのに口が回るのねブラックデスサイズ≫
≪貴様の機体は私が購入してさらに値が張ったんだ。堕ちたらただじゃ済まさんぞ≫
≪キャー、怖い。ねえ、ガーゴイル1≫
≪・・・ま、まあね≫
≪女の子同士で仲良くやってろ。Tower BlackDeathsize Request Cleared for take off runway(タワー離陸許可を)≫
刹那は今回の任務からSAFに合流したガルム1との話し合いをやめた。血が繋がっていても相手にとっては赤の他人である事をかみ締めさせられる
≪BlackDeathsize WIND 245 DEGREES AT MAXIMUM 15 KNOTS MINIMUM 10 KNOTS cleared for take off runway(風が245度から最大15、最小10ktで吹いています。離陸支障なし。離陸を許可します)≫
≪Cleared for take off runway BlackDeathsize(離陸支障なし、了解)≫
離陸にはちょっと風が強いがエンジン出力を強めて離陸体勢に入る。こんな毎日のように空襲を受ける空港(しかも滑走路は砂をならしてちょっとセメントで固めただけ!)だからGCAやコントロールは勿論、地上管制すらタワー(レーダー管制だけの簡素な管制室!)でカバーしている。1次レーダーと2次レーダーがあるがトランスポンダを作動しぱっなしで飛べば敵に此処に居るよと教えているものだ。(トランスポンダは自ら電波を発して2次レーダーに通報する。民間空港は基本的にこのレーダーしか使っていない)御陰で1次レーダーばかりがHARMの標的となり、2次レーダーで離着陸しなければならないという厳しい空軍基地なのだ。
(80kt、チェック・・・異常なし・・・140kt、V1・・・・160kt、ローテート・・・・200kt、V2!)
操縦桿を引いて愛機は風に煽られつつ一気に真蒼の空に舞い上がる。心地よい加速Gが自分を包むのを感じながら高度を取り始める。後続機の為にジェットエンジンと機体による乱気流を防ぐ為、A/Bは使わずに上昇した。
≪BlackDeathsize Airborn(ブラックデスサイズ離陸)≫
≪ BlackDeathsize FLY RUNWAY HEADING climb and maintain flight level 6(滑走路方位を維持、高度6000ftまで上昇してください)≫
≪Roger BREAK BREAK(了解、他局に連絡する。応答は不要)≫
管制塔は後続の機を上げるので既に混乱に近い状態だった。そのため、いつもは使わないBREAK BREAKを使用した。第一次発進隊は敵飛行場までNOEで飛行、奇襲攻撃を仕掛ける。第二次発進隊は100kmほど離れた基地のISAF空軍と合流して前進を始める友軍の支援に回る。混戦は必至と思われる。
≪索敵レーダー反応はバデイースパイク(友軍のレーダー照射)以外なし。まあ、あった方が面白いんだが・・・・≫
RWRを見ながらぼやく。後続の戦闘機が上がってくるまで気流が収まるまで最低でも1分半は必要だ。その間にWP1まで進んでいく。命令とフライトプランを無視すればどやされるが、今のところは命令どおり動いている。
≪AWACS、Picture Please(空中早期警戒管制機、敵情報を)≫
≪BlackDeathsize Picture is clear this time.CANCELED RESTRICTION.CLIMB AND MAINTAIN 7000(ブラックデスサイズ、現在敵情報は無し。高度7000ftまで上昇しそれを維持)≫
≪Roger、CANCELED RESTRICTION.CLIMB AND MAINTAIN 7000(了解、高度7000まで上昇維持)≫
上昇指示を受けると機体を上昇させつつRWRに目を走らせた。最新型のSA-21が長距離探査レーダーで目を光らせているようだ。こいつはステルスも探知するらしい
≪ブラックデスサイズより全機へ、索敵レーダー波を受信した。当機は2分後にグライダーデコイを射出し、降下する。後続機は警戒されたし≫
≪了解≫
(今回は劣勢・・・航空支援が鍵になるか・・・嫌なんだよなあ、CASは・・・弾幕の中に突っ込んで帰ってこれんのは半分以下だからなあ)
