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軍事研究第17回:日=米豪印の軍事協定・世界情勢

今回は国際的な日本の準同盟・同盟国との関係を纏め、今後への課題を見出す

日豪準同盟
・捕鯨問題を除けば大した問題は無い
・共通の仮想敵国として中国がある(正確には中国海軍の空母機動打撃群を想定)
・F-35統合打撃戦闘機100機導入、対潜・対空駆逐艦の増強、生産中のF/A-18E・F・Block2の半数をEA-18Gへの改修を容易化など軍事的プレゼンスは急激に強化されている
・これまで強大な脅威が無かった為、軍の規模は小さかった。その為、熱帯雨林の山火事等の大規模災害に完全には対応できていない
・特に上記の2点に関しては自衛隊の能力が大変注目されている(3mの高波や強風でも着水でき、貯水タンクに大量の水を取水・搭載でき、滑走路・水面と場所を選ばないUS-2の輸出相手国としての一つに挙がっている。そういった災害時に自衛隊のノウハウが生かせる等。さらに自衛隊は米空母打撃群とのリムパックで米空母を潜水艦で"撃沈"した事もある上に、旧日本軍が対空母打撃群との戦闘という前例がある)
日米同盟
・国際関係は実に順調
・核問題・核削減等、共通の脅威・課題が多く、互いの国益にかなった行動を取れやすい
・仮想敵国にロシア・中国・韓国(日本に対して公式に敵対論を出している以上、純仮想敵国として登録されているだろう)がある
・MD・国際貢献では日本・自衛隊側も実績豊富(イラクでの実績がある。仕事が無かった為それがデモ・テロの温床となっていた。自衛隊は「地域の人間に雇用を持たせて、不満を減らし、地域と一体化する」と言う米軍では出来なかった事をやれた。また日本のMDは米国のMDが補完しており、米国にとって極東アジア方向からの弾道弾対処には最高の立地。米国にとって、日本は「不沈イージスシステム搭載型航空母艦兼強襲揚陸艦」となっている)
・米国にとっては最適の防衛・攻撃・後方拠点であり、日本にとっては米国の比類なき非常に強力なパワーと言う強力な抑止力を得られている
日印準同盟
・大きな問題はこれと無く、インドは親日国家で有名
・仮想敵国に中国がある
・中国同様、急速に軍事力を強化しつつある
・ロシアの第五世代戦闘機の共同開発国である。日米とは違い、多種多数の空軍戦術戦闘機を採用している
・最近印海軍と日米海軍との関係が急速に近づいている。今年4月末~5月初めまで3ヶ国で共同訓練も行なった
・インド洋においてのパワーは強大になりつつあり、日本にとって欧州~中東~日本と言う「生命線」の一部を握れる数少ない国である
大体纏めてみた結果が上記のモノだ

これらの国に共通するのは強力なシー・エアパワー(海空軍力)を有する、又は有しようとしている国家である
中国はランドパワー・・・つまり、陸軍が強力であるがシー・エアパワーの関しては日本相手だと不十分すぎる。かといって莫大な費用が掛かる空母打撃群を「完全」に運用出来るならば十分な脅威ではある
空母打撃群は費用がとにかく掛かってしまう。まずは中規模空母とその護衛艦艇だけでも日本の2~3個護衛艦隊以上の費用は掛かるだろう。空母に定数の艦載機を載せた場合、その費用はもっと跳ね上がる。しかも、常に戦力として動かすにはローテーションで回す必要がある為、最低でも空母は3隻必要だろう。1隻は実戦体制、1隻は訓練に回し、1隻はドックで修理・整備すると言うローテーションだ。護衛艦艇も米海軍並を目指すなら護衛艦艇隻数の2倍は必要だ。さもなくば空母に防空戦力を頼る形になってしまう。空母が戦闘不能になってしまえば、その艦隊を殲滅するのは容易だ
中華人民解放軍は現在余分な兵力を切り捨て、機動力に優れた部隊を各地に配備する事でスリム化と兵器と兵士の質的向上や旧式兵器の更新を狙っている。これは何所の軍でもやっている事だが、先程の4つの国の軍ではRMA(軍事革命)と呼ばれる部隊のスリム化、それを補う為に全兵士への待遇・装備の質を情報技術などを使って向上させ失われた量を補う。情報技術を中心とする軍事革命だ。これは「兵士一人一人に高性能のパソコンを買い与えるようなもの」であり、予算は幾らあっても足りない
中国は最近になってRMAをし始めたが、米国ですら未だに達成できていないものをすぐに成し遂げるのは不可能だろう。それに加えて空母の事もある
すぐさま中国はソ連の様な脅威になりにくいのが現実だろう。しかし、先に備えておかなければ意味が無い
日本は可及的速やかに装備の更新を進める必要がある。既に東南アジアでは中国の空母に対抗する為に潜水艦の大量装備を決めている(東南アジア全体で現状の6隻から20年後には32隻に増加させる)オーストラリアはこれらの脅威にも対抗する必要があり、日本・米国もその必要があるだろう。対潜・対水上戦闘能力を強化する必要と中国軍の島嶼侵攻対処の為に空中機動(ヘリボーン)部隊を用意する必要がある。それを陸上から運用するのではなく、「ひゅうが」・「おおすみ」等から強襲揚陸艦的に運用する。空母艦隊に対抗する為にも沖縄の日米空軍力の強化(F-X・F-22配備等)・日本の海上戦力の更新(19DD)・海自の航空集団の更新(P-3C→P-1)など、強化すべきポイントは多くある
インドはその力が此方に向かないよう、常に管理下における様になっていなければならない。
(厳しい言い方かもしれないが、自国以外は基本的に「仮想敵国」として考えなければならない。同盟国であれ、その同盟が突如として効果を失った歴史があるからだ。それらと戦う為にも全ての軍(当然自衛隊も)は国家の上層部が和平を結ぶまで防衛戦略を練って戦う事を想定している。米軍は自衛隊と戦う事も想定もしてるし、自衛隊もそうだ)

