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軍事研究第11回:弾道ミサイル防衛(MD)に関する事案

はっきり言って、これに関して新たに言うのは面倒なのでこの回は日米同盟にしようと思っていたが、北が自称「ロケット」を上げようとしているのでそちらの方に行ってみようと思った次第であります。では行ってみよう

マスコミで最近大きく取り上げられるようになった北の問題、これに関しては何も言うまい。いまさら説明するのも個人的にだるいからだ(オイ

海上自衛隊の皆さんは本当に勤勉でおられます。人数も艦艇も限られているにも拘らず、ソマリア行く、インド洋給油も続けている、さらにMDとまで来ました。本当に現場の自衛官が過労死されるのではないか・・・と正直不安に思っております。本当にお疲れ様であります(空自の皆様も被災救援活動やスクランブル任務、そしてSAR等・・・お疲れ様であります。陸自の皆様も多任務に適応するための日々の訓練は大変でしょう。お疲れ様であります。これからも国を護る為に頑張って下さい。微力ながら応援しております)

日本版BMDは第8回で説明したとおり、二段階に分けて迎撃する。そして日本のMDシステムは北朝鮮の準中距離弾道ミサイルへの対処が主眼で、長距離弾道ミサイルや衛星打ち上げロケットが正常に飛行した際は迎撃能力はない。そもそも日本に飛来しない(どうやって北から長距離弾道弾を当てる?距離が足りないのだ)。で、肝心の命中精度はマスコミは挙って「よろしくない」「実験を鵜呑み出来ない」と言っている

まずはSM-3だ。現行はBlockⅠA

これは先の「ちょうかい」の実験失敗から見て取れる原因ですが

映像



・発射時刻は未判明(方位は判明している)

・捕捉・用意・発射までは順調

・しかし、終末誘導のフォーカル・プレーン素子を持つ、長波長、画像赤外線センサーが命中数秒前に標的をロスト

で、失敗している。最後の事から想像出来るのは以下の点

・センサーの故障だった
 ・クールボトル及び冷却配管(シーカー冷却装置)の破損による赤外線輝度分解能の低下
 ・素子配線の切断もしくはIVアンプ(電荷-電圧変換器)の故障

・センサーの探知圏外だった
 ・中間誘導の誤差が大き過ぎた(終末誘導切り替え時に目標を捕らえられるところに居なかった。もしくはそれが探知範囲内ギリギリだった)
 ・発射タイミングが早すぎ若しくは遅すぎて、迎撃弾体のシーカー探知外に標的が居た
 ・終末誘導に切り替わった標的と迎撃弾体の相対位置があまりにも近すぎた(近すぎて標的がシーカーの探知外に居た。若しくは探知範囲内ギリギリだった)

・駆動系統に問題があった(目標を追えず、ロスト)

スペック上、300km先から弾道弾を捕捉出来るが、冷却装置や配線等の問題からそれを発揮するには多少の疑問符が残る。だが、その探査距離は長大なのは確かだ。当然だが、ちゃんとした距離で終末誘導に切り替えれば標的を仕留める確率は格段に上がる(収束系の誘導の為最適な相対位置が存在する)

映像から見るとしっかりと発射までのカウントダウンをしているので発射タイミングの問題は無いだろう(これがされていない=弾道計算及び迎撃計算まで出来ていない事になる。それが無いと言う事はAN/SPY-1レーダーがターゲットを捉えていて、しっかり用意できていた事を意味する)

それから考えれば、まずは発射タイミングの早すぎ・遅すぎは除外される

弾着数秒前ロストとあるが、命中約30秒前に第2段目から弾体が切り離され、赤外線センサーが目標を捕捉すると、以後は自律して、SDACS(Solid Divert and Attitude Control System:固体推進剤軌道変更、姿勢制御装置)により目標に向かう事から、SM-3はそれまで目標を捕らえていたということだ(少なくとも10秒近くは)

と言う事は、近すぎた・中間誘導誤差が大き過ぎたと言うのも可能性から言うと低いだろう(100%ではないが)

残るは駆動系に異常か、シーカーに異常があるかの二択。もしくは複合して起きた可能性もある。どちらにしても現状で改善はし難いだろう。何故ならこれまでの実験で約8割が成功している事からこの「弾体」が単なる「不良品」だったも可能性が高いからだ。(一概には言えない。だが弾体に搭載されていたかもしれないカメラによる画像さえあれば一発で分かる筈だ。しかし、公表されていない所を見ると搭載されていなかった可能性がある)

SM-3BlockⅠA自体試験品のようなミサイルでもある。

今後はBlockⅠB(2波長赤外線により目標識別能力を向上・SDACSを推力可変型に換装する事より軌道変更範囲を拡大)で完全に技術確証させ

更なる実戦向けにBlockⅡ(2・3段目ロケット・モーターの直径を53cmに拡大、終末速度を向上し迎撃範囲を広げる・他のセンサーからのデータで交戦可能とする)を開発・試作している最中だ、

その派生にBlockⅡA(大口径化により識別能力向上・ロケット・モーターの改良により更に速度向上・弾頭も大型化し破壊力向上)が鋭意研究試作中だ

さらにその派生にBlockⅡB(多弾頭型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を迎撃することを目指して自らも多弾頭化する)を日米共同で開発する事が合意された

このBlockⅠAを搭載したイージスシステム搭載艦艇が自衛隊は2隻「こんごう」と「ちょうかい」、米海軍横須賀基地の「ジョン・S・マケイン」と、ハワイの真珠湾を拠点とする「チェフィー」が日本海に展開し、捕捉追尾用のイージスシステム搭載艦が太平洋にも多数配備・展開されている。もし衛星・ブースターが予想地点から外れて落ちてくるor発射後の高度が低ければ迎撃するだろう

(SM-3BlockⅡ以降なら正常に飛んだとしても迎撃は可能だが、現在のBlockⅠAは対準中距離弾道ミサイル・短距離弾道ミサイル用だ)

次にPAC-3ペトリオット対空ミサイルだ。

これは航空機用PAC-2ミサイルをさらに最終突入フェイズで対弾道弾に対応しやすくしたペトリオットシリーズの最新タイプだ(大気圏外用のSM-3とは違い一応航空機にも対応できる)