眼下に広がる友軍の戦車部隊を眺めながら刹那はそう思った。明らかに戦闘車両の数も対戦車火器の数も不足し、分隊支援火器を持たない分隊まであるくらいだという有様、陸軍は当てにならない。敵軍はM60の改造戦車で防戦ラインを引いているらしい。自走対空砲やSA-13が大量配備された敵防衛ラインを突破するのは並大抵の事ではない。止めでも流石如くに敵は西防衛戦の後方に自走砲部隊を配備したらしい。それに相反するように敵の空軍はステルス戦闘攻撃機や戦闘ヘリを用意しているようだ。此方の正規空軍の多くはSu-35、タイフーントランシェ2やF-15E、F-2Aが主力で数多く装備できる250ポンドGPS/INS誘導爆弾を使用できるF-35・F-22・Su-50なんてさほど多くなく、傭兵部隊はそれらと同等かやや劣る航空機と装備だ。数で大きく劣り、装備も同等の戦場で勝ち目を見出すのは全軍の情報共有能力と練度、そして戦意のみ。勝算は5分5分だろう
≪第一攻撃隊、全機離陸。作戦開始しろ。この戦いを如何に優位にするか、それだけを考えて飛べ≫
≪ブラックデスサイズ了解。デコイ発射、急降下。WP1通過する。攻撃地点ETA12:15≫
そんな考えも、戦闘の為のスイッチが入るとSAF Force Recon(特殊航空隊 重装強襲偵察隊)としての兵士の思考に切り替わる。如何に効率よく敵の戦闘能力を奪い、我方の損害を減らすかそれだけに頭をフル回転させる。
(スパイクマッド21・・・・ヘディング0-2-1、3-5-4。脅威度低・・・よし)
[ガーゴイルの何機かをSA-21のレーダーサイト破壊に向かわせろ]
[Roger]
刹那は後方から追いついてきた友軍戦闘機部隊にSAMレーダーサイト破壊を発光信号で示した。すぐに何機かが北北東と北北西に散っていく。後方でレーダー波を出していたデコイの反応が消える
≪!・・・デコイが落ちた。全機、所定へと向かえ。SA-21再装填まで20分だ≫
≪了解、高度100ft(およそ30m)へ下げ、速度570kt(およそ1040km/h。マッハ0.9)維持!ブレイク!マッハギリギリだ、揺れるぞ(自機の発する衝撃波が自機に当たって揺れは発生する。マッハを超えて低空飛行すればその衝撃波のパターンも変わって機体に当たり超音速飛行でストレスを加えられている機体はバラバラになるが、マッハ2以上であれば衝撃波が自機より後ろに跳ね返る為なんとも無い)対空砲、レーダー反応、敵航空機、SA-13、携行SAMに注意!!太陽も見張れ!≫

エルジア前線防空指揮所 11:40
「異常は無いか?」
SAFの物とは違い、強固なバンカーで防護された司令部兼用の防空指揮所。その中では画面の明かりに照らされた顔が浮かび、画面と睨みあいしている
「はい、RCSから言ってX-47(オーシア軍で開発中の統合無人戦闘機)か、nEUROn(ユーロ(ベルカ・エメリア・サピン・ウステイオなどの国際共同企業)社で開発中の無人戦闘航空機)でも来たんじゃないですか?そいつを落としてから何もありません。」
「そうか・・・・SA-21は優秀だな」
余裕の顔で指揮官は画面を見ている。そんな中、突然大声が響いた。
「し、司令!空軍前線飛行場より緊急伝!!電文は"敵、急襲"です!」
「何!?どう言う事だッ!?レーダーには何も・・・・!そ、そうか・・・・アレは・・・囮だったのか!!」
「何をしている!緊急配備だ!総員戦闘配置につけ!」

同時刻 ISAF軍空軍基地 
「諸君、静粛に」
いつも通りの冷静な作戦参謀の声がブリーフィングルームに響く。そしてスクリーンに映し出されたウィスキー回廊の写真と敵勢力の情報が示された映像でブリーフィングを始める。
「ランバート山脈とアンバー山脈に挟まれた細長い平野、いわゆる<ウィスキー回廊>の出口を最終防衛線とし、敵は大戦車部隊を布陣した。数において圧倒的に不利な状況にもかかわらず、友軍はエルジアの首都ファーバンティへ進撃するためこの敵に正面から攻撃しなくてはならない。戦闘の被害は戦力差の2乗に比例する。勝利するには、航空支援の奇跡的な成果が必要である。
敵の地上部隊を撃滅し、味方を支援せよ。 質問は?」
既に場数を踏みに踏んだ彼等でも疑問はある。何人もが手を上げた。参謀がその内の一人を指名した。
「・・・グエン、貴官からだ」
「・・・一つ聞けばそれで良い。なぜ勝ちに急ぐんだ?」
シンプル且つ最小の言葉で手を上げた多くのパイロットたちの疑問を代弁した。
「何故?貴官らが問える事ではない。我々はメガリスを止めなければならない。だからこそ急ぐのだ。それだけか?」
「いいや、何も今日じゃなくても数日後には増援の戦車隊が来て戦力は2:3になる。さらに呼ぼうと思えば海軍機や海兵隊も来る。何故今日なんだと聞いている。数日くらいならば大丈夫だろう?」
