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第三十五話:

誰かが私に怒鳴る。私はそれに耳を貸す。聞こえるのは全て違う言語の罵詈暴言

誰かが私を呼ぶ。そこに行けば、全身を貫かれて血が流れる。

誰かが倒れた私を見る。その目は全て見下し、憎しみの感情がこもった目。

誰かが立ち上がった私に石を投げる。それは憎いが為の投石。

誰かがまた歩き出した私に銃を向ける。それは恐ろしいが為。

誰かがその者に手を掛けた私に銃弾を放つ。それは自分を守るが為の発砲

誰かが倒れた私に対してまた罵詈暴言と暴力が始まる。それは私への畏れ、恐れ、怖れの為

私はまた立ち上がり、とうとう血達磨になった肉体でそいつ等を裂き、貫き、撃ち抜く

誰かが私から逃げる。それは生き残る為

私は、自分の体をこれ以上壊させない為にそいつ等を殲滅する。誰一人も残さず、血も肉片も全て喰らい尽くして

私は全てを終わらせ、高らかに謳う。それは勝利の凱旋唄。

私はまた歩き出す。私を滅ぼす"敵"を探して


ノースポイント 入間基地 7月5日 14:05 ファイアフライ作戦決行5日前
「まるで詩のようです。言っている事はアレですが」
「中佐かい?ああ、時々あるんだよ。あんな風に謳うのが」
機体の集中整備を進める刹那は謳いながら作業をする。それは自分の事を指すのか、それとも違う化け物を指すかは分からない。
「我々の戦力であるうちは別に構わないよ。あんな狂人でも」
「まあ・・ね。ちょっと気味悪いけど」
SAFの隊員らはちょっと引き気味にその様子を見ていた。ファイアフライ作戦に万全の状態で間に合わせる為に刹那は機体の要所を分解し、チェックを行なう。それらは全て一人で行なっており、作業効率を高める為にあんな唄を歌っているのだという。実に愉しそうだ
「気味悪いだって?そりゃ間違いですよ」
「は?」
この基地のベテラン整備員は苦笑されながらSAFの隊員らに言った。彼等はポカンとしている。
「戦場にずっと・・・それも5年以上戦場に居たんですから、あんな風にならない方がおかしいんです」
「我々だって、5年くらいは・・・・」
「あの人の場合は次元が違いますがな。危険レベルの放射能の中で暗殺任務を幾度となく行なったり、味方も敵も殆ど全滅する戦場を駆けずり回ったり、敵地の真ん中で2~3週間戦い抜いたり、銃火と鉄火の中を突撃したり・・・生きて帰ってくる奴の方が珍しい様な所・・・・そう、生存率が1%あるかないかぐらいの所しかあの人は行ってませんよ。そんな所に五年以上居たら誰だってああなります。その証拠に、"鉄火を持って闘争を嗾けて来る奴等に何もクソもない。唯々殺し尽くすだけだ"と闘争の真髄を知り尽くしてらっしゃる」
「それを戦争狂と言うのでは?」
「戦争狂は唯の戦争を求める。あの人はかかって来る敵だけを皆殺しにしているんですよ」
「わっかんねえな・・・」
「何れにせよ、敵には回したくないのは確かだ」
彼等が遠ざかるのを確認すると刹那は機体の部品の中に混じっていた衛星携帯の会話ボタンを押した。
「すまないな、1-5・・・ちょっと見られそうになったんでな」
≪・・・2分もコール応答が無いんでまさかと思いました。ネガテイブレポートを≫
「頼む」
≪ya・・・これから貴方のID端末にデータを送ります。内容はサンサルバシオンの現状とメガリスに関する新情報です≫
「Ok、ちょっと待て」
刹那は自分の指をナイフでちょっと削り、血がついたIDチップを舐めて綺麗にすると衛星携帯に繫いだ。
「スタンバイ」
≪送信開始します≫
このIDはそれぞれの中隊・大隊長が情報を共有する為に作られたものだ。大体は爪などの色をコーテイングされ指に引っ付けていて、それを端末に差し込むだけでいいが、刹那の場合は自己治癒能力が非常に高く、尚且つセキュリテイの面で圧倒的に信頼できる為こうしている。IDから得た情報は、脳にナノマシン経由で送られて頭の中でフラッシュバックする。ナノマシン自体はそれぞれの長の位置を把握する為のものだ。
「・・・ほう・・・これは面白い情報だな・・・××××××(※自主規制)ちそうだ」
≪・・・だと言うと思いました。他の第三大隊のメンバー達も同様なことを言ってました≫
「これは面白い・・・・実に面白いぞ・・・・そうか、あやつがとうとう我々に立ち向かう気になったか・・・クハッ・・・はハhaハハhahaはハhaはハ・・・・情報提供感謝する。Over」
≪Sir・・・コマンダー・ラインハルト?≫
「・・・もうその名で呼ぶな、と言っていただろう?」
≪失礼しました。"黒いの"・・・記録に残したくない案件が一つ・・・≫
「言ってみろ」
≪・・・今回の件で、メガリスを狙っている組織が割れました。オーシア・ユーク・ノース・サウスポイント・エメリアのスペシャルフォースが動き、灰色の手下の"暁"も動いています≫
「!・・・ほぅ・・・こりゃまた剣呑な・・・・」
刹那はどれがどれほどの戦力か、見当がついていた。しかし、予想以上にそれらの組織が居る為に少し驚いたのだ。
「・・・・奴等がどれほどの戦力を出してくるか想定はついてるか?」
≪ネガテイブ・・・・判明次第追って連絡します。Over≫
「了解、サンサルバシオンに私の部下を向かわせる。私の中隊は至急"コマンドメガリス"への侵入経路を探せと伝えてくれ。"メインメガリス"はISAFにくれてやるともな。ネガテイブレポートは10時間おきに、Over」
≪Roger・・・Out≫