目標が正常時の落下軌道を取れば、射程半径は20km、垂直落下ならそれは縮まるだろう

これは首都圏及び東北地方に臨時展開された。展開部隊は以下の通りだ。マスコミに公表する=防衛省はそれほど緊張していないのだろう。あくまで本命はSM-3の方だと言う意味合いにも取れるし、米海軍も慌てている様子無しとなれば成功させて「じゃ、安保理に抗議案出すからwあ、後下手な真似したらどうなっても知らないよw」と言う事なのだろうか。落ちてきても丁度良い「実戦」となる
東北地域
 秋田県男鹿市男鹿中滝川・加茂分屯基地:高射教導隊第1教導隊
 秋田県秋田市・新屋演習場:高射教導隊第2教導隊
 岩手県八幡平市・滝沢村・岩手山演習場:高射教導隊第2教導隊
 秋田県秋田市・秋田駐屯地:高射教導隊整備隊
 岩手県滝沢村岩手駐屯地:高射教導隊整備隊
首都圏
 入間基地:第1高射群指揮所運用隊
 朝霞駐屯地:第1高射群(1個)高射隊
 習志野演習場:第1高射群(2個)高射隊
 市ヶ谷駐屯地:第1高射群(1個)高射隊習志野演習場からのリモートランチ(遠隔発射)
以上だが、首都圏部隊にも整備隊はつくだろうと予想される

演習場・駐屯地が選ばれた原因はまずは警備・次に土地の借用費が掛からないからだろう(防衛出動時を除けば、自衛隊敷地外を使用する場合は借用して展開せねばならない)

一度地上配備型のFPS-3改(もしくは試験中のFPS-5)に捕捉・追尾されると府中基地等のJADGE (Japan Aerospace Defense Ground Environment)システムによって全航空自衛隊の管制システムに下令出来るだけではなく、今後は米軍(BMD統合任務部隊の指揮所となるCOCは、在日米軍との共同統合運用調整所と一体化するのでJADGEシステムの管制データも回される)とデータリンクする事が可能となる(じきに否応無しに米国に向かう弾道弾の迎撃に手を貸す事になる。同盟国としては当然だが集団的自衛権という憲法上の問題が発生するかもしれない)

しかし、こちらは命中精度とは別問題だ。射程が短く、対処時間も少なく、その想定ケースは最悪の状況を意味する。下手をすると迎撃しない方が被害軽減につながる可能性さえあるのだ

まず想定できるケースは1つ、そして迎撃中・後に想定できるケースは2つだ

目標の二段目のロケット(一段目が秋田沖に墜落する=一段目は正常だろうと・異常があろうと日本海の公海に墜落するのだ)が日本海の日本の近辺の大気圏内で異常が発生した場合だ。

この場合東北地方以外にも危険が生じる。

当然異常発生→墜落していく・・・この時点ではSM-3は攻撃可能だ。「偶然の不良品」で失敗した場合、PAC-3しかないが、重力で加速している上に比較的低空で迎撃する為に破片が出るのだ。問題はその位置だろう。

墜落予想地点に市街地があれば当然迎撃するが、PAC-3の破片も降ってくることになる。

しかし、命中すれば水平方向への運動エネルギーを減らすので市街地への直撃は免れるかもしれない。

だが、ロケットの墜落地点には何も無くとも、その手前に市街地があると迎撃は逆効果だ。そのまま市街地以外に落としたほうが破片による被害は減るだろう

そして、迎撃失敗の場合はその墜落地点に燃え残りの燃料や衛星本体・ブースターが降ることになる。

そうでなくとも、大気圏内で異常が発生すればコース予想は非常に難しいものになる。東北地方以外に被害を被る可能性が相当あるのだ。つまり、迎撃出来ない地点にロケットが墜落する可能性があり、迎撃失敗と同等以上の被害が出る(PAC-3展開の効果は薄いと見るべきだろう)

野球で例えるなら絶対にド直球のストレートを投げると宣言しておきながら、「失投」で誰にも全く予想のつかない変化をするナックルボールを投げるようなものだ(有り得ないが、状況的にはそういうこと)

最後に問題が新たに出る。自衛隊も北朝鮮がやったように迎撃範囲内にノータムを設定せねばならない

ノータム(NOTAM)とは、航空路や特定の地域での危険要因の存在を操縦士に警告する情報で、ミサイル発射時に飛行中の航空機に当たらないように情報を出した上で警告するものだ。当然、自衛隊は演習等でノータムは出しているので問題は無いだろうと推測される(中間誘導中に誤射するor割り込みするとは思えないが、常識的に通告するだろう)

さらに立ち入り禁止区域も設けなければならない。PAC-3の発射ブラストもかなり強烈なの一応の安全距離を設けるべきだろう(と言っても、演習場ならそれを設けなくとも演習場に作業・警備要員以外誰も入れなければ良いだけだ。これは市街地での運用時ぐらいで良いだろう)

そしてPAC-3の後継は日本が一度は共同開発を持ちかけられたMEADS(Medium Extended Air Defense System:米・独・伊の共同開発)だが、これは日本は蹴って、SAM-4(03式中距離地対空誘導弾)を開発した。ペトリオットに酷似しているが、これは射程を除いて全てペトリオットを上回っているとの話があり、今後のSAM-4の発展型に期待したいものである
詳しくはMissiles & Arms 国産ミサイルよもやま話(地対空ミサイル編)を参照していただきたい

そして最後にMDの為に自衛隊の予算がMDにかなり割かれている事を忘れないで頂きたい。人件費が5割近くを占めていて、装備の更新が精一杯なのに割かれると言うなんとも現場が涙目な結果になっている。

迎撃出来ない・出来る訳がないと政治家が言うならば、「最初からMDを導入せずに敵基地攻撃能力を持たせたほうが如何に費用対効果が優れる事すら考えられないのか、政治家共!実行力として、抑止力として国を護ってくれている現場に土下座しやがれ!」とツッコミたいのである。

しかし、実戦的試験でも成功裏で収まり、失敗する原因もさほど大きい物では無さそうなのはMDが無駄ではなかったと言う事に他ならない。もし今回、「ロケット発射ポシャった→迎撃成功」ならばMDはさらに推進力を増すだろう。そうでなくとも、今後の事を考えれば核兵器を持たない(持てない)日本はMD+敵基地攻撃能力(研究中)以外の抑止効果が望める物は存在しないのだ

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第9話:行動へ

オーシア サンド島より北東15nm高空 10月4日 01:00
(アークバードには爆薬を設置した、後は・・・連中の驚く顔を見ていれば良いか)
刹那は酸素マスクを直しながら思っていた。殆ど休む間も無くパセット宇宙センターから秘匿飛行場へと移動して愛機に乗り込み友軍と連携しつつ、ユーク軍とオーシア軍の行動を監視せねばならない。いつもであれば衛星で一発だが、今は全ての戦力を別の所に回していて、自分の衛星(と言ってもアークバードに収容された衛星を再利用しているだけなのだが)も引っ張りだこ状態だ。頼れるものは自分の目しかない。
(しかし・・・機体を飛ばすだけでも時間がかかるものなんだな。やれやれ、どれ程権力が偉大なのかが良く分かるよ。まったく・・・)
刹那が今乗っている機体を飛ばし、ここまで来るのに4時間ほどかかった。いつも通りであれば自分の軍事力を背景に各国から空軍機としての認識番号を得て通行許可証として使うのだが、今はECMで感づかれないよう飛行している。彼としては"面倒な事"をやらなければならない。さっきから慣熟訓練らしいサンド島機の離陸を数度確認している。
(そろそろ怪しまれるかもな。一応偽装はしてあるが・・・)
偵察には流石に基地に近付き過ぎてるのかもしれない。まあ、いざと言うときには逃げるから問題ないのだが
(・・・!)

