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第三十八話:解放3

撤収中の黄色中隊 00:18
≪・・・損耗2機、残存3機・・うち一機は被弾機か・・・・まったくやられたな、6≫
「ああ、隊長・・・4が生きて居て、12と3が引き抜かれなかったらこんな事にはならなかった」
≪・・・・・≫
「気にするんじゃない、ジャン・ルイ。初陣だったがお前は良くやったよ・・・!」
6は後方警戒レーダーの反応に気付いた。IFF(自動敵味方識別装置)は・・・反応あり。つまりは友軍
「隊長、7時方向に友軍機がいます。」
≪進行方位と距離、目的は?≫
「待って下さい。・・・・・対象機BRAA方位2-0-0、進行方位1-6-0、エンジェル22000コールド。450kt!(対象機、自機を軸に南西方向に居る、南東方面へ進出中、高度22000フィート、離れつつあり。速度450ノーチカルマイル)機数・・・10以上!新市街に進んでいます。機種は・・・・戦略・・・爆撃機!!」
≪13、了解、上層部は何を考えてる?AWACSルークアイ、進出しているのだろう?聞こえているか?≫
13は事実を確認する為にAWACSの呼び出しコールを入れた。
≪アクイラ1、此方ルークアイ、聞こえている。確かに爆撃隊は確認できている≫
「此方6、なら何故残存部隊の連中に伝えない?。近くの空港で補給を受ければすぐさま援護できてISAF軍を追い出せるというのに?」
≪上位のコマンドからの命令だ。貴官が口を利いて良い立場ではない≫
「では、爆撃隊の目的を伝えろ。友軍の行動くらいは聞いても文句は無いだろう?」
≪上層部から緘口令が敷かれている。貴官には説明できない。・・・すまないエーリッヒ。これは命令なんだ≫
≪13、了解した。・・・"6、直接確かめるぞ"≫
「Roger」
≪隊長!?何所へ行―――≫
ブツッ!
隊長機は6の個別無線で言うと左旋回を始めた。6も落ち着いて付いていく。新人がギャーギャー喚いてるので無線機を切る。
≪13よりルークアイ、現在無線とGPSが効かない、発光信号で友軍部隊に位置を聞いてみる≫
≪何だと?おい、エーリッ―――≫
ブツッ
隊長機は冷静に爆撃隊に針路を取る。明らかに尋常じゃないこの嫌な空気。友軍が何をしようと言うのか確かめなければならない。

国営放送ビル 00:15
「・・・戦闘機の姿は見えませんが、エンジン音が聞こえます。時折軍用無線が無線から聞こえてきます。あのリボンのエンブレムの戦闘機が、この中にいるのでしょうか?」
アンドレイはいたって冷静だった。国営放送ビルは砲撃を受けていなかったのだ。
「爆発の瞬間だけ、飛行機が見えます。」
アンドレイは上空を良く見ていた。もしかしたらメビウスのエンブレムが見えるかもしれないと思ったのだ。
「我々の真横を、ISAFの戦車が通過しました。国道に戦車が集結しています。炎がここからもよく見えます。」
≪・・・ファシストめ!焦土作戦か!≫
無線機からISAF軍兵らしき声が響いた。エルジアが何を考えているかを容易に想像できた。
「エルジア軍が市街を爆撃をするようです!人口が集中する地区での避難は終わっていますが、中央地区から離れた地域にはまだ多くの住人が居ます!この放送は録画ではありません!」
≪ブラックジャックを撃墜!メビウス1!て・・・≫