さらにこの4ヶ国には同じ事で力を入れている。世界でも注目され、特に力が注がれている大量破壊兵器拡散防止と対テロ戦争だ
いずれの国も海に面しており、全ての国はそれは大洋である。そこを航行する不審船舶の捜査やアフガンのタリバンやイスラム原理武装組織の掃討への支援等も重視されているのである
この二つは、世界の安定を乱そうとする輩を強く罰すると言う姿勢を見せる事でそれを考える人間に対して警告を送り、行動へ移そうとするのを抑止させる。行動を起こしたとしても、安定が乱される前に排除し、世界の安定を維持する意味がある。これは重要な事だ
かつての日本政府のようにテロに対して屈したり、無政府状態となれば、そこは犯罪者・麻薬密売人・テロリストにとって絶好の隠れ場所・聖域になりうるし、今のアフガン・パキスタン国境周辺で燻ぶり続ける戦闘や無政府状態のソマリアの例を出すまでも無く暴れ放題・荒れ放題である。そこで一体何人の罪の無い人間が殺されると言うのだろうか。少なくとも、それは空爆による誤爆に比べて遥かに多いのは紛れも無い事実だ

イラクからそろそろ撤退を始める事となった米軍にとって、新たな敵は「退屈」となった。掃討作戦が相当減り、兵士達は暇を持て余している。散々騒がれていた戦争終結から数ヶ月の激しい時期から此処まで静かになってきたのは、穏健派の民衆を味方につけ、武装組織の一部さえも味方につけた事だろう。地域の人心を掌握する事こそが混乱・テロを未然に防ぐ事だ。イラクの警察軍や新生イラク軍は米国製兵器や戦術等を取り入れ、フセイン政権時とは比べ物にならない能力を得る事も出来た。その能力はテログループ等の制圧・掃討作戦で証明され、十分な治安維持が可能なレベルに達しているだろう。オバマ大統領も一安心だろう。これで無駄にかかっていた戦費の一因を無くす事が出来るからだ

さらにチェチェンからロシアが数万人程度撤退する事となった。チェチェン大統領に親ロシアの人間が就いた事や独立派武装勢力が、ロシア軍の作戦で壊滅した事も大きいだろう。両国はこの不況で圧迫されていた対テロ戦争の為の戦費を削る事にある程度成功したと言えるだろう。

国家間戦争では、多くの場合損耗を補う為に軍からの発注が増え武器・兵器・装備品の生産ラインが動く→軍事防衛関連企業は儲かる。だから「戦争は儲かる。ビジネスだ」とよく言われるのだが、損耗が少ない対テロ戦争では損耗補強は大きくなく、せいぜい個人装備程度しか生産ペースが上がらないのが現実だ(米国の場合、冷戦期に兵器を造り過ぎたと言うのもあるが)

しかし、アフガニスタン・タリバン掃討はイラクの様にはいっていない。彼らはパキスタンに聖域を得て、イスラマバードに100km程度まで近づく程だ。一応パキスタンは休戦協定を破棄、軍で追い返したものの根本的な撃滅は出来ていない。米国は無人機での越境攻撃などやアフガニスタン軍との共同歩兵部隊を国境の山岳部に派遣し、聖域から侵入してくるテロリストを「水際作戦」で何とかしている。しかし、米ア連合軍に多大な損耗が出ている事や、撃ち漏らしがあるのも事実だ

さらにソマリア沖では海賊が跳梁跋扈しており、つい最近ではヘリも比較的容易に撃ち落とすことが可能な23mm対空機関砲を海賊が入手したとの情報もある。海賊が商船を襲い、多額の身代金を得てウハウハやっているが、身代金を払う側である国・企業には大打撃だ。これは日本どころか、世界がダメージを受ける事であり。早急に駆逐し、今後も彼らが動けない様に周辺国や当事国の海上警察・海上軍事力を強化せねばならない。今後やるべき事は
・まずは海上での海賊の活動を著しく制限させる為に効果的に多国籍軍を展開させる(中国が出した国別海域警戒制なんてのはかなり良いと思う)
・やれる事ならば国連で承認を得た上で多国籍軍がソマリアの海賊の拠点に対し攻撃し、彼らを駆逐。その後強力な政権(この際傀儡政権でも構わない)を作り、早急に軍事・警察力を得させ、クーデター防止の為に軍人以外の人間がそれを治めさせる。さらにその後自立出来る様に経済・軍事的支援もしっかりとする
こういった素早く・即効性のある対応と長期的に効果の出る対応、その両方をせねば間違い無く全てが水泡に帰すであろう


