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第六話:仲間との別れ、新たな戦友

4月1日 ウステイオ南部 クレスタ基地 ブリーフィングルーム 14:00
「・・・生き残ったのは・・・これだけか・・・」
セツナは溜め息混じりに、こう言った。ブリーフィングルームには正規兵が20人、傭兵が30人程度と言った具合だ。結局、ウステイオ空軍は奮戦するも9割を失う結果となった。比較的大きな基地は残りはヴァレーとこのクレスタ、そしてビアンカ位である。そこには撤退してきた正規軍と5日前から戦況の不利を悟った政府が、雇った傭兵で埋め尽くされることになった。
「致し方ないですよ・・・まさか、あんだけの軍備で来るなんて・・・」
アクセルもハアと溜め息をついた。此処の傭兵達とは、なかなか意気投合することは出来た。が、いつ負けて国が消えるか解らないのにこんな事をしてる暇はあるのか、と言う声も出た。
「だが、言い換えればその軍事力を打ち破れば俺達は一躍ヒーローになれる・・・が、こんなよせ集め集団では無理な相談か」
傭兵の一人、ロンディネ・ハインリックが言った。確かにそうだが、傭兵と正規兵の混合部隊なんてのがセツナ以外では全てなのだ。勝てるかどうか。セツナは一応、遠征隊は居るが戦闘行為なんてとてもさせてあげられる物ではない。なので、事実上一人の隊である。
「だがウステイオを取り戻すためには、絶対負けられないんです・・それに負けたら、傭兵の皆さんは、収入がゼロになりますからね」
セリーヌが大声で後半は傭兵に言い聞かすように言った。
「そうだ、ぜってぇ負けらんねえ!!」
傭兵のシン・キチが大声で叫んだ。
(ああいう具合に言ってる奴等はかなりの金欠だからな・・・真面目に戦うことは戦うだろうが、戦闘中は敵しか見えなくなる)
セツナはこう考えていた。それが味方から孤立しやすく、撃破されやすい。
「諸君、静粛に!ブリーフィングを始める!」
基地司令が大声を上げた。
「さて、諸君も知ってのとおり、本国は降伏寸前である、だからこそ傭兵の諸君に集まってもらったのだが、現在、敵軍はこのクレスタとヴァレーそして、ビアンカへの爆撃を試みようとしている、現在の所、その基地を叩くためのミサイルも爆弾も不足し、さらには一つの基地でも陥落した場合、他の基地は孤立しさらに降伏に近づくであろう、・・・接取されたディレクタス基地には爆撃機が集結していて、集結が済み次第攻撃が行われると推測される、機数は推測で約60機の爆撃機と30機の戦闘機だ」
ざわざわと騒がしくなる。無論その機数を聞いてである
「静かに!!だが、いち早くウステイオを攻略するための三つの基地同時攻撃のため、一つの基地あたり爆撃機20、戦闘機10だ、尚敵の爆撃機はB-52とデータベースに無いものが含まれる恐らくベルカが作り出した戦略爆撃機と推測される、十分に警戒してもらいたい」
そこで傭兵から質問が出た。
「じゃあ俺らにどうしろと?」
司令は一泊おきにこう言った
「現在もAWACSとレーダーによる周辺監視が継続されている・・・つまり君等の仕事は迎撃だ・・・攻撃に回ることは現状では不可能!なのでまず全軍でデイフェンスに回る、その後のオフェンスはビアンカとヴァレーが対応する・・・が、一人だけこの命令に逆らう権利を持っている奴がいる」
そう言うと司令はセツナを指差した。
「!?」
「君だよ・・・セツナ三尉、私やウステイオ軍、いや今日作られた連合軍の総司令官も君は束縛できない、つまりいつでも出撃が出来るし、脱走も出来る」
「いつでも降りることが出来るし、いつでも死ねるって事ですか」
セツナは司令の言ったことを確認した。さらに司令はこう言った
「故郷が恋しくなったらいつでも降りていいぞ・・・今日何とか遠征隊が返せそうだからな・・・とりあえず以上だ、何か質問は?」
傭兵側から質問が出た
「何なんだ?遠征隊って」
「・・・知らないのは仕方ない、元々ノースポイント、サウスポイントの非公開の主催だからな、遠征隊は今言った二ヶ国の優秀な新人空軍パイロットを世界に遠征させ、各国空軍と友好と訓練をつむために作られた部隊で、セツナ三尉はその隊長でありながらも今戦争に参加してくれるそうだ、だから彼には我々の干渉できる所が無い・・・他には?」
その他の質問は無かった。