JNSDF・SOCOMより入電 [シューティングスター]No.12がユークトバニア第4軍の上陸艦隊出撃を確認、JNASDF偵察機[ブーメラン4]が戦力調査開始 順次情報更新中

(ユーク軍が動いたか・・・ナスターシャ少佐の掌握率は低いと見るべきか)
刹那はコンソールを叩いてマスターアームを外す、と同時に降下を開始しサンド島の西側海域に戦術偵察用のブイを投下しに向かう。
(見つけないでくれよ、月光が反射しなければいいんだが)
上空にはF-14A2機とF-5E4機が飛行している。サンド島の新人部隊だろう。その他にもラファールやF-16CJ、F-16XL、F-14Dなどが駐機しているのを確認している。迎撃体制は整いつつあった。ただし、サンド島には空軍守備隊しか居らず大した兵力や装備もない。上陸されれば、まず保たないだろう
(・・・まだ此処が陥落するには早すぎる。そうなれば、灰色の思う通りになる。だが、何も出来ぬとは歯がゆい限りだ)
灰色の目的が混乱の創造ならば、オーシアの方で混乱を起こした方が奴等なりに良いのだろう。何と言っても、ベルカを滅ぼした勢力は「鬼神」等の「傭兵」部隊などではない。それを行なったのは「超大国」なのだから。正直な所・・・刹那は国も抗争も企業もどうだって良かった。

「ただ戦いたい。殺したい」

(何時からだろうか、こう思う様になったのは・・・・「ただ戦いたい」が為に・・・第三者の利益に首を突っ込む私は愚か者なのか?まったく・・・・)
クローンじゃなかった頃から・・・そう、物心ついた頃から、血の臭いの真ん中に立っていて、誰もが自分を避けていく。ついて来るのは同じ傷を持つ奴だけだ。だけど彼らは自分とは違う、「最初から血の臭いしかない所に居た」のではない。そのとき、HUDの向こうの月光を反射する海面が黒く染まった

よう、私。そんなシケた顔をしてどうしたのだ?

(!・・・誰だ・・・私の心に入り込んでくるのは・・・)

「私はお前で、お前は私だ」そう・・・お前だよ。どうだ?人を切り刻み続ける「死神の鎌」でいる気分は

それはもう一人の自分、15年前のアヴァロンで死んだこの体の元になった「セツナ」だ。死んだ時の両腕が無くなり、内臓破裂や複雑骨折で不釣合いな肉体を包むパイロットスーツは深紅を通り越して黒く染まりきっている。
(・・・久しいな、私か、15年前のアヴァロン以来だな。今度こそ私の命でも喰いに来たか?)

いや、随分深い考え事してるなと思ってな。「ただ戦いたい」から、か。わからないでもない。自分の「本当の一生」を見れば分かる事だ

(・・・この"擬似記憶"が間違っているとでも言うのか?)

その「私」の記憶は間違ってもいないが、正しくもない。思い出したければ、あの銀髪の女に尋ねるべきかもな

(・・・興味が無い)
刹那はそうソイツに言い放つ(といっても声が出ているわけではない)と、そいつは消えた。もう一人の自分、それは「死んだ自分」だ。ドッペルゲンガーとも呼ばれるそれは見た者を不幸へと導く。だが今の刹那にはこれ以上の「不幸」は無い。否、死ぬ事も生きる事も刹那にとっては幸せなのだ。戦う為だけに、地獄の底から這い上がってきたのだから

軍事研究第10回:F-X選定に関する事案§3

今回は特に汎用性と制空戦闘能力が突出した戦闘機を選定しなければならないF-Xに関しての研究議題である。

代替対象のF-4EJ改「スーパーファントムⅡ・ファントムⅡ改」は既に三沢の第3航空団第8飛行隊ではF-2支援戦闘機と任務を完全に交代(邀撃・支援任務)し、退役

沖縄・那覇の南西航空混成団第304飛行隊は那覇基地へ配置換えされた第204飛行隊(現在、第83航空隊隷下)と交換

百里基地に配置換えされた(沖縄は空自戦闘機部隊にとって急激に軍備を伸ばす中国との最前線に当たる。百里は首都防空の要だが、そこまで入ってこれる戦闘機や攻撃機は中空SOC管制下に入る前に必ず邀撃を受けるため、余裕がある。さらに同基地にはF-15J編成の第305飛行隊も居る。要は第二戦級配置だ)同基地の偵察航空隊第501飛行隊のRF-4E・E改はF-15の偵察型に決定している(空中投下式UAVが試験中。偵察以外の用途にも転用可能の可能性有)

新田原基地第5航空団の第301飛行隊のF-4EJ改も耐用飛行時間上あと1~2年飛べれば御の字だ(1番目の部隊として、1973年10月16日に百里基地の第7航空団隷下部隊として新編された飛行隊、1991年にEJ改に機種変換しているが、EJ改はEJを元から改造し、新規生産した新機種ではなく単純な改造機であり、多少耐用飛行時間が延びているとはいえど、製造年はほぼ同じだ)

そもそもF-4とはどんな戦闘機か?

もともとは米海軍で始まった新型戦闘機の開発においてF-110として創られた戦闘機だ。空軍にはいい戦闘機が無く海軍のF-4を借用したと言う。海兵隊はもともと海軍と同じ機体を採用する(軽空母等からの攻撃が本来の任務)という体質があった。

初陣はベトナム戦争で、様々な米海軍(空軍・海兵隊の航空隊にも)の体質改良点(ミサイル万能主義の崩壊、訓練によるキルレシオの回復)を見出した機体でもあるが、その兵器搭載量、当時としては画期的なアビオニスク・比較的優れた運動性等で西側で最も採用された(総生産数5千機以上、戦後の戦闘機では4機種しか超えたことの無い数字だ)戦闘機だ

空対空兵装はBVR戦用AIM-7スパロー・一部の改修機にはAMRAAM WVR用にAIM-9サイドワインダー・改修機には改修国の国産ミサイルが搭載可能(各種4基搭載)

空対地兵装は戦術核爆弾・各種無誘導爆弾・レーザー誘導爆弾・対レーダーミサイル・対地ミサイル 改修国によってその特徴が顕著になる(空自の場合は対艦ミサイルASM-1/ASM-2)

E型のみに固定兵装があるM61ヴァルカン20mmガトリング砲 弾数639発

ある意味世界初の完全マルチロール機の本機は長年に渡って使用され続けてきた。しかし、栄枯盛衰の理・・・時代の流れ、技術の進歩にはおいていかれるのは何時の時代も変わらないのである