ガザ地区での紛争では超兵器扱いにされた白燐発煙弾やクラスター爆弾の使用というデマ(第一最近のテロ戦争ではクラスター爆弾は使用されていない。敵の多くは地中に隠れている場合や市街地、陣地が多く、クラスター弾頭の意味が無いからだ)まで飛んだこの紛争だが、私はイスラエルの対応をある程度評価したい。イスラエル空軍はDIME・SDBと呼ばれる新型の小型・小破壊半径爆弾を使用したピンポイント爆撃で敵を潰し、陸軍をUAV・近接航空支援で援護した。ある意味日本の対ゲリコマ作戦に通じるものを感じる。SDBは250ポンドのGPS/INS誘導滑空兵器で、小型である為破壊力は小さくピンポイント攻撃に適している。DIMEは週間オブイェクトや私がネットで調べた程度の物では、タングステンを殺傷能力がある速度で非常に狭い範囲(2~3m)にばら撒くと言う兵器だ。何れも米国の最新鋭に当たる兵器である
つまり、イスラエルはガザ地区の人間を巻き込まない様にかなり考慮して作戦を行ったと言う事だろう。しかも、ガザ地区には隣国につながるトンネルまであり、そこからロケット弾などを補給していたそうだ。明らかにイスラエルに対しての敵意があったと言う事だ。攻撃を受けた以上、イスラエルには反撃する義務がある。それも、二度と反抗しない程度にしなければ繰り返すのは目に見えている事だ
先程述べた小型兵器は大量に航空機に搭載でき、CAS任務に回した航空機から何時でも都市地区でも構わず攻撃できる代物だ。陸自の市街地ゲリラ掃討支援に使える兵装であるのは確かだ
イラクでもM31等の単弾頭誘導ロケット弾が市街地での戦果を挙げている。敵を近接火器・兵器で足止め・釘付けにし、そこにM31を正確に打ち込む事で優れた費用対効果を発揮、兵士の犠牲を強いずに敵を殲滅できた。それに、先に展開すれば何よりも早く攻撃できるのも対市街地ゲリコマには魅力的だ

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軍事研究:番外編 F-22の撃墜

T-38タロンにKILLされるF-22Aラプター

問題の動画


はてさて、最新鋭機も格闘戦ではかなわない機体が確定してきたようだ

T-38とは、日本で言えばT-2高等練習機に当たる。

つまりは厳密に言えば「戦術戦闘機」ではないものの「作戦機」として数えられる練習機だ

この機体は発展型にいわゆる第3世代戦闘機・・・そう、F-4ファントムⅡと同世代のF-5という戦闘機がある

専門的な詳しい解説は以下のFIGHTING AIRCRAFTに任せる
No1



No2



まあ、所謂レーダーも持たない軽量戦闘機なのだが今回の第3世代機の第5世代機に対する勝利は「パイロットの腕前」と「運」、そして「機体構造」の三種が大きく関わっていた。と私は推測する

模擬演習の説明では、(退役前の)F-117ステルス戦闘機と編隊を組む形で米空軍T-38戦闘支援団の隊長が操縦をするT-38が演習空域内に侵入することでF-22との模擬空中演習が開始。その上で、最終的には戦闘機操縦経験に勝るT-38のパイロットがF-22を「撃墜」することに成功したとしている。

この事から「T-38の搭乗員はベテランで機体性能を熟知している」、「開始時の高度などは不明なれど、映像画面から見れば分かるとおり中速度・比較的低高度の状態で格闘戦が終わっている(KILLした)」、「F-22側は至近距離まで探知していなかった設定」、「T-38側の速度は旋回時の誘導抵抗で減速している=高G機動」と言う事が分かる

動画の最初の方では追いきれなかったが、途中で切り替わる頃に追いついた様だ。

纏めると
・「パイロットの腕前」は総合的にT-38側が上回っていた

・至近距離で交戦を開始出来たと言う「設定による」幸運があり、T-38側に攻撃できる機会があった

・T-38は速度エネルギーの関係で一度追いきれなかったが、エネルギーを取り戻して追い込み撃ち落した

と言う事だ

余談にはなるが音速を超えた最初の人間、チャックイエーガーが惚れ込んだ戦闘機はT-38から派生したF-5から派生したF-20(F-5G)タイガーシャークだ。

そしてF-22を撃墜したF/A-18E・F(EA-18Gの可能性あり)の原型YF-17(YF-17→F/A-18A・B・C・D→F/A-18E・F→EA-18G)もF-5(F-5X)の派生だ

つまり、単機でF-22を格闘戦で撃墜できる戦闘機はT-38の基本性能を踏襲してきた戦闘機とも言える。その際たる所は主翼構造だ

T-38から機体には直線翼に近い主翼が採用されている。これは後退角を小さくすれば旋回性能は向上し、特に低速域での運動性が大きく向上する。その為T-38やF-5、F/A-18等は低速域で高い性能を発揮できる

F-15は遷音速域、つまり音速程度(マッハ0.8~1.2)の高速では有利なデルタ翼に近い肩翼配置クリップトデルタ翼という主翼構造を採用しておりF-22もそれに近い。しかし、逆に低速域ではその格闘戦性能は落ちる。つまり、両者は性格を真逆とする戦闘機だったと言う事だ