00:17
「くっ・・・黄色中隊機!?」
メビウス1は一機のフランカーF[テルミナートル]に気付き、急旋回をした。Tu-160をもう一機落とそうとした瞬間にだ。空戦エネルギーは減っていたので今迄ドックファイト中に焚き続けていたA/Bを再度焚いた。下降して振り切ろうとしたのだ。
≪援軍か!?・・・った!!≫
(!?追ってこない?)
メビウス1はRWRの反応が外側のリング(RWRは外側、内側のリングと呼ばれるゾーンで照射されるレーダー波の脅威度・方向・レーダーの種類を示している。この場合照射はされているが、追跡・攻撃状態ではないことを示す 参照フライトシュミレーターLOMACのRWRの紹介[非公式サイト])で留まっている事に気付いた。しかし、攻撃しようにも他機は護衛戦闘機にかかりきり、自機は弾薬に余裕が無いのだ。敵機の無線に周波数を合わせながら機を水平にする
≪此方イエ・・13、そこの爆撃機隊へ。作戦、および攻撃目標を伝えろ≫
≪此方オレンジ5、我々の目標はサンサルバシオン一帯に対する無差別爆撃だ。より上位のコマンドから命令を受けている。援護しろ!≫
(無差別爆撃!?させるか!)
メビウス1は機体を急上昇させて爆撃機に向ける。だが、黄色の僚機が立ち塞がった。
(クッ・・・構ってられないのに・・・・!)
≪行かせるかよ!≫
メビウス1はそいつからのガンレティクルをバレルロールで乱してかわした。しかし、敵爆撃機を逃してしまう。市街地への突入を許してしまったのだ。
(ダメッ!追いつかない!)
ミサイルは切れて、30mmGunのみ。しかし、相手はアフターバーナーで此方の速度を振り切っていた。その時
≪死ね≫
≪え?なn―――≫
上空から黒い影が、音速の3倍以上で突っ込んで来た。それは20mm機銃弾をエンジン・コックピット・そして爆弾庫に向けて発砲し、ブラックジャック乗員全員を一瞬で地獄の業火へと叩き込んだ。
ガンッ!
「わっ!なん・・・ひっ!?」
メビウス1は、キャノピーの正面にぶつかった"何か"を見た。それは一瞬で後方に吹っ飛んだ。キャノピーに異常は無かったが、メビウス1に一生のトラウマモノとして残るような何かであった。それは――

航空用ヘルメットをつけた敵爆撃機乗員の生首

目は上を見た状態で、首から下は綺麗に千切れていた。何億分の一の確率だろうが、それはキャノピーにあたった。間違いなくコックピット上面が吹き飛んでその風圧で捥げた首だった。
≪スプラッシュ1。脱出は確認できず。次≫
≪な、何だありゃぁ!?≫
≪下から突き上げてくるぞ!回避しろォ!アプローチ中断!中断だ!≫
敵爆撃機の搭乗員らしき奴の声が聞こえる。彼等はもう爆撃する意思は無かった。だが・・・・

≪誰が逃がすと言った?街を燃やそうとするリスク程度、負え≫

≪ひっ!?た、たすけ・・・≫
ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン!!!!!ドンッ!
「うぷっ・・・・」
メビウス1はGをかけている訳でもなく吐き気がした。コックピットを正確に射抜いているのだ。アレでは内部の人間はズッタズタになり、全身のパーツがバラバラになるだろう。それを想像してしまった。敵機に容赦なく20mmの炸裂弾を当てた機体が何か分かっていた。さっきまでずっとJ-STARS代理をやっていた機体だ。何故なら自分達迎撃隊を除いて高高度にいる友軍機はそいつしか居なかったのである。
≪スプラッシュ。さてお次は・・・!・・・ほう・・・私の活路に立ち塞がるか、黄色≫
≪味方が"虐殺"される現場は見たくない・・・・俺はお前を殺す!≫
≪・・・・プッ・・・クフフフ・・・虐殺?それは自分たちの事を言っているのでは?違うか?"坊ちゃん"≫
≪ッ!貴様・・・・≫
≪貴様と言いたいのこっちの方だ、この腐れ餓鬼め。そっちが"我々"の警告を無視してやりすぎたのが悪い。だから私はお前等を殺す。一片の後悔も無く、一塵の躊躇も無く、"我等が世界に誓い"・・・・・親切で言っている。さっさと失せろ。この世の摂理も知らん図体がデカイ餓鬼め。それともあの女のようにバラバラ死体にされたいか?私は一向に構わん≫
≪・・・・くっ・・・・≫
そいつの台詞は相手を恫喝し、震え上がらせるのには十分だった。奴の言葉は黄色を圧倒した。
≪さて・・・喰わせて貰うとしようか・・・・おい、リボンの。付いて来い≫
「・・・・は、はい」
≪お前が残りの内の2機をやれ。あの1機は念入りに私が殺る≫
「は、はい!」
奴は別次元の戦場に居た。既に暗黒の世界より暗い闇に全身を漬かせていた。そこに日の光が届く事は絶対にない。

国営放送ビル
ドォン・・・・
「また爆発音が・・・どうやら爆撃機が撃墜されたようです」
≪・・・・・・ゲットの破壊を確認した≫
アンドレイは自分の耳と軍用無線を拾っていた無線機が静かになった事から、終わった事を確信した。