ウステイオ南部 クレスタ基地 野外駐機所 15:00
「・・・って言っても敵さんが来なきゃ話にならん」
傭兵があきれた声を出した。
「暇だなあ・・・ファァ・・・ん?」
ルドルフ・ストレイトは大欠伸をすると4人ほど固まった集団を見つけた。一人の自身と変わらない男が3人の男女に責められているようだ
「何だ?何だ?」
近づいてみた。
(一人の男はブリーフィングルームで・・・確かセツナとかいったな、じゃあ残りは遠征隊の奴らか・・・何やら、いい空気ではないな)
風がさっきから吹いていてあまりよく聞き取れなかったがこう聞こえた。
「だ・・なんで・・らきゃいけないん・・か!?」
「なんどもい・・・ろ!!危険だか・・・行くんだ!!」
「だからって・・・がなんで・・・・すんですか!?」
こんな会話をしていた。そして――
パンッ
「あ!!」
「この馬鹿ッ!!」
とうとうセツナの方に平手が炸裂した。そして女が一人宿舎に向けて走り出した。他の隊員2人は吐き捨てるように言葉を発し同じ宿舎に行った。すぐにセツナに駆け寄る。
「お、おい何があった?」
「・・あいつ等をサピンからユージア大陸経由で帰らせようと説得しようとしたんだ、このままではあいつ等を巻き添えにするからな・・・」
セツナはそう言うと、愛機に向かった。
「一体何て言ったんだ?」

ウステイオ南部 クレスタ基地 宿舎 15:30
「隊長の言うことは正しいけど・・・なんで・・・」
ハヤシ三尉は泣きながらも何度も自問自答していた。
「まさか、ベルカ軍と戦うつもりなんてな・・・その上で俺らに本国に帰れなんて」
ゼン三尉も呆然としていた。
「・・・だが現に、あの人の機体には・・・対空ミサイルと機関砲弾と増槽を積み込んでいた・・・あの人は本気だ」
シン三尉は悲しい声を上げた。それをルドルフ・ストレイトは扉の前でで聞いていた。
(良い覚悟してるな、あいつも・・・隊員を巻き添えにしない為には頬ひとつ犠牲させてもでも良いと言う訳か)

ウステイオ南部 クレスタ基地 滑走路 15:40
<<フェザーいやデスサイズ、クリアードフォーテイクオフ・・・本気なんだな?>>
「ああ・・・敵基地に強襲をかける!爆弾は無くてもミサイルが無くてもやれるだけやる!」
セツナは管制塔にこう言った。
<<了解・・・死ぬなよ!戦友!!グットラック!!!>>
「発進する!!」
スロットルを最大にして一気に飛び立つ。

ウステイオ南部 クレスタ基地 宿舎 15:43
ギュアアアアアア
「!!??何だ!?戦闘機!?出撃は控えるよう言われてたはずだろ!!」
搭乗員や整備員達がわらわらと各自の部屋から出て行き、滑走路を見た。
「セツナの奴だ!!あいつ何を!?」

ウステイオ中部 ディレクタス基地 16:00
「間もなく爆撃機50機、集結が完了します!!」
下仕官から報告を受けたベルカ上級将校はにやりと笑った。
「ふふふ、もうすぐだ、もうすぐウステイオは落ちる!!完全にな!ハハハ!!」
そう高笑いしている所に、もう一人士官が慌しく入ってきた。
「少将!!しょ、正体不明機が急速接近!!後二分で此処まで着ます!!」
報告を受けたとたん、笑いの表情は消え去った。
「何!?機数は!?所属は!?」
士官は報告を続けた
「ハッ!!機数は1機!!所属は監視哨の報告では、機体はファントムらしく、こ、国籍マークは日の丸です!!」
「単機だと!?もう迎撃には上がっているのか!?さっき所属は何て言った!!??」
将校はあわてていた。何故敵機が!?と
「はい!!もう迎撃には上がっていますが、哨戒の第一小隊は全滅!!迎撃の第14小隊は壊滅!!第48小隊も苦戦しています!!国籍マークは日の丸です!!!」
士官はこう言った。傍に控えた者達は、即座に防空壕に入るように言った。将校は戦闘の勘を働かせこういった。
「もう遅い!!伏せろ!!」
その直後、轟音と共に黒い影が基地の上を通り過ぎた。
「ウワアアア!!」
かなり多くの人間がソニックブームで吹き飛ばされた。
「クソ!!爆撃機を退避させろ!!もっと戦闘機を上げろ!!陸軍にも応援を頼め!!敵はロト隊と単機で戦って互角だった奴だぞ!!」
将校はこう言うと防空壕に走っていった。