新型機と開き続ける性能差、耐用飛行時間の限界に近づいているF-4は日本以外の国(韓国・イスラエル・イラン・オーストラリア・ドイツ・スペイン・ギリシャ・トルコ・エジプト)も同じような問題を持っている(ドイツ・ギリシャ等、一部は近代化改修・延命化で対応)

そこで退役するF-4の穴埋めにF-Xで対応しよう、と言うのが今回のF-Xだ

ボーイングはF-15SEと言う新型のF-15を発表したものの、ウェポンベイCFTの概念実証機初飛行・テストは来年であり現実性は低い(配備はもっと年月がかかる)

F-22Aが増産されなければ諦めるほか無い。F-35は満足する性能・登場時期ではないそうで既に外された(防衛省)

§2で紹介したユーロファイターはNATO規格(米軍のもNATO規格)であり、カナード付きデルタ翼の高い機動性と小さい正面RCSで有利である。F-15FXはSEとは違うE型の派生なのでステルス性で論外(というかボーイングが推していない)、F/A-18E・Fは若干のステルス性と高い汎用性・兵器搭載量・運動性・レーダーレンジ・最新鋭アビオニスクと言ったものが備わっている(ボーイングは此方を推しているらしい。・・・F-15SEも日本向けとも言っているが、正直言って間に合わない)ものの、艦載機である以上、不要な物がおのずと出てくる(F-4採用時も不要な高い強度を持つ脚、無駄に強度のあるアレスティングフック、主翼折り畳み機能などがある=機体を重くする 発展性の低下)

そこで三菱重工業が出した案がF-2増産である。

F-2総生産数は98機と当初の141機から相当削られている。さらに開発の遅れなどから機体価格は高騰している

しかしながらF-2の基本性能は優れているほうであり、対艦ミサイル4基搭載+増槽+2+WVRAAM2機という小柄ながら高い搭載量(機体はF-16より一回り大きい程度だがA-10との差があまり無い兵器搭載量といえばその異常さが分かるだろうか)

そして世界初の量産型搭載のAESA・J/APG-1の欠陥(35~20nm程度という空対空探知距離の短さ。それ以外は改善されている)もAAM-4搭載と並行し空対空モードの改修で改善されると聞く

自衛隊デジタル戦闘システム(JDCS(F)、自衛隊版C4I)の搭載 、次世代対艦ミサイルのための各要素研究(XASM-3の事である)、敵性電波識別及び対放射源攻撃システム(3次元高精度方探システム、ステルス戦闘機対策の一環)、FCSレーダーの高機能化等、数多くの研究もなされているのも事実だ

RAM(電波吸収剤)の主翼・インテーク前部への採用により限定的な低RCSもある
RCS値
F-15---405(F-15のような角型インテークは角度によってはリフレクターとして働き、RCSが異常に増大する事がある)
F-4----100
B-52----99.5
Su-27----1
F-16-----5
F-18E/F--1
Rafale----1
Typhoon--0.5
F-22-----0.0065
F-117----0.003
B-2------0.0014

正面RCS値
Mig-29-----1.8
Su-27.-----1.3
F-16.------1
F-2.-------0.9
SU-33-----0.95
F/A-22----0.000002
F-35A-----0.000017
774号埋立地 レーダーステルス 【F-35】JSF総合スレッドPart 3【X-32】の301氏の発言より

さらにF-Xの要求数である50機程度の少数調達であるならば既に運用体制が整っていて。整備要員の教育や整備機材の新規調達等が不要であり、ランニングコストを低く押さえられるという他の機体には一切無いメリットがある。つまり、現場の運用側にかかるコストが抑えられるのだ。量産効果も重なり、全体的コストは抑えられるだろう

しかし、これにもデメリットは存在する。まずは2機種編成になってしまう事で、かつてあった様にF-15・F-2が飛行停止になるような事があれば致命的なまでに制空権を失う事になる

次に共同開発及び生産ラインの確保だ。周知の通りF-2はロッキードマーチンとの共同開発機であり、一機あたり共同開発・生産負担費として47億円程度を支払わねばならない上に、ロッキードマーチンが担当する生産ラインが閉鎖された場合、それをどうやって三菱重工が確保するかだ

F-22A輸入が不可能でも、F-22J-Ex(日本向けダウングレード機)が導入できるのであれば、それを導入したほうが格段に良い(空幕は今年の上四半期までにはF-22導入に関しての決定をすると明言しており、増産されなければ導入は諦めるそうだ)

しかし、それが駄目ならばタイフーンのライセンス生産かF-2増産しかなくなるだろう

先ほど書いたとおり、F-15SEは2009年度内に決められる(延期続きでむしろ決めなければならない)であろうF-Xには100%間に合わず、F-15FXはF/A-18E・Fに比べてボーイングが推していないのである。F/A-18E・Fは確かに素晴らしい性能も持っているが、艦載機は機体構造上発展性が陸上機に比べて小さい、さらにF/A-18の「機体」の設計上エンジン性能が向上しても加速力は非常に悪いのだ

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軍事研究第9回:自衛隊のSEAD任務に関する事案

今回は今まで航空自衛隊がしたことのない任務に関して突っ込んでいこう。
それは今騒がれている深地攻撃任務ではなく、敵性防空網破壊任務である。

SEAD/DEAD任務は友軍機を敵の防空網を突破・任務遂行後に帰還するまで防空網を黙らせる任務だ。

侵略戦争でも防衛戦争でも、そう「どんな戦争でも」非常に重要な任務の一つである

しかし、空自は今までそのような任務を想定した事は無い。

ではその任務は誰が負っていたのか?

それは三沢基地に展開している在日米空軍のF-16CJ(F-16CをSEAD任務にも対応できるようにした機体、Block 50/52。JはF-15"J"の様に日本を意味しているのではない。GPS/INS機器の搭載と空対空ミサイルのボアサイト射撃、ハープーン及びJDAM等のGPS誘導兵器への対応、機体のGリミット引き上げ、運動能力の改善を目的に出力増強型F100/F110へのエンジンの変更。液体酸素ボトルを機上酸素発生装置への変更、新規でドライベイ式消火器を設置している事がBlock30との違い)第35戦闘航空団所属機である。

しかし、米国は何度かこの部隊を本国に下げたい。と日本側に打診しており、日本の空自側にSEAD対応戦闘機部隊を作ることが急務なのだ

SEAD任務の行動内容は何か?