ゴォォォォォォ・・・・・・

「終わったな。良くやった皆。犠牲者は出なかったし、作戦も終わったようだ」
自分達の護衛の兵士達が言った。それを聞いた後彼はカメラマンに向けて大きな声で言った。
「・・・爆撃機を撃墜した戦闘機が、上空を通過していきます。放送を検閲していた将校もさりました。今、私たちは声を大にして言えます。「勝利した」と。共同放送、アンドレイ・ペチェルスキィがお伝えしました。」

サンサルバシオンの解放において、エルジア・ISAF両軍の犠牲者は膨大な数に膨れ上がった。中には白兵戦でがっちり組み合ったまま死んだ両軍兵士の遺体もあった。特にエルジアの地下を利用した攻撃により、ISAFの死者はエルジアの死者を超えた。しかし、作戦自体はISAFの完全勝利、エルジア側もある程度作戦は成功した。
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第三十七話:解放2

新市街 0:09
(市街突入から4分で官庁街に侵入。これまでは損耗無しで来た。あとは・・・どうやって中の奴等を追い出すか)
コリンズは陸軍部隊の一部に再編成されていた。ベテランのベルツ中尉は上陸中に狙撃兵によって死にこれまでの間に沢山の仲間が戦死した。病院で俺たちが帰ってくるのを待った居る奴等も居る。そんなこんなでコリンズの海兵隊B部隊は陸軍の奴等に実質取り込まれていた。
「ホビー、あのビルに侵入してヘリを撒こう!」
「無茶だ。危険すぎる!」
「じゃあ此処でヘリの30mm砲にぶち抜かれるか、ロケットの破片でくたばるか!その二択しかない!分かったなら走るぞ!!俺の合図で行け。ホビー、マイケル、レイ。まずはお前等だ。先行して一階を掃討しろ」

「・・・ッ。分かった。分かったよ、軍曹。頼むぜ!
彼等は官庁街の制圧が任務。目標は市役所ビル。今それは目の前にある。だが、敵ヘリが邪魔をして侵入できない。コリンズはタイミングを計り始める。
「スタンバーイ・・・・スタンバーイ・・・・・・・Move Now!!GO!GO!GO!GO!GO!
敵ヘリが別の部隊に機首を向けた瞬間コリンズは彼等を走らせた。彼等はヘリに気付かれる事無く道路を渡りきり市役所ビルに突入した。直後遠くから響いていた銃声が、直ぐ近くでした。敵と交戦したのだ。
「俺たちも行くぞ!・・・・Go!GO!GO!
「!軍曹!!ヘリが気付いた!!」

部下のゼウ伍長が叫んだが、気にせず走る。たった10mちょっとなのに100m・・・いや1000mを走っている様に感じられた。
「伍長急げ!!」
「クソッ!」

対岸に辿り着いたコリンズは少し遅れて走り出した伍長に向かって叫ぶ。ヘリは旋回機銃を此方に向けていた。
ドドドドドドドドドド!!!!!ガンガンガンガンガンガンガン!!!!!!
「滑り込め!!」
二等兵がビル内部に着いた瞬間ヘリからの銃撃が始まった。コリンズは反射的に叫んだ。伍長はミシン目が出来つつある道路から一気に転がり込んできた。
「大丈夫か!!」
「はい!」
「レーイ!応答しろ!!」
「Sir!何でしょう!」

どうやら先行した奴等も生きているらしい。彼等と合流すると灯火管制が解かれ明るくなったロビーの中心で部隊を集めた。敵の死体は処理が面倒なのでダストシュートに投げ込む
「一階はクリアしたな。此処は10階建てのビルだ。後九回同じ様に制圧をする!」
「我々だけで、ですか!?」
「当然だ。此処じゃ空軍も呼べんし中隊とも連絡が取れん。行くしかあるまい。ホビー!」
「Sir!」
「先程と同じチームに分かれて、我々は東側の階段から、貴様等は西の非常階段から行け。同士撃ちに気をつけろ!Move Up!!」
「「「Sir Yes Sir!」」」

