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第五話:戦う理由

3月26日 ウステイオ ディレクタス基地 11:00 通信室
開戦から一夜経ち、慌しい基地の通信室にセツナはいた。通信兵に頼み、一つだけ軍事用電話回線を開いていた。
「ノースポイントから電話が来ました!」
通信兵から連絡を受ける。
「回してくれ・・・」
「了解、まったく・・・貴方が遠征隊ではなく、味方の救援をしてなかったら絶対に許可は出ないですよ」
苦笑しながら通信兵は回線を回す。
「はい、ディレクタス基地のフェザー1です、蕎麦なら三丁目の蕎麦屋に、傭兵なら大使館にでも駆け込んでください・・・ご用件を」
と、相手の緊張を和らげるような冗談を言った。
<<セツナ三尉か、クレスタに居ないから何事かと思ったぞ・・・>>
「隊司令・・・心配させて済みません」
相手の声で誰だか解り、安心する。
<<何、無事でよかった・・・此処は何処だと思う?>>
「隊司令室ですか?」
司令の質問に答えた。
<<違うな、総理官邸だ・・周りには記者団と閣僚や総理が居られる、私でも滅多に入らない所だ・・・この電話は全国に流れている>>
ほう、と声を上げるセツナ
<<つい2・3時間前にベルカから報告が来てな、これは国民が初めて知ることだが、セツナ三尉、貴官の機体がウステイオ軍機と共に戦闘行為に参加し、ベルカ軍機を4機撃墜、一機小破させた、と来た・・・此処で一つ目の質問だ、以上の事は事実か?>>
一拍置いて隊司令は質問してきた。
「ええ、紛れも無い事実です・・ただ、ベルカ軍搭乗員の脱出は撃墜した4機とも確認しました・・正確には"させた"の方が正しいです・・あの後、救助されたと思います」
うーむと唸る隊司令。そしてこう言った。
<<報告では、貴官はベルカ軍に暴言を浴びせ、挑発したとある・・・これも事実か?>>
「ええ、ベルカ軍の目を引きつけ、ウステイオ軍機の援護にためにしました」
今度は沈黙をする隊司令。
<<では質問を変えよう、何故こんな事した?>>
「・・・一週間とはいえ、寝食を共にした、ウステイオの仲間達を守りたかったからです・・・今はもう戦友ですが、その戦友達を見殺しに、なんてさせたくはありません」
ふむ、と隊司令は聞いていた。
<<つまり、自らの良心に従ったと言うわけだ・・・では、ベルカは別なのか?>>
「いいえ、先に答えたとおり、私は落としたベルカ軍機を脱出させました・・・不可抗力で殺ってしまうかもしれませんが、彼らを殺そうとは思ってはいません、ただ勝手に他国を攻めるのだから兵を失う事のリスクはベルカも考えているでしょう」
また沈黙する司令。セツナが言っている事は一部道理だからこそ危ないのだ。
<<だが、貴官は他の遠征隊隊員と同じで参戦国ではない国の軍に所属し、その上でその国の軍事力を使える、だが国際法では第三国の介入は非軍事的な事でしか介入してはならないとある貴官は立派に国際法を違反したのだ、しかるべき所に出てもらう・・・と、言いたいが>>
そこで司令は言葉を切った。そしてこう言った。
<<最後の質問だ・・・三尉・・・貴官は、これから如何したい?>>
セツナは暫く考えて、こう言った。
「・・・・このままでは、私の過去を誰かが必ず、しかも複数の人間が繰り返します、なので、まず他の隊員の安全を確保し、尚且つこの戦争で先に述べた人を一人でも多く減らすため、戦友や、この後来るであろう新たな仲間と共に戦い抜き、その後、法の元に罰を受けたいと思っております」
暫く、黙っていた司令が最後に、こう言った
<<その覚悟、私にはもう止められ無いほど強いな・・・じゃあ、死なないように気をつけてな・・・オーヴァー>>

ノースポイント・総理官邸・執務室 11:20
「今日の夕刊には間に合わせるぞ!!メインは巻き込まれた防人だ!!」
「ビデオと録音!!ちゃんと録ったか!?今日のゴールデンに入れるぞ!!編集室に急げ!!」
記者達が慌しく、行動を始めた。
「・・・これから何処の国より大変になりそうですな、総理」
官僚の一人が総理にこう耳打ちした。
「うむ・・・だが辛いのは戦争に巻き込まれたあの隊員の部隊の仲間だろう・・・」
そう言うと総理は受話器を置いて俯いたままの隊司令を見て、近寄りこういった。
「・・・君も辛いだろうが気をしっかりもつんだぞ」
「はっ、心得ております・・・」
隊司令は俯いたままこう答えた。

ウステイオ ディレクタス基地 野外駐機所 12:00
「本当にあんなんで良いんだな・・・もう戻れんぞ、戦友」
基地の隊員はこう言った。セツナは驚いた
「え!?な、何で知っているんだ!?」
「カッコ良かったぜ、戦友!!」
(他の隊員も知ってる!?・・・と言うことは放送されていた!?)
一気に恥ずかしくなるセツナ、そして次の台詞がもう穴を掘って永眠したくなるほど恥ずかしいことだった。
「あれ全部通信兵の奴等が同時通訳で全軍に放送してたぜ!宜しくな!戦友!!」
(な、な、な、何てこった・・・)
そこまで考えると、頭が真っ白になった

fin
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コメント

<<高速で更新する機影、新たに捕捉!>>
はっ、早い!!追いつけない!!
凄まじい早さですねー
もはや脱帽です

>・・・・このままでは、私の過去を誰かが必ず、しかも複数の人間が繰り返します、なので、まず他の隊員の安全を確保し、尚且つこの戦争で先に述べた人を一人でも多く減らすため、戦友や、この後来るであろう新たな仲間と共に戦い抜き、その後、法の元に罰を受けたいと思っております

かっこいいいぞ!セツナ
そして隊司令の返事もまた良い!!
彼の活躍と、死神さんの健闘に期待いたします

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