不明領空域(どちらにも制空権がない空域)か、自軍側に制空権がある空域に専用機材を搭載したエレメント(2機編成)で向かい、該当空域の敵制空圏内側に存在するSAMを無効化する行為である。深地攻撃作戦前や近接航空支援前に行なったり、事前に制圧・破壊する事でその後の制空権増大に繫げる作戦行動だ。

主な行動
1:友軍の制空権内(または支援下)において一機が援護、もう一機がSAMの有効圏外からSAMのレーダーが発する周波数を特定する

2:何度か周波数に関する情報を収集・特定し、レーダー波発信源を特定する

3:エレメント編隊は入手した情報を元にSAM防空網内に突撃、対レーダー・対地ミサイルを発射しSAMのレーダー及び敵SAMランチャーを破壊する

敵側の指揮官の頭が良ければ3の時点でレーダーを切ってSAMの破壊を免れるよう(一般的なSEAD任務でレーダーを切らなければSAMレーダーは破壊され、次のSAMレーダーが来るまで長期間に渡ってSAM防空網を埋める為にそこに制空戦闘機を常駐させなければならなくなる)にする。すると一時的な敵防空網に大きな穴が出来る。それを狙って攻撃部隊が飛び込み、目標を破壊する。

SEAD任務はその状態を維持する任務であるのに対し、DEAD任務はSAM発射機自体を破壊する任務。基本的に後者は損失の危険があるので用いられる事は少ない

だが、攻撃部隊の直援でもあるSEAD任務は最初に敵制空権下に飛び込み、最後に離脱する必要がある

その為SEAD任務機は対レーダーミサイル運用能力に長大な航続距離、軽快な運動性と防御能力そして高いペイロードと、矛盾した性能が求められる

今の自衛隊機でこれをこなせる戦闘機は一機種、F-2A支援戦闘機とXASM-3の組み合わせのみだ。F-Xにその任務を譲る事も出来るが、元からその任務が入っているタイフーン・トランシェ3・F/A-18E・Fを除いてそれに対応させるには長い年月を必要とする(F-22は機外搭載であり、ステルス性が下がりレーダーに捕捉される危険がある上に機体のコストと"非常に見つかりにくい"特性から考えるとむしろ深地攻撃向けだと言える)

因みにXASM-3のモードにはアクティブ/パッシヴ・レーダーの複合シーカーによる誘導がある(IIRシーカーは無くなった事を確認しました。護衛艦あしがら氏、ご指摘有難う御座いました)

速度はマッハ3、航続距離もASM-2並を目標としているこの対艦ミサイルはKh-31に似たようなミサイルだが、一機種のみで複数の任務(アクティブ/パッシヴ・レーダーの複合シーカーは対艦だけではなくレーダーサイトの硬目標にも効果がある)をこなせる事は大きい(Kh-31の対レーダーミサイルはKh-31Pという専用機種である)

F-2支援戦闘機にはこれを4発携行でき、2発に減らせば増槽+中距離空対空ミサイルも搭載できる(あくまで物理上での話、作戦用兵上は難しいとされている)

後2年(2011年以降)以上でASM-3として装備化運用が開始されるとの事(既に投下試験も始まっている。しかし、ASM-2のIIRシーカーとの掛け合いで引き下がったようだ 参照政策評価書 XASM-3について 平成14年度 政策評価書(事前の事業評価) 担当部局:管理局開発計画課 ※要注:両方ともPDFなので重いです)

で、何故空自がSEAD任務に就かねばならないのか。その理由はたった一つだ。

北朝鮮の敵弾道ミサイル基地破壊

これに限る。

島嶼侵攻でSAMの防空網を作るほどの余裕は米軍を除けば無い。

かと言って中国・ロシアの弾道ミサイル基地までは戦闘行動半径から言って、どんなに努力しても無理。

スタンドオフ兵器の導入が一番手っ取り早いが、イラク戦争でのトマホークの4割はシステムエラーで墜落しているし、空中発射型のスタンドオフ兵器は射程が長すぎるし(国内世論がまた騒ぐだろう)、通常弾頭では威力不足(トマホーク通常弾頭は1000lb爆弾と同程度、抑止力効果を狙ったり目標が複数ある場合は相当数用意せねばならない)

長距離スタンドオフ兵器の運用にはGPS地形マッピングの衛星も必要だ

ロシアが北方4島にSAMサイトを設置しても全面衝突を除けば使用される可能性は少ないし、そこまでの戦略的価値はない

尖閣諸島が中国に侵攻されても、アクティブ・レーダー式で規模の大きいSAMを搬送できるほどの輸送力はあるが空自・海自の攻勢でそれを損耗させたくはないだろう。(中国には日本に上陸作戦を仕掛けることは輸送力の問題で出来ないと言われている。唯でさえ少ない輸送力を減らす事は好ましくないだろう)

竹島の場合は地形上大規模なSAMを設置できないので実効支配している韓国は戦闘機を出している。(これはどう考えても費用効果は低いのだが)

北朝鮮のミサイル基地に攻撃を加えるルートは1つだけ、それは日本海横断である。

方法としてはHAVCAP付の空中給油機を2、3機と管制警戒用のAWACS日本海で待機させ、制空隊とSEAD機が攻撃隊に先行して制圧しながら援護するしかない
(韓国の基地を借用するのもありだが、あの国が許可をするとは到底思えない)

それで長期間に渡り北朝鮮のミサイル脅威を取り除けるのであれば、十分な効果である。(日本単体でこの攻撃任務を行なうとは考えにくいが、「これだけの能力を持っているぞ。撃って来たら発射台を叩ける。ミサイルと言う外交カードの意味は無い」と言う抑止力に繋がる)

軍事研究第8回:弾道ミサイル防衛(MD)に関する事案

MD・・・それは弾道ミサイルの脅威を可能な限り減らす為に行なわれる迎撃ミサイルによる国土防衛である

世界初の巡航ミサイルV1が実戦投入されて以来、敵地への攻撃の第一撃は地上発射・航空機・艦船搭載のミサイル・ロケットによって行なわれるか、長距離の弾道ミサイルによる攻撃だ

それを防ぐには同じ様に発射する機体・艦船・施設・車両を直接・又は電子妨害で無力化することであった。だが、最新コンピューター技術そして超高度に自動化・リアルタイム化が進んだ防空網を成す高度なレーダー・赤外線・レーザー・衛星による監視技術を利用してレーザーでミサイルの装甲を焼き切って推進剤・炸薬を爆発させたり、ミサイルにミサイルを命中・近接信管によるエネルギーで破壊させる事も可能となった。

それの対弾道ミサイル用に特化したのがミサイル防衛システム、略称「MD」である

それの始まりは、敵弾道ミサイルに、非常に高い威力をもつ核を搭載した弾道ミサイルによる空中爆破である

しかし、宇宙・成層圏上部にて核兵器を起爆させれば「EMP」と呼ばれる一種の電磁パルスにより、ありとあらゆるコンピューターの回路が焼きつき、長年に渡りその爆破周辺地域で使用できなくなるのだ(真空管は除く※1)そして、第2波を防ぐのを困難にしてしまう
※1:真空管を利用し、システムがシャットダウンしないようにした兵器も70年代辺りまで使われていた。主な例としてMig-25がある。ただし反応速度は遅い