早速、6名の分隊は3名の分隊に分かれて行動を開始する。コリンズは東の階段を先頭に立って登っていく。
「行くぞ。静かにな」
「ya」
さっきまで居た所とは違い、ここは静かだった。外は大声で叫ばなければ何も聞こえないような戦場に対し、此処はまるで音響室だ。
〔ホビーだ撃つな〕
〔了解。・・・・止まれ。此処から行くぞ〕
ハンドサインで互いの位置を確認すると最も近い部屋のドアノブに手を掛けた。
〔内部に音響あり。敵兵・・・・2~3名。フラッシュバンを投擲後に突入。殺るぞ。ホビー、レイ、そちらは?〕
〔音響あり。敵兵・・・2名程度の模様。フラッシュ投擲後に突入〕
〔同じく音響あり。敵兵・・・1、2名。此方もフラッシュ投擲後に突入します〕
〔了解、3・・・2・・・1・・・GO〕
バンッ!ヒュッガチャンッ!・・バァン!!
炸裂音の直後、彼等はドアを蹴破った。ツー・マン・セルで2階の3つの部屋に同時突入する。
ババッババンッ!ババンババンッ!ドドッタタンッ!
M4カービンやAK-74suのダブルタップの軽やかな音と共にぐらりと斃れて逝く敵兵。死亡したのを確かめると命令を下した
「二階、クリア!」
「次行くぞ。分隊散開!」


旧市街 スカイキッド 00:10
「負傷者だ!こいつを頼む!」
「分かった!」

かつての活気ではない喧騒が響く酒場は野戦病院となっていた。
「・・・クソッ!死んだ!エルジアのクソが!クソッ!畜生ッ!」
「静かにしろ!敵はかなり近いところに居るんだぞ!」

「痛ぇ!痛ぇよおッ!俺は何所を撃たれたんだ!」
「右足、太股だ!大丈夫だ!動脈は外れている。だが、弾が抜けてない。今から弾を抜くぞ。モルヒネを!」
「俺は・・・もう・・・持た・・な・い。せめ・・・て楽・・・に逝・・・かせ・・・てく・・・・れ。モルヒネを3本・・・刺して・・・くれ・・・・」
「馬鹿言うな!撃たれてのは右の脇腹だ!肝臓は外れてる!まだ大丈夫だ!」
「・・・そいつはもう駄目だよ。肝臓は外れていても、動脈が抉られてる」
「・・・・・・」
「また一人・・・死んだか」

彼等の目は死んでいる。衛生兵はずっと死体を見なければならない。此処に運ばれてくる兵士は大半が再起不能な傷を負っている奴等だった。
「ご主人、二階を借りても良いですか?死体をどかしたい」
「あ、ああ・・・それにしても、酷いな」
「まったくです。此処で寝ている奴等の何人が、故郷に帰れるか・・・・」
「う゛あ゛あ゛あ゛お゛お゛お゛ぁぁっ・・・・」
「どうした!」

「バーンズ二等軍曹が傷口がかゆいと言って、此方が目を離した隙に引っかいたようです!御陰で大出血ですよ!今傷口を押さえています!手伝ってください!!」
「了解!直ぐ行く!」


旧市街 国道7号線 00:13
「小隊長、あの戦車を破壊するのに航空支援を要請しますか?」
「いや、制圧射撃後にウェイドのカールグスタフで叩く。合図をしたら飛び出せ」
「Roger」
国道7号線の東側には地雷が仕掛けられ、進めば進むほど敵の戦車の数が増えていく。それを一つ一つ空と共同で潰していた。
「今だ。制圧射撃!!」
「撃て!!」

ダララララララララララッ!!!ドドドドドドドドドドッ!!!!
「ウェイド!撃て!」
「Fire!!」

バシュッ!!!シャアアアアアアアッドンッ!!・・・グワッ
制圧射撃の中、ウェイド一等兵が放った87mmカールグスタフ無反動砲は真っ直ぐ敵戦車に命中した。そして、信管を作動させると、HEATタンデム弾頭の新型対戦車砲弾は敵戦車内部に向けてそのエネルギーを装甲をぶち破りながら進めた。そして、中の人間と機器類を"グッチャグチャに壊しまくった"結果、弾薬に誘爆し、砲塔を吹っ飛ばした。
Holy Shit!ざまあ見ろこのクソが!」
「頭下げてろ!敵兵は生きてるぞ!」
「大丈夫だ!上を見ろよ」

ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!ドドドドドドドドドドド!!!!!
友軍のA-10が他の戦車や歩兵を30mmアヴェンジャーガトリング砲でメチャクチャにしていく。敵兵は30mmという破格な口径の劣化ウラン弾を受けて内臓を10mから20m飛ばし、上半身や下半身が消滅し、戦車は吹っ飛んだ。
「友軍機に感謝!本部、こちらタンゴ3。国道7号の目標16は航空支援により壊滅!!」