こう言う場合は、片方が得意とする領域で戦闘を行なえばそちらの方に優位に働くのは言うまでも無い

いくらF-22がTVCで補おうにも機体は重戦闘機の重量であり、相手は小型軽量な為低速の俊敏性ではT-38の方に分があると推測される。そして、技量と言う点でT-38の得意とする低速域でのドックファイトとなったのだろう。これならばつじつまが合う

しかし、F-22は格闘戦闘機と言う訳ではない

F-22の本分は敵に気付かれず、優位な位置に回りこんで攻撃する事である。F-117という(恐らくはF-22のレーダーから見てF-117と重なる単縦陣の編隊だったのだろう)レーダーを欺ける盾の様な手段があったからこそ成功した撃墜例だと言えるだろう。言うなれば、F-22と言う「素早く動ける弓兵」にF-117と言うレーダー探知+AMRAAMの「矢」を防げ、身を隠せる「盾」があり、敵の懐に入って自身の得意とする格闘戦という「剣」での勝負に持ち込んだ、と言えば分かりやすいかもしれない。

勿論、実際の戦場でF-22が単機で飛んでいる訳が無い。AWACSや他の軍、僚機という支援が戦場には存在する。つまり、今回の撃墜事例は訓練でしか出来ない芸当だったと言えよう

なので、F-22が現行機最強である事は揺るがない事実だろう

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軍事研究第16回目:F-Xに関する事案§4 AH-X・UH-Xに関する事案

MHI川取締役常務執行役員・航空宇宙事業本部長「2011年度までにF-X予算確保切実に願う」

今後の戦闘機生産・運用に多大な支障も

さて、F-Xはさらに急を要する事案となってきた

MHI(三菱重工業)の川井昭陽取締役常務執行役員・航空宇宙事業本部長は2011年までにF-Xの予算確保、2012年度にはF-Xのノックダウン・ライセンス生産用の生産ラインを開いて戦闘機の生産を行ないたい意向を示した

何故2012年度にF-Xの生産が必要なのかと言うと、F-2の生産が大きく関わっている

F-2は2011年には完全に生産が終了しラインが閉じる。つまり、MHIが長年途絶えずに行なってきた戦闘機生産の技術継承と生産基盤の崩壊を意味する

さらに言えば、航空自衛隊の戦闘機運用に非常に大きな問題も出てくる

F-4EJ改の後継であり、調達予想機数は60~80機(1~2個飛行隊程度)

改めてF-X候補を挙げてみると

・ユーロファイター・タイフーン(トランシェ3初期型)

・F-15FX(F-15SEの兵装庫付きCFTの搭載改修か?)

・F/A-18E・F(Block2)

・F-2(能力向上型?)

以上だ。F-22Aラプターに関しては、生産ライン閉鎖がほぼ決定した為割愛させていただく(政治・外交面の努力があれば可能性は0ではないにせよ)

F-35はMHIにとっては最悪の選択肢だ。よって、あり得ない(仮に採用しても米空軍向けの機体を増産してもらい完全輸入機になる為。つまり、MHIの戦闘機生産ラインは稼動しない。「全プログラムをロッキード・マーティンがコントロールできることになれば、F-35を、ライセンス生産を含めて提案することが可能になる」としている、と言う事こそもっともMHIが望まない事だろう。あまりに制約が大きいしF-2の時の横槍で既にこう言った手合いに関しては無視するようになっているらしい)

第5世代機が消えた以上は、ベストよりベターの選択をしなければならない

尚、F-2に関しては以下のような証言もあるのでレーダーの面で低性能機とは一概には言えない(AESAレーダーはエネルギーを集中させる事で視界を犠牲にしつつレーダーの視程を伸ばす事が可能)

アメリカ第5空軍司令ワスコー中将は 「日本が設計したF-2に感動した、我々の(F-16)には無い幾つかの能力を持っている」

F-2はASM-1・2(今後はXASM-3も)を4発+2増槽携行して対艦攻撃任務が可能だ(ラファールも4発携行は可能だが、それ+2増槽は不可能)さらに多くが日本国内での製造の為に航空機産業への貢献が望める。加速力・上昇力はF/A-18E・Fや旧型F-15に勝っている

F-15FXはステルス性能が相当劣っている為、F-15SEの様なウェポンベイ付きCFT+レーダーブロッカー無しではただのF-15Eと大して変わらない(F-15シリーズの直線型のエアインテークはリフレクターの役割をしてしまい、結果的にRCSが増大する)ただし、ステーションNo.1とNo9に兵装を搭載できる点では他のF-15シリーズより有利だ。AMRAAMやAAM-5クラスで現状(8基)+4基分稼げる。これはF-15SEと同じ兵器搭載量だ

ユーロファイタータイフーンは改造等もBAEシステムズから有利な条件があり、今後の日本の航空産業への大きな貢献にもなり得る(恐らくはその内容を共有せねばならなくなるだろうが、干渉を受けないだけマシである)兵器搭載量、加速性能、格闘戦性能、兵装の多彩さは他の戦闘機に比べても問題は無い。レーダーやドイツ向けの機体に搭載されているPIRATE(受動式赤外線探知装置)にはIRST+FLIRと、F-2やF-15FX、F/A-18E・Fの様に専用ラックを介さずに全天候対地攻撃任務に付く事が可能であり、重心の僅かな狂いや、RCSのある程度の一定化を図れる。ただし、補給・整備で問題が出る可能性がある(NATO規格として統一されてはいるものの米国製航空機はインチ、欧州製航空機はセンチの規格だ)