次にSDIと呼ばれる計画がアメリカでスタートした。(通称「スターウォーズ計画」)

これは宇宙空間にて衛星に搭載したレーザーなどをで弾道ミサイルを破壊するシステムだった。しかし、開発には巨額の予算が投じられたが、実現には至らなかった。この計画は当時の技術力ではあまりにも非現実的であったのだ

これを縮小・現実的な手段を用いた小規模弾道弾攻撃に世界規模で対応するのがGPALSと呼ばれるものだった(MDの基礎とも言われる)

そして、国家規模でもっと確実で現実的な防衛手段として研究されてきたのがBMDである

BMDの迎撃可能回数は3回のみ

1回目は上昇段階(ブースト・フェイズ)

この状態ではミサイルは上昇加速中であり、速度はさほど出ていない=迎撃が最も容易。しかし、迎撃するには迎撃兵器の有効射程まで接近せねばならない=発射兵器に護衛or防空網破壊等の事前攻撃を必要とする

2回目は中間段階(ミッドコース・フェイズ)

この状態はブースト・フェイズが終了し、推進剤の無くなった弾道ミサイルと共に巡航高度で目標に向けて地上概算でマッハ20近くまで加速し終えている状態=迎撃は最も難しい

3回目は終末段階(ターミナル・フェイズ)

設定された目標を完全に定め、弾頭が大気圏内に突入してきており重力に引かれて最も加速した状態=迎撃は索敵装置に確実に捉えられれば比較的容易。だが、EMPの効力圏内に自国の領土が入っている可能性がある。

しかし、これ等で撃墜するのを比喩として「発射された銃弾に、発射した銃弾を当てる」と言われるほど高度な技術力と迎撃時の即応性と高い対処能力が求められる

現時点で敵地への直接攻撃能力が高くない自衛隊が想定しているケースはミッドコース・フェイズとターミナル・フェイズでの撃墜だ。

マスコミで報じられるように

"「MD対応イージス艦のSPY-1レーダーで捕捉・追尾、RIM-161スタンダードミサイル・SM-3を使用してミッドコース・フェイズで迎撃」し、「地上のFPS-5レーダーとSPY-1で捕捉・追尾しターミナル・フェイズでMIM-104 パトリオット・PAC-3にて迎撃」する。"

これが、基本想定だ。しかし、これでは確実な迎撃性に不安が残る(100.0%被弾したくなければ、発射台を発射前に叩けば良いのだが)

そこで防衛省は早期発見・高ステルス性能を持つ弾道弾迎撃の為に衛星・航空機による監視技術、新型ミサイル・高出力レーザーによる全フェイズにおいての撃墜技術の研究をしている

前者はAIRBOSSと呼ばれる航空機搭載型赤外線センサーシステムと宇宙開発

後者は日米共同開発のSM-3 Block2を既に2014年配備を両国で決定しており、自衛目的のスタンドオフ攻撃(発射台だけを破壊する攻撃、今の自衛隊に敵地侵攻できるほどの輸送力はない)・THAADに相当する地上発射型運動エネルギー迎撃体の開発、そして2008年度には高出力レーザー兵器の研究、開発(地上発射型及び航空機発射型)に着手している。

しかし、北朝鮮のテポドン・ノドン(数の上ではノドンが上)の発射危機や中国の第二砲兵(弾道ミサイル専門の中国人民解放4軍の一つ)が此方に弾道弾を向けている事を考えれば多少遅すぎるのかも知れない。迎撃技術が完璧と言えるほど確率するまで、外交面で決して仮想敵国に弾道弾を撃たせない様にする事が重要なのだ

しかし、自衛官のイージス艦情報の他局流出やWinny等での国産兵器の諸元流出など、自衛隊・外務省等の関係部署内でもまだ情報管理が徹底されていない所も見受けられる

そう言った観点から見ても、厳しい罰則(懲役刑や高額な罰金)を設けて防諜というのを今一度下士官・一般隊員・公務員にも徹底させるべきではないか

軍事研究第7回目:ソマリア沖派遣に関する事案

今回は最近騒がれているソマリア沖に海上自衛隊第8護衛隊」(広島・呉)の護衛艦「さざなみ」と「さみだれ」とP-3C対潜哨戒機が派遣される
それ以前にソマリアの海賊事案は今に始まったわけではない。自衛隊派遣すべきだろうという声が上がったからこそ騒がれているのだ。

では、何故自衛隊が派遣されるのか。何故海上保安庁ではないのかと言う事から切り込んで行こう

海上保安庁は日本領海・排他的経済水域で犯罪行為(密漁行為etc)が起きた場合に対処する「海の警察」である。

そしてマラッカ海峡などで日本に関連のある船舶が海賊の攻撃を受けた際にも急行する。(海保特殊部隊SSTが既に実際に対処している)

では海賊対処が出来る海上保安庁がソマリアに行けない理由とは

艦艇の絶対数の不足

外洋での広範囲に及ぶ作戦行動が取れない

巡視船の性能(速度が30kt出せるのが少ないのもあるが装甲にアンチマテリアル火器防御性能がない上に護衛艦と比較し排水量に余裕が無い※1※2)から無理がある
※1:言うまでも無くRPG-7の事
※2:被弾時に浸水しても大丈夫な様に軍艦仕様の艦艇は排水量に余裕があり、大型艦艇は対艦ミサイル一発では沈まないよう設計されている

ただし1隻だけ、ソマリアに行っても作戦行動が大丈夫な艦艇はある
その1隻が「しきしま」だ
性能諸元
排水量 総トン数:7,175トン
基準:6,500トン
全長 150.0m
全幅 16.5m
吃水 9.0m
飛行甲板 飛行甲板
機関 ディーゼル4基 2軸推進
速力 25ノット以上
燃料 燃料
航続距離 20,000海里
乗員 ???
兵装 35mm連装機関砲 2門
    20mm機関砲 2門
航空機 アエロスパシアルAS332L1 ヘリコプター 2機
レーダー 対空:OPS-14 1基

しかしながら、これは日本の原発燃料である「プルトニウム運搬船護衛」用に建造された巡視船なのだ。さらに機密が満載であり(乗組員の人数すら公表されていない)特殊任務用の上、1隻しかこの世に存在しないので交代任務は不可能=海賊対策は不可能なのだ。

つまる所、海上保安庁では海賊を艦艇で追い回す事は出来なくて自衛隊の艦艇が適任である、と言うことだ。(海賊の乗る船は多くの場合は小回りなどが効く漁船やモーターボートである)