新市街 00:15
≪本部、こちらタンゴ3。国道7号の目標16は航空支援により壊滅!!≫
≪アーチ周辺の地域を制圧した。≫
≪本部、こちらブラボー7。目標2、議会議事堂を占領!≫
≪作戦本部、こちらブラボー2。敵の抵抗がなくなった。突入する。≫
「コリンズ、聞いたか?」
「ああ・・・勝ったな」

コリンズ達は市役所ビルの屋上に立っていた。攻撃によって燃えている所もあったが、後はただの夜景だ
「此方ブラボー10、市役所ビル制圧完了。良い景色だ」
≪作戦本部、了解。暫くその景色を堪能しててくれ。敵軍は後退を始めた≫
「ブラボー10了解」
≪こちらスカイアイ。航空攻撃により空港付近の脅威はなくなった。≫
≪ブラックデスサイズより各機、引き続き他のエリアの支援に向かえ・・・・と言いたい所だが、黄色の残存機2機が撤退。他の敵機も殆どがトンズラしている。脅威レベル0。街は解放された。全軍に通達。街は解放された。弾薬が切れた機体は空港に向かって補給を受けろ。アルファ部隊は前進し、捕虜を取れ≫
≪アルファ1、了解≫

ブラボー10の兵士は全員屋上の上で座った。その時だった。
≪ん?・・・・ちょっと待て。 TU-160が多数、北西より侵入した。現在、新市街へ接近中。
ただちにこれを撃退せよ。≫
「何だと!?ファシストめ!焦土作戦か!」

fin

軍隊とは?戦争に勝つには?って人向けのお話。私の私見である事は言うまでもありません

まずは軍隊とは何ぞやって方は、書くのが面倒なので。原理と定義を上げておきます。
存在意義
まずは"自国による国防"です。国防だけなら外人部隊を雇うなり、在日米軍のような外国の軍隊の手を借りるのもありです。
しかし一独立国であり、他国と同等の外交を振舞うのであれば他国の手を借りるのはナンセンスであり非常に外交的に不利です。(自国に常駐する軍隊が属する国に従属している事を示すからである。つまりは格下と見られる。※在日米軍は駐留〔一定期間の滞在〕なので、従属しているとは言い切れません。日米安保も建前上、期限はあります。つーか、何でいつの間に同盟扱いになっとるんねん。マスコミの頭を疑う。それだったらNATO所属並の扱いをして欲しいですな)

機能
侵略や防衛などの安全保障政策のために運用される。

自己完結性 造兵能力
作戦行動の遂行に必要なインフラ(制服、武器弾薬、兵器、装備品、部隊編成)を自分たちで開発、生産、編成し必要数用意する能力である。


以上

・・・・いや、マジっすよ。この3つは要点挙げりゃこれしかないって事('・ω・;)

その他(運用面)

用兵能力
部隊を編成。または損耗した部隊を再編成し、作戦において有効且つ最大の戦果(遊撃、奇襲、強襲、急襲、突撃、防御戦闘における敵部隊撃破、後方兵站の確保、部隊の確実な指揮など)を最小の損耗を持って達成する能力

練兵能力
兵士達の専門的な能力(銃撃、狙撃、CQC、CQB、破壊工作、空挺降下、戦場・大衆心理学、レンジャー資格、専門兵器の操縦等)の養成。


以上

簡潔且つ正確に挙げるにはこんなものです。

問題
今のアメリカ軍は最強(またはトップクラス)でしょうか?

"チッチッチッチッチッチッチッ・・・・・・・チーン"
さあ答えをどうぞ

誰もがこう答えますね。
「当たり前だろう?アメリカ軍を超える軍隊が何所に居る」
・・・・・と

まさしくその通り。続いて次の問題です

問題
では、何故最強なのでしょうか

"チッチッチッチッチッチッチッチッチッ・・・・・・・・チーン"
では答えをどうぞ

大半の初見の方はこう答えるかと思います

「昔から強いから?('・ω・;)」

では、軍事をちょっと齧った人の答え

「量も予算も潤沢、兵器や兵の質も最高だからに決まってんだろ。m9(゜д゜♯)」

では、軍事評論家。または現職の軍人・元軍人のお偉いさんの答え

「一線級の部隊の練兵は素晴らしい。一線級の部隊の用兵も上手い。予算もある。でもトップクラスは確かだけど最強かは微妙だろうな。(‐_‐)」


どうでしょう、私は一番下が正解だと思います。そう、最強・無敵という軍隊は存在しません。米軍はでか過ぎるが故に失敗する場合が多々あります。さらにブラックラグーンを読む方なら知っているNSAとCIAの争いのような物も少なからずあります。さらにピンからキリまで部隊があるので予算もあるにはありますが、潤沢とは言い切れません。確かに多いけど・・・・