F/A-18E・Fはオーストラリア向けのBlock2と同等程度の性能と見込まれている。アビオニスクの面では常に最新を行っているが、加速性能が非常に悪く、改造を施しにくい。ただし、格闘戦性能やエンジンの信頼性などは他の追従を許さない。(F-22をガンキル出来る位置に機体を持って行けるぐらいだ。F-15よりも相当高いと言えよう。艦載機である為、エンジン一基停止しても飛行に大きな支障は無いとされる。さらにどんな迎え角〔AOA〕でも確実に動作する上に反応も良い)

第4.5世代戦闘機は第5世代戦闘機とはステルス性の大小でしか大して変わらない。アビオニスクはほぼ同等程度、加速・巡航速度もほぼ同等程度になりつつあり、ウェポンベイはずっと前からある(こう言うのも変かもしれないが、WW2時の爆撃機や旧軍の急降下爆撃機・彗星や米海軍の急降下爆撃機・ヘルダイバー等もウェポンベイを持っていると言えよう)TVC(推力偏向技術)やJHMCSの様な物に代表されるHMDの研究が相当進んでいる

逆にステルス機に多様される電波吸収剤(RAM)には電波を吸収する代わりに熱を放出すると言う弱点もある(赤外線探知装置に映りやすいとも言える)

日本の航空産業の将来を考えればMHI主契約でのライセンス生産が最も良い。だから、ライセンス生産に拘る必要がある

しかし、ライセンス生産だけを考えて戦闘機の性能が低ければ意味が無い。さらに高い稼働率も維持せねばならないだろうし、全体的な値段も考慮しなければならない。さらに改造を施すのであれば、さらに徹底された情報管理も必要だろう

こういった難しい問題をどうするか。売り込みをかける各社・空幕・防衛省・航空産業各社(MHI・KHI・IHI等)の駆け引きは今後も目を離せない情勢下にある

次はAH-X(次期戦闘ヘリコプター選定)及びUH-X(次期多目的ヘリコプター選定)に関する事案だ

日本の航空用語で回転翼機と呼ばれるヘリコプターは現在陸上自衛隊においてOH-6D、UH-1J、UH-60JA、AH-1S、CH-47J/JA、AH-64Dの7機種が運用されている。生産停止になって影響によってAH-64Dで補えなかったAH-1S(国際的にはAH-1F仕様)後継が新AH-X、UH-1J(UH-1Bの改修型)の後継がUH-Xだ

新たなAH-1S後継機(AH-X)の候補機については、現在はまだ防衛省は正式な候補機を挙げていない。だが、現在までにAH-1Z バイパー、AH-64D、OH-1の重武装型、ティーガーなどが有力候補としてマスコミ(専門雑誌等々)などで報じられている

UH-1J後継機(UH-X)の候補機はOH-1改造機のほか、ベル 412(UH-1をエンジン強化・4ローター化したもの)とアグスタウェストランドのAW139とされ、富士はOH-1多用途ヘリが採用されなかった場合に、ベル 412をライセンス生産する

UH-1より発注・生産機数が少なく、ユニットコスト(兵器一個あたりにかかる生産コスト、ライセンス費などは除外され、単一年度で大量に生産すると、一個当たりの設備投資額が減る為、ユニットコストが下がる)がUH-1より高いOH-1(25億円)だが、AH-1(約30億円)に比べれば安いとも言える。AH-64に対しては言わずもなが、であろう

前回のAH-Xでは、OH-1のエンジン出力の問題からAH-64DとAH-1Zの一騎打ちと言える状態になったが、そのAH-64Dの生産が止まった為10機程度で生産停止した(しかも予定の60機分のライセンス料の違約金のため超が付くほどの高額となった。その額は一機当たり75億円が一機当たり約216億円、F-15導入金額で約2機分に当たる)その為、AH-1の後継が必要となったのである

今回のAH-XではTRDI(技術研究本部)等でのエンジン出力向上の研究が進んでおり十分間に合うとの見通しらしい。(TS1-10ターボシャフト・エンジンは、出力885shpを1,300shpへ引上げる。またローターハブやトランスミッションも改良され、ローターブレードの防錆処理が強化され、操縦系統が改善される)

私はOH-1のファミリー化が最適と考える

同一機種の派生なので生産コスト・整備性・運用時の柔軟性等が向上し、尚且つ純国産であり、AH-64D採用時の失敗が起きる可能性は激減する。さらに「用途が似たヘリの運用を統一し、機種の削減を図る」と言う点でも有利だ。しかし、デメリットもある

エンジン出力は異なるが、エンジンの構造はほぼ同一なのでエンジンに問題があれば全機が飛行停止になる可能性があるのだ。今の所OH-1では大した事故や欠陥は見つかっていない(米国製回転翼機以外で唯一優秀なヘリコプター開発者に贈られるアメリカの権威的な「ハワード・ヒューズ賞」を受賞した機体でもある)

UH-XのOH-1改造案であがっている機体構造はタンデム(縦列)複座の現状の機体を大型化してキャビン(客室ではなく、兵員室)を備えさせる。エンジン出力を向上させる事で大型化による重量増加に対応する(ロシア製戦闘回転翼機Mi-24ハインドシリーズを思い浮かべられるとイメージしやすい)