誰もが思ったこと、それは現状ではウィスキー回廊の我が戦力は陸軍機甲三個師団と空軍四個中隊、それに対し敵軍は陸軍十個混成師団に高射一個大隊に砲兵二個中隊、空軍は精鋭戦闘機三個中隊、攻撃機一個大隊とかなり戦力差がある。尚、ノースポインと・サウスポイント同盟軍は後方補給へと回ることになっている。これは敵残党のゲリラ攻撃が熾烈化してきたいるからだ
「上層部には目の前の戦線を突破し、空・海軍、海兵隊、そして増援部隊と共に敵国首都へ"同時"にいち早くなだれ込む戦略がある。我々はそれを実行に移さなければならない。時間も心もとない我々には一度きりのチャンスしかないのだ。今日がその日だ」
参謀は溜め息を交えながらもハッキリと言った。そうメガリス実戦稼動までもう時間は無いのだ
「・・・フン。気に入らん・・・だが、時間がねえのは全員が承知している。手伝ってやるよ」
「激しく同意で御座いますです。それに戦車を潰せるのなら・・・・」
「俺等を止められるなら止めてみろっつーの」
傭兵も正規軍も快進撃で指揮は最高潮。この調子で攻め続けることこそが急務だ。参謀は入ってきたばかりの朗報を伝える事にした
「諸君、現在入った最新情報だ。今作戦で先陣を切ったSAF航空隊二個小隊が敵前線飛行場を奇襲空襲、F-22A30機中17機とF-11740機中20機以上とAH-64D30機中15機を破壊した。敵性空能力は半減したとの報告だ。制空任務はレイピア・傭兵第一中隊・ヴァイパー、CASはオメガ・ヘイロー・傭兵第二中隊で対処しろ。SAFの第二派とメビウス小隊は遊撃隊として活動し、損害を与えろ。以上だ。解散!」
「「「「「「「「Sir Yes Sir!!!」」」」」」」」

中央抵抗ライン 同時刻
≪"砂嵐が来た"!繰り返す"SANDSTORM In Coming"!!、全車前進開始!!≫
≪Roger、タンゴ機甲中隊!前進!≫
≪SANDSTORM In Coming、Roger。ブラヴォー全車へ!作戦のGOサインが来た。やつ等の喉下をお前等の120mm滑空砲に装填されたAPFSDSで食い千切れ!!≫
「・・・始まった。行くぞお前等ぁ!!俺達の陸軍魂をやつ等に、刻み付けてやれ!」
「「「Sir Yes Sir!!」」」
11:47時、膠着状態だった戦線が突然火を吹いた。
≪タンゴ全車!行進間射撃開始!!ガナー!ターゲット 12o'clock!3800!≫
≪ターゲットクワイエット・・・・Fire!!
ドンッ!!!!ドンッ!!!!ドンッ!!!!ドンッ!!!・・・・・ギュウウウウウゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・ボボボボボッ!
タンゴ機甲中隊のレオパルドA5に搭載された120mm滑空戦車砲がAPFSDS弾を発射した。それは寸分の狂いも無く塹壕に砲台として止められていたM60戦車を貫き、戦車の内部の物を運動エネルギーと高性能火薬の化学エネルギーで全て破壊した。直ぐに敵軍の戦車隊が展開する。
Hit!!敵も撃ち返して来るぞ!全車ジグザグ走行!射撃をやめるな!≫
≪ゲットレディ!≫
タンゴ機甲師団の戦車全車が再装填を終えた瞬間に、全車のガナーは敵戦車が発砲したのを見た
≪来たぞ!!耐ショック姿勢!!≫
シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!  ドドドドドッ!!!!
≪損害報告!!≫
≪タンゴ8が至近弾を喰らいましたが戦闘に支障なし!歩兵部隊が前進を開始します!!≫
「ラッシュ!ラッシュ!ラッシュ!(突撃)」
先程の砲撃を塹壕でかわした歩兵たちがM16A2やステアーAUG、G36に着剣して突撃を開始する。
≪カヴァーリングファイア!(掩護砲撃)前進してくる敵戦車を撃てッ!!≫
Fire!!
ドンッ!!!!ドンッ!!!!ドンッ!!!!ドンッ!!!・・・・・ギュウウウウウゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・・・ボボボボボッ!
≪クソッ外した!≫
≪スカイアイより作戦中の全機へ。この大規模な陸戦における我々の任務は、近接航空支援だ。可能な限り多くの敵を破壊し、我が軍の前進を助けろ!≫
≪空軍が来たぞ!全車!敵対空車両と施設を探し出して撃て!空軍を護ってやるんだ!!≫
ISAF空軍が到着するのとエルジア空軍のスクランブル発進して来た攻撃機や戦闘機が戦場に到着するのはほぼ同時だった。と、同時に砂漠は灼熱地獄から砲弾とミサイルと銃弾が飛び交う"戦場"と言う名の灼熱地獄へと変貌していく。

Fin
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