どんな優秀な兵器を持って居て北朝鮮や中国のように100万単位の兵隊を持っていても、それを使う人間がへタレではお話にもなりません。

昔から強いのであれば大日本帝国陸海軍のほうが当時の米軍よりも練兵で勝っています。では何故勝てなかったかと言えば、"単純な数"ではなく"味方兵士達をどう言う具合に、効率的に殺していくか"と言う用兵の点です。つまり、一人の兵士が死ぬ又は負傷する間に何人の敵兵を殺せるか、と言うことです。

何だそりゃ!そんなの唯のチェスや将棋の駒じゃないか!

言いたい事は分かります。ですが"軍隊と言う言葉を還元していけばそれが現実なんです"そう、金品や家具も還元していけばただの"モノ"と言うのと同じ原理で

用兵とは、部隊の損耗を押さえつつも敵部隊を押して行き・・・・究極的には殲滅する為の行為であって、それは補給部隊や兵器の整備にまで当たります。


これまで"実戦で西側の戦闘機に勝てなかった"MIG-29が冷戦崩壊後ライバルのF-16と戦いました。

ドイツMIG-29ラスターチュカ(後にNATO仕様)対ポーランドF-16ファインテイング・ファルコン

結果MIG-29の勝ち

ハア?F-16は実戦で連戦連勝してるのに何で負けるんだ?

といっているアナタ!m9(`д´)

総合性能はMIG-29が勝っています。では実戦では?
実戦のMIG-29:整備は不完全。パイロットはダメダメ。作戦空域に侵入してから無線で敵情報を聞き出す

実戦のF-16:整備万全、パイロットは世界最高峰レベル。AWACS等とデータリンク完備。離陸後直ぐに敵のデータが飛んできて、画面で確認できる。

これではMIGが大敗します。情報の速度、確度。パイロット。今回はミサイルは積んでいない設定ですが、積んでいたとすればMIGはいつやられたかすら分からずに撃墜されます

戦場とはゲームとは違い常に戦況がコロコロ変わり、その度に司令官は命令を出さなくてはなりません。頭が柔軟な司令官でも現場がへタレだったら意味がありません。風一つで何もかも変わってしまったり、狙撃兵一人で一個大隊が足止めされます。何が起こるか解らないのが戦場です。
練兵と用兵がいまいちの民兵が政府軍になかなか勝てないのは、司令官と現場との繋がりが強くて元より様々な状況下で訓練を怠っていないのが正規軍だからです。それに元民間人でようやく銃を分結出来るようになった奴が戦っても勝てるわけがありません。

唯一民兵やゲリラ、テロリストが有利になれるのは緒戦の奇襲だけです。それをテロリストやゲリラは良く知っていてやっています。

ブラックホークダウン(モガンデッシュの戦い)での民兵と米兵(レンジャー・デルタ・ナイトストーカーズ)の死者の比は1000対18(後に19人だが、戦死又は現地での戦病死の人数です)・・・・つまりは55.5:1です。一人米兵が死ぬ間にレンジャー・デルタ・ナイトストーカーズは55名以上の民兵を殺傷しています。たった二つの要素が違うだけで55.5:1というキルレシオが生まれたのです。これは自衛隊の西部方面普通科連隊や第一空挺団が同じ条件下でやっていたとしても多少は違うでしょうがキルレシオは二桁の中盤までは行くでしょう。