AH-XのOH-1改造案は機体構造はタンデム複座のまま、スタブウィングを大型化・強度を上げ、ハードポイントを増やす事で、重武装化させる(機種にターレット式の大口径機関砲装備の可能性もあり)その為機体規模が多少大型・重防御化することが予想される。それに対応する為にエンジン出力を増大させる。搭載兵装は
・ハイドラ70inロケットランチャー

・SAM-2(91式携帯地対空誘導弾の空対空バージョン、赤外線・可視光誘導方式。射程5000m)

・MPMS(96式多目的誘導弾、世界で始めて光ファイバーによる有線誘導対戦車ミサイルとして実用化したミサイル、射程は10km以上。遮蔽物の向こう側から発射可能)

・中距離多目的誘導弾(赤外線画像及びレーザーセミアクティブ誘導方式。中距離対戦車・対舟艇・対建物ミサイル、ファイアアンドフォアゲット:撃ちっ放し能力・LOAL:発射後ロックオン機能を持つとされる)
が予想される

戦闘ヘリコプターは対機甲師団・敵拠点攻撃等への地形を利用した奇襲攻撃による正面戦闘(日本においては、山岳部・市街地・森林など、遮蔽物が多い為、奇襲しやすいとも言える)から、地上部隊による・対歩兵師団・その残党・ゲリラ・コマンド部隊の掃討支援などを行なえる

前者ではミサイル類の誘導攻撃火器が威力を発揮し、後者ではロケット・機関砲による近接面制圧火器が威力を発揮する。戦闘ヘリコプターは現状の日本の本土防衛に適した兵器であると言えよう。

さらに海上自衛隊の最新鋭DDH(ヘリコプター搭載護衛艦)の「ひゅうが」や大型輸送艦「おおすみ」型などに搭載して、島嶼防衛・逆襲部隊として展開する事も出来る。AH-64Dと同等と言う性能には行かないと思われるので、最低でも60~70機以上のOH-1の戦闘型、必要数とされるOH-1の多用途型120機程度、単純計算でOH-1改造機計180機以上生産が見込まれると予想できる

もし、国産案のまま進めるのであれば、日本のヘリコプター産業への影響も大きい筈だ

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第10.5話:旧敵

ソロ島 スクラップヤード内の飛行場 11月8日 01:00
キイイイイイイイイ・・・・キュッ・・・
誰からも見られず、島全体が飽和状態となった為に廃棄された航空機の墓場、それが・・・この島。そこに、まだ若きF-4Eスーパー改Ⅱが降り立つ。人の気配はある。それは、オーシア軍の管理人やこの様な場所を好みとする海賊やマフィア等の荒くれ者ではなく、ノースポイントの正規軍人だ。此処に駐留しているのはノースポイント航空自衛軍第501偵察飛行隊のRF-14戦闘偵察機とその搭乗員と整備員、そしてその消耗品などの部品や食料を運ぶAIP搭載潜水艦から乗り込んで来た警備の陸上自衛軍のレンジャー小隊や海上自衛軍の潜水艦のクルーたちだ。この基地は火山性の島の中にあるのでレーダーからは映りにくく、航空機の飛行ルートからは外される。衛星すら上を通らず、衛星携帯電話や、電気・ガスも無い。普通の有線電話等すら通じない世界から隔離された島。刹那は機体をタキシングさせながらふと思った
(相変わらず、寂れた所だ)
真水は出るが、こんな所に立ち寄るのは海賊かスクラップヤードの航空機の部品を盗って売りに来る連中、そしてマフィアの裏取引所としてでしか賑わうことは無い。そこに目をつけ、周辺の海底に低周波アクティブソナー・パッシブソナーを設置し、赤外線・サーモグラフィを用いた監視カメラと対空用の赤外線探査装置で島とその上空・海上・海中全体を監視。ありとあらゆる無関係の人間の接近を排除し、完全に世界から隔離させる事でノースポイントは自国軍の展開を隠す事に成功した。それを手引きしたのは刹那だ
ヒイイイイイイィィィィィン・・・・
「お疲れ様です、刹那二佐」

お迎えご苦労。カーウィン島のベルカ騎士団は上手くやっている、状況は悪くない。・・・ゼネラルの連中がブリックスのファルケンの奪取に乗り気だそうだ。カーウィンの連中にやらせるらしい。上手く情報をリークできたようだな、一尉

「はい、所詮は企業ですからね。連中はオーシア軍から一大ビジネスを潰されて、それの埋め合わせに躍起になっていますからね、まるで餌を与えられた犬です」
刹那は機体から降りた所で待っていたノースポイント防諜部の情報官の一等陸尉と話し始める。ゼネラルリソースはオーシア軍がユーク軍の追撃作戦中に灰色の男たちの手によって発生した「ユークトバニア国立第七工科大学襲撃事件」の最中に下水プラントを破壊された。当然刹那とノースポイント軍はその光景をカメラに収める様に指示して、第501飛行隊を極秘裏に派遣した。灰色とブリックスの戦闘機が工科大学とその周辺を攻撃する映像と、ベルカ騎士団と彼らが交戦しブリックスの新鋭機、「ファルケン」が撃墜され、逃げ帰る所を抑える事に成功した。しかも、その事実に誰も気付いていないし、灰色の男達が使用している飛行場上空まで空中給油してまで追跡し、「灰色の男たち」が使用する飛行場の位置も把握させた(灰色の男たちとブリックスが使用している飛行場は複数ある)
「この情報もいつかは役立つでしょうね。ところで途中で寄り道をされたのですか?随分と遅かったですが」