サンサルバシオン 3日後 21:45
≪・・・・ライトクリア≫
≪レフトクリア≫
≪Move Now、Go、GO、GO≫
黒尽くめの戦闘服を着た兵士達が、マンホールから街のど真ん中に出てくる。彼等は刹那の私兵なのだが、今回の任務はISAF軍を援護する為の作戦だった。
≪チェック・コーナー≫
≪クリアレフト≫
≪クリアライト≫
≪Move up!GOGOGO!!≫
≪4時方向敵歩哨≫
≪曹長、片せ≫
≪Copy Sir≫
隊員の一人が敵兵の後ろから音を立てずに、脊髄目掛けナイフを一気に突き立てた。相手は心臓が止まり、呼吸も停止した事に気付いた。だが、呼吸が出来ずに声どころか、呻き声も立てられなかった。
≪無力化、確認≫
≪敵に発見された際は短針銃を使え≫
≪Yes Sir・・・早速見つかりましたな。3時方向、死体を見つけたようだ≫
≪了解、確認を取られる前に殺せ≫
≪スタンバイ・・・・Now!≫
ジャッ!!

短針銃により敵のヘルメットごと消え去り、敵兵は力が抜けたように崩れ倒れた。文字通り、頭が一滴の血液も残さず消滅したのだ。短針銃とは数千の鉄の針をガス圧で音速以上で放つ武器だ。例え鉄骨でも一瞬でボロボロになる。
≪Kill≫
≪Move!作戦時間は5分。ORPへの集合時間は10分だ。散開ッ!≫
≪Run!ツーマンセルで動け!全ての対空火器にレーザー発信機をつけるんだ!≫
部隊の任務はISAFのSEAD任務機の援護の為に敵の対空火器と主力戦闘車両にレーザー発信機と遠隔操作型ストロボを装着する任務だ。任務時間はたったの5分。彼等は全力で走るだけではなく、屋根、マンホール上下水道伝いに目標に向かって散開する
≪04、クリア。チャージ・・・・OK≫
≪06、チャージ・・・設置完了。これならバレない≫
≪03、チャージNow・・・・Ok≫
≪08、敵兵を無力化。チャージ開始≫
≪09、Ok。発見される前に逃げるぞ≫
≪07、敵を殺害。死体をマンホールに落としました。チャージします≫
≪此方01、05と02はどうした?≫
≪05、GPS上では間違いないのですが・・・・目標がありません。移動した模様≫
≪02、敵兵が随分粘って反抗したので手こずりました。これより仕掛けます≫
≪他の小隊は間も無く終わるぞ!早くしないと我々は05を捨てて逃げる。いいな?≫
≪05、Copy Sir・・・くそ、IRセンサーでも反応がない!半径500m以内に目標は確認できず!≫
≪一基だけ我々に感ずいた?馬鹿な・・・・近くにある筈だ。探し出せ!≫
≪Yes Sir!≫
≪01、此方04、敵部隊は異変に気付いたようです!≫
≪05以外は撤収しろ。05、仕掛けるか敵に見つかるか・・・どちらかの場合のみ撤退を許可する≫
≪了解≫
≪01より各小隊へ、トラブルが発生した・・・≫
05は屋根伝いに目標を探している。01は焦っていた。もし計画がバレれば05を失うだけでなく、今後の作戦も行なえない
≪!05、目標確認しました!!あれは・・・・病院の上です!無理だ。昇れる以前に敵も多いし、光量が大きすぎる!!≫
≪01、了解。早急に撤退しろ≫
≪05、Copy!・・・!待て、敵部隊だ・・・・≫
無線機越しに敵兵の足音が聞こえて来る。既に05を除く全部隊が地下に入りORPで待機している。
≪05、撤退が最優先だ。分かっているな≫
≪はい・・・しかし、今からではORP集合時刻には間に合いません≫
≪構わん、5分間待ってやる≫
≪了解・・・クソ、早く行けウスノロ・・・・ッ≫
どうやら敵兵は05の周辺で止まっているらしい。動けば、見つかる
≪・・・・ふう・・・・移動します≫
≪後4分≫
≪ッッ!敵部隊と接触!近くに撤退路はありません!指示を≫
≪後3分、何もない。生きてもどれ≫
≪クソッ・・・は、早く行けッ・・・・・良し・・・良いぞ・・・良い子だからそのまま行け・・・・良し!行くぞ!≫
≪後2分≫
≪マンホールに入れました!ETA1ミニッツ≫
≪急げよ≫
≪05の身柄確保。撤収時刻30秒前だ≫
≪ま、間に合った≫
≪所定へと戻るぞ。さあて、行こうか≫
サンサルバシオン奪還まであと・・・42時間

Fin
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