つまり、どんな戦争(内紛・紛争)でも軍隊の定義は全て一定以上行かなければ意味が無いと言う事です。

第三十六話:解放



サンサルバシオン郊外 7月10日(ファイアフライ作戦決行日) 23:35
「今宵の任務はお前達の運と度胸が試される!貴様等のバックアップは存在せず!NGSDFやSGSDF、傭兵地上部隊は一切居ない!!空挺も、海兵隊、砲兵隊も居ない!ヘリも居ない!!誰がこんなクソッタレな作戦を考えたか!私は今!司令部に対して激怒を覚えている!!それは諸君も同じだ!!」
司令官は数十万ものISAF陸軍の兵士達に向かって拡張期を使い叫ぶ。
「私は怒りを司令部に向ける!!しかし、貴様等は!敵に向かって怒りを見せつけよ!!一人でも多くの敵兵を斃せ!撃たれて!地面にキスしても!!決してトリガーから指を外すな!!敵は徹底抗戦してくるだろう!!しかし、それを突破出来ずして笑い者と成るか!それとも戦友の屍を踏んで敵を打ち倒し、市民達と共に完成を挙げて勝利を祝うか!!我々にはその二択しかないのだ!我々には何がある!?制空権は空軍が確保してくれる!!先行した特殊部隊やレジスタンスが目標を教えてくれる!!それだけだ!他に何が必要か!!援軍か!?味方ごと吹っ飛ばす砲兵隊か!?簡単に落とされるソラの金の切り裂き野郎か!?答えろ!戦友達よ!!」
司令官はそこまで言うと拡張器を下ろした。今迄静聴していた兵士達が口を開いた。
「「「一粒の悪運と諦めの悪さ!!」」」

「「「使命感と戦闘意欲!!!」」」

「「「「「僅かな勇気と度胸!!!!!!!」」」」」

「「「「「「上官命令と戦友の励まし!!!!!!!!!」」」」」」

「「「「「「「「敵を斃す銃弾と手榴弾!!!!!!!!!!」」」」」」」」

「そうだ!我々にはそれだけで十分だ!それ以上何もいらない!!エルジアのポンポン野郎にISAF陸軍の恐ろしさを教えてやれ!!!」

「「「「「「「「「「「「「「Sir Yes Sir!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」

「声が小さい!!」

「「「「「「「「「「「「「「Sir Yes Sir!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」

「よおし!!前進!!全隊進撃開始!!!」

「「「「「「「「「「「「「「Sir Yes Sir!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」

彼等の士気は異様に高かった。サンサルバシオン出身の兵もいたし、今回は陸軍の独壇場だ。空軍は街の占領に間接的に関わる事になるが、それ以前に今回の主力は陸上戦力だ。市街地ではさほど役に立たない戦車も少なく、装甲車中心で戦う事となる。
「おい、上を見ろよ・・・」
「ん?・・・おお!SEAD任務機か!」
彼等の頭上をHARMを積んだヘイロー中隊が進んでいく。彼等の目的は新市街地手前に見受けられるSAM群だ。
「俺たちにも残してくれよ!」
「お前等!遅れずに付いて来い!」
「「Sir Yes Sir!!」」
ファイア・フライは0時から始まる・・・・作戦開始まであと15分

23:50
「・・・放送時間まであと十分ですぜ?旦那」
「ああ、でもまさか・・・君等の取引相手から直々に取材の以来が来るとは思わなかったよ。ズボフ」
「"中佐"はいつも良い額を出してくれる。アンタの護衛が安い位だ」
「ごもっとも」
アンドレイ・ペチェルスキィは周囲に居る黒尽くめの兵士達を見る。元ベルカ空軍のパイロットやSEAL'sの元隊員などが彼の周りをガードしていた。彼等はとある人間から直接依頼を受けていた。報道員を守れ。何があってもそいつの報道を邪魔させるな・・と
「では、スタンバイ・・・エディ、カメラを此方に」
「Ok、よっと・・・良し固定完了」
「ライト用意、マイクの位置は?」
「Okです。いつでもどうぞ」
「俺たちも配置に付こう。このTV局には誰にも渡さん。ISAFが勝つまでは」
「オーライ」
「衛星をキャッチ。データ送信準備完了」