まあ、な。ちょっとした「地雷」の設置さ。強大な企業や個人が世界をコントロール出来る程に肥大化したら、作動する地雷だ。何年後に作動するか分からない代物だが、その時が来れば確実に作動し、それらの力を格段に落とせる。その後は普通の陸上戦術と一緒だ。・・・・私を「100%裏切らない駒」が連中が動けなくなった所を「雑草すら残らない程度」に叩いて、「永久に」一切の抵抗力を消す。それの資金集めとか、準備とかに奔走されるよ、まったく・・・。ところで、ユーク軍による都市への同時多発報復攻撃と、それへのオーシア軍の連鎖的報復攻撃の場所"も"押さえたか?

刹那はいつもと変わらない調子で情報官に聞く
「勿論です、二佐。協力者のお陰で連中の行動は筒抜けですからね。10~20年後位に役に立つような代物ですが・・・灰色とブリックスを叩いた後に再起不能にさせるには十分な証拠は集まっていると思いますが?」

否、まだ足りない。連中はその程度では足りない。奴らは15年耐えた。その証拠の意味が薄れる30年くらい耐える事など、容易な事だ。奴らは表の世界・裏の世界に出来た「癌細胞」だ。物理的にも叩き潰し、30年後も有用な証拠を取り、30年後それらを掻い潜ってまた奴らが息を吹き返してきたら、その時に散々他と叩き合って弱体化した後に誰一人残さず、一族郎党もあの世へ送る。証拠が足りなければそれより早く連中は息を吹き返す。しかし、私には長い準備期間が必要だ。だからこそ徹底して連中の息遣い一つ抑えて洩らすな。・・・・私がこの肉体を消す時は連中が滅ぶまで。それまでは諸君らにはついて来て貰わねばならない



「フフ・・・まさに人生をかけた「トラップ」ですね。我々はあなたに我が国の体面を守り、侵略者から守ったと言う大きな借りがある。あなたが死ぬまで、我が国はついていきますよ。途中で裏切る可能性は"あるにはあります"が」

裏切っても構わないさ。そのトラップは私が死んでからしか作動しない、それに今死亡して、準備不足のまま「その時」が来て、作動してもその効果はかなりある。・・・・だが、出来れば完璧の状態で仕上げたいものだ。中途半端だと意味を成さない。世界は統率された国家の軍事力・外交力・経済力よる統治以外は「危険すぎる」。そんな事はさせる訳にはいかぬ

刹那は苦笑いしながら、彼の言葉に答えた。刹那はまるで預言者の様に、企業が大きくなる事を見込んでいた。そう・・・・数十年後、国家という枠組みが、軍事力を有する多国籍企業の台頭によって意味を成さなくなる事を予見し、今は策を練っている真っ最中だ

彼はクローン人間になる過程で外見上の年齢を誤魔化す為に「成長加速」と言う細胞培養技術を使っており、ある設定年数までは「培養終了時の肉体を維持できる」が、その年数を超えてしまえば「急速に肉体は衰える」と言う副作用を持つ。刹那はそれを20年と設定した。クローンとして生まれてから既に15年が経っている上に、今回の件でクローンプラントをノースポイントに渡さねばならなくなり、自分の手から離さなければならなくなった。その為、その時が来ても戦う事は無理に近い。「いずれこうなるだろう」と予想していた彼は、決して「老い」も「死」もない場所で戦えば良い、と考えていた。

そこは人類が体験した限りなく熱戦に近い冷戦が終わった直後に世界に普及し、今も、そして未来も人類にとってなくてはならない「現実空間には存在しない空間」・・・彼はそこに「誰も逆らえない」、「誰も気付かない」、「全てを永久に支配し続ける」絶対的な「駒」を置く事で、肉体が死んだとしても刹那の意思で人類がそのシステムを「完全に捨てる」まで世界を手中に収め続ける事を目論んでいる。その空間の名は

electrosphere


彼は、もはや人ではなかった。人に倒されるべき「化け物」となって戦い続ける事で、その空間に仕掛けている巨大な、あまりにも巨大なトラップから人々の目線を背けさせていた。彼の本当の目的は「国家と言う名の組織による統治」。だが、これまでの国家と違うのは、その規模だった。彼が作ろうとしているのは自分が作り出したAIが考え、ベストより安全策のベターの道へと進ませる「誰の意思にも拠らない統治」で、さらに「決して崩れさせない」と言う不可能に近い政府を作る事だ。それを喩えるべき名称は

世界政府


軍事研究第15回目:シビリアンコントロールに関する事案

田母神元空幕長の出した論文が問題になったのはちょっと前くらいだ。その際「シビリアンコントロールの無視」と酷評された。果たしてその通りか?シビリアンコントロールを理解しているのか?と問いたくなるのである