派遣される二隻の艦艇の諸元
「さみだれ」
排水量 基準 4,550トン
満載 5,100トン
全長 151m
全幅 17.4m
吃水 5.2m
機関 IHILM2500ガスタービン 2基
川崎スペイSM1C 2基
2軸推進、60,000PS
最大速 30ノット
乗員 165名
兵装 76mm62口径単装速射砲 1門
Mk15ファランクスCIWS 2基
90式艦対艦誘導弾 (SSM-1B)4連装発射筒 2基
Mk41VLS 16セル
Mk48VLS 16セル
68式3連装短魚雷発射管 2基
電子装置 OPS-24対空レーダー
OPS-28D水上レーダー
82式2型31射撃装置
OQS-5ソナー
OQR-2曳航ソナー
NOLQ-3 ECM
OLT-3 ECM
Mk137チャフ発射機 4基
SLQ-25曳航パッシブアレー
搭載機 SH-60Jヘリコプター 1機

「さざなみ」
排水量 基準 4,650トン
満載 5,300トン
全長 151m
全幅 17.4m
吃水 5.3m
機関 IHILM2500ガスタービン 2基
川崎スペイSM1C 2基
2軸推進、60,000PS
最大速 30ノット
乗員 175名
兵装 127mm54口径単装速射砲 1門
Mk15ファランクスCIWS 2基
90式艦対艦誘導弾 (SSM-1B)4連装発射筒 2基
Mk41VLS 32セル
68式3連装短魚雷発射管(HOS-302) 2基
電子装置 OPS-24対空レーダー
OPS-28D水上レーダー
OPS-20航海レーダー
82式2型31射撃装置
OQS-5ソナー
OQR-2曳航ソナー
NOLQ-3 ECM
OLT-3 ECM
Mk137チャフ発射機 4基
搭載機 SH-60Jヘリコプター 1機

比較対象
海保大型艦艇「PL型」の工作船対応能力を持つヘリ甲板付高速高機能大型巡視船「ひだ型」巡視船
船種 2,000トン型巡視船
排水量 総トン数 1,800トン
満載排水量
全長 95.0m
全幅 12.6m
深さ 6.0m
機関 ディーゼル4基
ウォータージェット4軸推進
航続距離 海里
速力 30ノット以上
武装 ボフォース 40mm機関砲(FCS) 1門
住友重機械工業製
20mm機関砲(RFS) 1門

2隻とも艦隊の主力を担うだけあって、海上保安庁の艦艇とは次元が違う(警察と軍隊の第一線級装備を比べるのはアレだが)

主に海賊制圧にはヘリによる強襲乗船か内火艇・作業艇による母船・攻撃担当船への接舷強襲、そして海賊に乗っ取られた艦艇を重包囲して機を見て攻撃するか投降させる

この任務には海上自衛隊特殊部隊SBUと護衛艦付き立入検査隊が行なう。当然ながら、乗員等に暴行を加える事は少ない(と言うか普通にそれをやる海賊はほぼ居ないし一応海賊の掟なる物も存在している)

しかし、中には勇敢(と言うより無謀)な海賊も居て、米海軍(しかもイージスシステム搭載の防空艦2隻、銃撃戦だけで済んで良かったw下手すりゃ20mmCIWSでも撃ち込まれそうだ)に攻撃を仕掛け、銃撃戦に発展・海賊1名死亡・5名が負傷したりし、襲撃中に英・露のヘリに応援を呼ばれイギリス海兵隊に追い詰められて結局3名の死者をだしたり、と銃撃戦や海戦に発展するパターンも少なくない

そういった時に海上保安官より発砲条件のハードル(警察官職務執行法7条「警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法第36条(正当防衛)若しくは同法第37条(緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない」を適用する)が高い自衛隊は即時対応が出来るのかと言う問題が生じる。さらに自衛隊側は「護衛船舶に不審船から投げられた縄梯子が掛かっていて乗り込もうとしている」と言う様な具体的な想定を行なっているが、政府・与党はそれは「想定の範囲外」だそうだ。

次に航空機、SH-60K4機(各艦艇に2機※3)とP-3Cである
※3:DDは設計上格納庫に2機のSHを搭載でき、接舷用専用機材「特別機動船」を積み込むらしい。

SH-60Kは強襲・支援・警戒用、P-3Cは警戒用の機体としての運用なのは言うまでも無い。

SHは艦上で整備が可能だが、P-3Cは航空基地を必要とする。さらにP-3Cのパイロットや整備クルー等の環境なども考慮せねばならない。さらに防衛省では陸海空の統合作戦も考えており、イラクでの米軍・海自共同の邦人救出作戦「バビロンの桜」※3以上の連携と多国籍軍との情報共有が必要になるだろう
※3:未実施、自衛隊初の銃撃戦になったかもしれない

ちょっと前にお馬鹿記事としか言いようが無い記事があった
海賊対策法案:武器先制使用を容認 警職法を準用
http://mainichi.jp/select/world/news/20090225k0000m010104000c.html
お馬鹿なところ(ボケ?)
海賊対策での武器使用権限の拡大を、自衛隊による治安維持活動の解禁につなげたいとの思惑があるのは明白だ。今回の武器使用基準の緩和が、なし崩し的に海外での自衛隊の活動を拡大するものではない

ツッコミ
海上警察権の行使=海上警備行動≒治安維持出動の海上版 とでも言いたげな記事内容・・・
そこまで武器使用基準は変わってないですよ。無理矢理結びつけ過ぎでしょ(´д`;)

政府も政府、マスコミもマスコミで・・・ダメですな、これは orz

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軍事研究第6回:次期主力戦闘機に関する選定事案§2

今回はF-Xの選定に関してさらに突っ込んでおきたい
現在の有力候補は
・F-22A Block30
・F-35A
・F-15FX
・タイフーン トランシェ3
・F/A-18E・F Block2
の5機種と言われている。

だが、F-22・F-35の二機種はアメリカ合衆国オバマ大統領の胸先三寸と言っても過言ではない。

しかしながらF-22の生産は183機で打ち止めになる可能性もあり、F-35の開発関係国以外向けの輸出タイプの納入にはとてもではないがF-Xには間に合わない。(唯一の救いはF-22は大統領に生産続行を望む手紙が出され、F-35も米空軍向けのを輸出するとも言ってはいる※1)

※1:この場合、部品調達をどうするのかが課題となる。ライセンス品とは違い国内で部品調達は不可能である為に、輸出国の製造ラインや国情に左右されやすい

この場合、最悪の状況を想定し
・F-15FX
・タイフーン トランシェ3
・F/A-18E・F Block2
の3機種での選定をすると仮定する


スペックに関しては§1を参照にしてください。利点と欠点を洗い出します
F-15FX
メリット
・機体設計が90%変わっているとは言えど搭載火器に関しては特に大規模改修が必要ない
・航続距離・アビオニスク類も十分強力で発展性もまだ高い
・レーダーがAPG/AN-63(V)1かAESAの(V)3改修型の(V)4であり、F-15近代化改修機と同等の空対空戦闘能力を備えながらも、対地・対艦ミサイルなどが装備できる。
デメリット
・ステルス性能が皆無
・基本設計自体が古く、4.5世代戦闘機の中でも特に旧式扱いである
・上記の理由から周辺国との空軍力に影響が出る(軍事バランスが崩れる事はその地域の不安定化をもたらす、このことは有史以来ずっと証明され続けている事。防衛のみの空自は周辺国より優位に立っていなければならないのが鉄則である)