ウステイオ ディレクタス基地上空 16:10
ヴァアアアア
機関砲が火を噴き、主翼に当たる、敵機の翼がもげた
「8機目!次でラスト!」
セツナは撃墜・撃破した敵機の数を数えていた。
<<そんな!俺一人!?もう駄目だ!!!>>
逃げ出す敵機を尻目に下の野外駐機所のB-52と初めてみる爆撃機に機首を向けた。
(アレを一つでもやれば・・・!!)
ヴァアアア
グワッ!!グワッ!!!グワン!!
機銃掃射を仕掛け、一気に5機が被弾し搭載爆弾が誘爆を起こす。必死に消火をしようとする兵士達。5秒ほど直進、そして右旋回し、正面に白銀の爆撃機を見据える。
ヴァアアア
ドオン!!ドカッ!!グワッ!!
そしてもう一撃。今度は7機が爆発した。
<<畜生、畜生!何時の間に来たんだ!!畜生!>>
敵の声だろう。さっきの同じように旋回し、攻撃態勢に入る。
ヴァアアアア
グワアン!!ズウン!!グワワ!!
さらに一撃、8機があっと言う間もなく吹き飛んだ。
ピピピピ
(IRSTに感!チッ!増援か・・・死者は無い様だ)
セツナは方位1-8-0に機首を向けてマッハ1.5で引き上げた。

ウステイオ南部 クレスタ基地 野外駐機所 17:20
「ふう・・・何とか戻ってきた・・・」
セツナは愛機を駐機所に止めると、タラップを待たず機から飛び降りた。目の前には多くの搭乗員が居た。
「こんのやろー!抜け駆け・先討ちしやがって!!」
「攻撃するんなら一声掛けろよ!!俺達の取り分を取るな!!」
と、思いっきり絡んできた。それらを巧みにすり交わし宿舎に向かった。

ウステイオ南部 クレスタ基地 宿舎 17:25
「「「・・・・お帰り・・」」」
フェザー隊の顔がそろっていた。
「ああ・・・それより、早く準備したらどうだ?さっさとしないと命の保障は出来ないぞ」
と、声を掛ける。
「・・・・どうしてもそうしなきゃ駄目なの?」
ヒカル三尉が質問してきた。
「当然だ」
すぐに答える。
「・・・・・何であなただけが戦うんです?」
ゼン三尉も同じく質問してくる。
「私には戦う義務がある・・・さっさと用意しろ、命令だ」
同じように答え、冷たく言い放った。
「おい!黙って聞いてりゃ随分つめてえな!隊長!あんたが残るんだったら、俺等ものこ――!?」
ブシュウ!!
鮮血がセツナの右腕から出た。気が付けば左腕にナイフがある。
「頼む、早く用意してくれ!あんた等と居ると迷いが出る!!これじゃあ戦うに戦えない!!」
「な・・・何してるんです!!早く止血しないと!!」
ヒカル三尉が止血をするために傷に布を押し付けた
「・・・もう仲間を失いたくないから・・・私は自分に迷いが出た時、必ずこうやって傷つける、痛みで迷いを消せるからね・・」
「・・・解ったよ・・用意するよ」
ゼンとシンはセツナの覚悟を知って、諦めた。事実、彼の体には大量の傷があったから理解できたのだ。

ウステイオ南部 クレスタ基地 野外駐機所 18:00
「隊長、ご無事で!」
「死んだら、殺すからな、隊長」
「ちゃんと帰ってきてくださいよ、隊長」
三人との最後の言葉を交わす。
「ああ、体に気をつけてな」
それぞれの機のキャノピーが閉まり、タキシングを始めた。
滑走路に着き、離陸を始めた。
「良かったのか?これで・・・」
傭兵の一人が声を掛けてきた。
「・・・これでいいんだ、これで・・・・」
セツナは悲しそうな声でそれに答えた。

FIN
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コメント

間違えた・・・
戦闘機は8機でしたね
失敬、失敬・・・
28機!!
どっちにしても恐ろしい・・・
敵には廻したくありません
速度2000kts
早すぎる……
まだ3話目も書き上げてないのに…

なんだかんだで、隊員思いなセツナですが、あの経歴には不審な点がありそうですねー…
それに、どこか壊れてる?
自分を傷つけて迷いを断つなんて…

えっと、
戦闘機が5
爆撃機が5,7,8……
25機!!!??
たった一回で!!!??
天国のご両親も真っ青な戦果です(爆

今後も、期待しています
やっと追いつけた・・・
まさか受験勉強で数日あけただけでこんなに進むなんて・・・。ドミ肉さんもびっくりのスピードだ(笑


さて、では数話分まとめて。
セツナよ、ニューバーキルの次は隊長落としですか。オマケに遠征隊隊長に就任、アクセルさん教導隊を軽々あしらって説教するとは。もうすごいどころじゃねぇ(笑
ついにベルカ戦争開戦。国を離れ、仲間と別れ、一人戦場に向かうセツナ。彼の過去の傷も関係しているようですが、あの態度はかなり気になります。

と、最後に早速出していただきありがとうございます!円卓広場にも書かせていただきましたが、どうぞご自由に使ってください。
では、執筆頑張ってください。

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