空幕長としてあの様な論文を出したのは「自衛官(軍人)として」は非常に良くなかったと私は思う

何故なら軍隊(自衛隊)は「国家の暴力装置」以外の何者でもない。軍隊とは国家の武器である

シビリアンコントロールはHELLSING風に言えば

「銃は私(軍隊)が構えよう、AMMO(弾丸=軍事力)をマガジン(弾倉=戦争準備)に入れ、セーフティー(安全装置=攻撃態勢)も私が外そう。だが、殺す(撃つ=戦争を始める)のはお前(民衆が選んだ政治家)の殺意(国家の総意)だ」


と言う事だ。軍隊は「国家の走狗」に過ぎない。首輪(文民が軍人を抑えておく事)さえ確りしておけば、暴走する事も無いのだ

前の大戦において、大日本帝国は軍人が「政治」を握ってしまったからこそああなった。(満州事変なんかも政治が止められるほど力が無く、結局軍に掌握された。因みに太平洋戦争は日中戦争での打開の為に開かれた戦争でもある。日本はアメリカに逆らわねば、いつかは名実共に植民地化されていたかもしれない)

つまり飼い主も居ない、強力な「狼」となったのだ

それを反省として「自衛隊」として軍を再編し強固な首輪(シビリアンコントロール)をかける事にしたのが現状に至っている

しかし、シビリアンコントロールとは「軍人は政治を知り、文民は軍事を知らなければ決して成り立たない」モノである。

その点では過去の反省をまったくと言って良いほど生かしきれてない

勿論だが「軍事は政治に従属する」という考え方は正しい。何故かといえば、外交・政治目的を実現する手段のひとつとして軍事力の行使(戦争行動)がある。国家間戦争は「両国の外交や政治の行く末の中での選択肢」に過ぎない(人道や経済面はおいといて)


例えばアメリカでは、大統領(最高指揮官)を軍事的な面で補佐する統合参謀本部議長というポストがある

しかし、日本の統合幕僚長は「防衛大臣」を補佐するのであって、最高指揮官を補佐しているのではない

つまり防衛大臣や総理大臣が軍事に疎ければ、軍事力の行使という政治・外交面での政策において自分で勝手に解釈して曲解させられる可能性が高い

各幕僚長が

「弾道ミサイル迎撃は難しいかもしれない」(訳:出来ない事は無いけど、まだ完璧な実働体制じゃないのが多いから難しいかもしれない)

と言っていたのを聞いたであろう政府高官が

「ピストルの弾をパーンと撃ってピストルの弾に当てるのは難しい。MDなんて当たるわけが無い」(訳:MDなんて100%当たらないだろ)

と無責任発言するほど軍事音痴だ。これまでの米軍と自衛隊がやって来た試験内容にまったく目を通していないばかりか、どれ程技術的に難しいかすらまったく理解していない。(銃弾を銃弾で落とす方がはるかに楽だ。言うなれば発砲された「銃弾」に弓から放った「矢」を当てるような物なのだから)第一そんな事を言うならば予算を正面装備に回せと言いたい

さらにソマリア海族事案への陸・海・空自衛隊派遣や給油活動・PKO等、自衛隊は政治家達にとって「魔法の杖」の様な扱われ方をされて来た

これで自衛隊高級将官に「不満を持つな」なんて言うのは論外である。海外派遣任務が正規任務に格上げされたならば、予算・人員を増やしたりして、一人当たりの労力を減らす等の見返りをあげるのが妥当だろう

現実は、自衛隊にとって苦しくなる一方だ。彼等は「日本国を護り」ながら「政治家の言う事は絶対だ、我が党(与党)の為に頑張ってくれ給え」と言われながら、予算は削り、人員を削減して、「此処まで税金の節約が出来ました!」と国民に言い散らかしているのだ。非常に困ったモノである

自衛隊は呪文を唱えれば何でも出来る「魔法の杖」ではなく、欧米から見れば給与の少ない国家公務員の一つだ(欧米と日本の国家公務員の実働時間数と給与の比率は日本の公務員の給与が少ない)さらに、その任務の性質上、警察・消防は「国民」の為に、外交官・自衛隊は万が一の時は「日本国」の為に命を投げ出す事が要求されるハイリスクな職業でもある。しかも、未だに一部の人間には叩かれ続けている

で、それに見合った恩恵はあるか?と言えば、限り無くNOに近い

もし、今後もこの様な事態が続くのであれば、「田母神クーデター」は繰り返されるだろう

因みに田母神氏は現在「執筆」と言う強力なウェポンを持って、他の著名な元自衛隊高級将官らととも友好を深め民間人としても大きな力を持っている。

私は田母神氏以下著名な元高級階級の自衛官達には、「自衛官」という足枷が外れたのだから、どんどん「自衛官」としての目線から見た国益に適ったモノに関する発言をして頂きたい

最後に、シビリアンコントロール:文民統制とは最終的に「国民」に責任が降りかかる。何故なら、国会議員は当然だが、総理大臣はその国家議員から選ばれている。そして総理大臣が国務大臣を選んでいるのだ。つまり、最終的責任は全て「国民」に降りかかると言っても過言ではない。

もし、選挙で国家の事を本当に思うならば、本当にこれで良いのか?本当に自分達にとってのプラスになるのか?と考え抜いた上で投票して頂きたい。日本国民あっての日本国であり、日本国あっての日本国民だ。国民にプラスになるのであれば多くは国益に適っている筈である

当ブログ「SS」及び「防衛研究」には著作権があり、無許可転用を禁ずる

 

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