タイフーン トランシェ3
メリット
・3機種の中で最もステルス性が高い
・スーパークルーズ能力を持っており、島嶼侵攻を受けた際に即座に急行できる
・空対空戦闘においてはF-15FX・F/A-18E・Fに比べて優れている。対艦・対地もトランシェ3で同等=3機種中最強(対Su-27での勝率がF-15E=60% F/A-18E=同等程度と推測※2 タイフーン=82%)
※2:F-15EはF/A-18EBlock1のアビオニスクを元にしているからである
・ライセンス生産や国産アビオニスクの搭載に積極的
デメリット
・NATO規格だが今だ導入した事のない欧州戦闘機(これまで欧州機は当て馬的な存在だった)
・航続距離に不安が残る(空中給油の方法に関してもKC-767では改修を必要とする)

F/A-18E/F Block2
・アビオニスクは最新(米海軍主力機は開戦一番に敵地に飛び込む為、必然的に高い性能が無ければならない。同時追跡・攻撃可能数は8)
・武器搭載量は3機種中最高(AMRAAM※3は12基、JDAMに関しては28発、対艦ミサイル4基搭載可能)
※3:飛行教導隊が試験的に使用しているが少数、AIM-7並みの大きさのAAM-4では搭載数は減るであろう
・もし海上自衛隊が軽空母導入を考えた場合にそのまま流用できる
・米海軍との共同作戦がより円滑になる(同機種の為である)
・運動性が高い(F-22もガンキル出来る様な運動性を持つ。特に低速では性能が高い)
デメリット
・航続距離が足りない(さらにKC-767に改修を要する。ただし、F/A-18は増槽4基と給油ブローブを搭載することで空中給油機として行動できる)
・加速性能が悪い
・Gリミットが8.5Gと他機より余裕が無い

で、米国研究機関と英国研究機関の対Su-27改良型(Su-35相当)の結果
米国
U.S. F-22 10.1 : 1
European Typhoon 4.5 : 1
French Rafale 1.0 : 1
Russian Su-35 1.0 : 1
U.S. F-15C 0.8 : 1
U.S. F-18D 0.4 : 1
U.S. F-18C 0.3 : 1
U.S. F-16C 0.3 : 1

英国 
F-22 "Raptor"        9~10:1
Eurofighter Typhoon       3~4.5:1
F-15 modernisiert(J改修Ⅰ型相当) 1.5:1
F-15E "Strike Eagle"     1.2:1
Rafale               1:1
F-18E/F "Super Hornet"   1:1.2~1:3
F-15C "Eagle"(pre-MSIP相当)   1:1.3
F-18C "Hornet"         1:3.8
F-16C "Falcon" (Block 40)  1:3.8
と、いった具合だ。

やはり性能順で考えれば

タイフーン>F-15FX≧F/A-18E・F

が妥当だろう。

平時の任務の特性上(スクランブル)で言えば

タイフーン=F-15FX>F/A-18E・F

有事(正面戦闘)であれば

タイフーン≧F-15FX>F/A-18E・F

有事(島嶼侵攻)であれば

タイフーン=F-15FX≧F/A-18E・F

と言う様な感じになる(スーパーホーネットは艦上戦爆機なので仕方ないと言えばそうなのだが)
防衛省・航空自衛隊が望む第5世代機が望みにくい現状を鑑みれば、タイフーンが最有力だと予想する

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第8話:部隊再編開始

ノースポイント 国防省 統合自衛軍 即応作戦司令部 10月1日 14:25
「事情は大体分かった。まず君が望む事は?」
薄暗い地下20階のノースポイント陸・海・空・宇宙の4軍の統合自衛軍の即応作戦司令部ではオーシアのARC支部から脱出してきた刹那と4軍の幕僚長、そしてその副官らが座っている。彼は喋れないので専門の読唇術の心得を持つ者が通訳を行なう。
「えー・・"既に状況は一転し完全に最悪な方向に進んでいる以上、もうこのARC以下我が私兵の"大きな組織"では目立ちすぎて行動する事は出来ない。そこで、我が隊のほぼ4/5以上の即応戦力をそちらの指揮下に入れてそちらで対灰色・及び要人奪取・そして両国国民への焚き付け等に活用してもらいたい。此方の残存する戦力1/5については此方で別の任務に付けさせる"・・・と」
「ふむ、だが・・・これ以上国民に秘匿するのは無理があるのだ。元上級幹部の自衛官なら我々がどれ程危険な橋を渡っているか、お分かりだろう?中佐」
刹那はコクッと頷く。そしてさらに続けた
「"その通り、下手をすれば貴方も我々も消される事ぐらい承知の上です。ですが、ここまでしないと対抗するのも難しいです。リスクが高いのであれば、ここでビジネスをしましょう。・・・・報酬として私が持つ全ての部隊・及び全ての施設・技術を貴国に全面無償投与、というのはどうでしょうか"」
「虚言だ!!貴様は今まで自分が心血を注いで育ててきた全ての資産・戦力・技術を投げ出すだと!?仮にも一国の戦力に匹敵する戦闘部隊の総指揮官だろう!?そんな事、出来る筈が無い!!」
刹那の元上司の航空自衛軍の航空幕僚長が机を激しく叩いて反論する。刹那は一度フッと微笑って言った。
「"お分かりになられていない様ですね。別に組織が無くとも彼らの穴程度一人で塞げます。私は戦う為に地獄の底から這い上がって、此処まで来たのですからね。その程度出来ないでどうすると言うんです。それに、私の部下は揃って感情が高ぶっている。こんな部隊を私流に動かせば、どんな作戦をしようとしても失敗します。【[人間]と言う不確定要素は極力排し、その上で最高のコンディションで作戦に望む】これが私流の用兵術です。彼らは私にとっては足手纏いに過ぎない"」
「ほう・・・では、やれるというのだな?確証は?」
「"正直に言えば1%、いや・・・0.5%の成功率でしょう。私の作戦が上手くいっても、制御しきれない勢力が多すぎる。ですが、これをしなかったら0%です。この分の非常に悪い賭けにBETしますか?"」
刹那の不敵な笑みが薄暗く、楕円形テーブルの情報モニターの青白い光で妖しく光る。
「・・・・良かろう。私は乗る。異存があれば出て行くが良い。何もしないよりかは可能性はある」

 

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