ユージア中央標準時 0時04分
03分に陸軍は迫撃砲を発射、04分に着弾。と同時に主力航空隊と装甲車が市内へとなだれ込んだ。と同時に街の明かりが一斉につく
「3・・・2・・・1・・・GOだ!」
「・・・爆発音と戦闘機の爆音が聞こえます。街の光が、一斉につきました。ユージア中央部標準時、午前0時5分・・・・・・日の出を待たずして、戦闘が開始されました。一部画像と音声が乱れていることを、おわびします。」
アンドレイは緊張した面持ちで喋り出す。此処は戦場。数グラムの弾丸と数百グラムの手榴弾、数キロの迫撃砲弾や数十キロのミサイルの爆風や破片で人の命が奪われる場所。
≪たった今、灯火管制がレジスタンスによって解除された。作戦開始。旧市街、新市街、ならびに空港の敵を掃討せよ。≫
≪国営放送ビルが見える。あそこは中立だ。撃つなよ!≫
≪こちらタンゴ4、各自の判断で交戦を許可する。≫
≪メビウス1より各機、交戦を開始します!黄色はレイピア中隊第一小隊で、その他のレイピアとオメガは対地、ヴァイパーは黄色以外の敵機を≫
持ってきた無線機より混信が激しい。それにもマイクを向けておく。
「歴史上、幾度となく戦場となってきたこの都市で・・・」
≪右翼に地下から来た敵特殊部隊が侵入した!気をつけろ!≫
≪負傷者を絶対に見捨てるな!生きてる奴は全員つれて帰るんだ!≫
≪アーチ付近に強固な陣地がある。増援を要請する。≫
≪タンゴ1、アーチに当ててかまわんから撃て。≫
「・・・サンサルバシオンが再び戦火に包まれています。・・時折、軍用無線が・・・」
無線内容は戦争の雰囲気を漂わせるのに十分だった。
「この放送は録画ではありません。現地の生中継である事をお断りしておきます。そしてこの放送は検閲されて居ない事もお断りしておきます」
≪今のうちに着剣しろ!≫
≪ここの通行料は高いぞ!絶対に通すな!!≫
「曳光弾の軌跡とエンジンの炎、そして爆発だけが見えます。上空の方は光と音からして、かなりの数の戦闘機です!」


≪メビウス1が黄色と交戦開始。レイピア、ツクヨミも交戦開始した。グエン、ツクヨミを援護しろ≫
「バラード1、ダルモエード。二機は旧市街地国道7号線の戦車群を狙え。ヘイロー隊は換装後に旧市街の制空を担当。役立たずなA-10をやれ。オメガ11からオメガ20までは空港へ」
≪こちらタンゴ3。国道7号、アーチ付近で交戦中。上空援護を頼む。奴等戦車で方陣を作ってやがるぜ≫
刹那は高い、高い上空からそれを見ていた。しかも、画面と無線越しに敵地上部隊の砲火と居場所はオレンジ、敵機と敵ミサイルの曳航跡は赤、友軍地上部隊の居場所とその砲火は緑、友軍戦闘機と友軍のミサイルの曳航跡は青で表示される。それだけを見ると、何と美しいものだろうか。まるで流れ星のようにそれは流れる。そして、シグナルの一つを吹き飛ばすか、何処かに消える
「タンゴ4、近くに敵部隊。4時方向。3階建て建物の2階、そちらから見て右から4室目に5名。回り込んで攻撃」
≪タンゴ5、それは友軍だ!射撃中止!≫
「タンゴ5、敵は2時方向。それはタンゴ1だ。」
≪りょ、了解!≫
≪ブラボー1、こちらブラボー3。捕虜を連行して後退せよ。≫
「ブラボー3、此方JSTARS代理管制機。そこから8時方向に500m、そこにレジスタンスの臨時司令部が置かれている。」
≪本部、こちらブラボー8。航空機にヘリをやらせてくれ。≫
「ネガテイブ、ブラボー8。開いている戦闘機が一機も居ない。後方から接近するチャーリー10と合流、ステインガーを使え」
≪ブラボー8よりJSTARSへ、議事堂と中央銀行の近くにヘリが張りついている。近づけない≫
「Copy。AWACS開いている機体は?送れ」
≪スカイアイよりブラックデスサイズ、ヘイロー中隊が対空兵装で急行中≫
「Roger That。ブラボー8、間も無く航空支援が行く。ヘイロー中隊、第三小隊を新市街地のCAPに当てる」
≪ブラボー8、Roger!あわてるな、まもなく航空支援がくる!≫
≪ヘイロー1、Roger!4!5、6を連れて新市街地官庁街へ。ヘリを消せとのお達しだ≫
≪メビウス1、黄色を撃墜≫
「メビウス1、対空兵装で余裕はあるか?送れ」
≪あります≫
「宜しい、敵のヘリ・・・特に、官庁街のハインドを殺れ」
≪Copy Sir!≫
≪ブラボー10、気をつけろ。ビルの合間に対戦車ヘリ!≫
「現在対処中、ブラボー10は遮蔽物確保」
≪本部、こちらブラボー12。平和記念公園まで前進する。≫
「Copy、敵性勢力は平和記念公園周辺に集中している。再編成中の模様」
≪了解JSTARS、迫撃砲用意!≫
≪航空機の到着まで陣地を死守しろ!≫
「ブラボー8、10へ。航空隊ETA二分三十秒。それまで持ち堪えろ」
≪了解!!≫
≪此方タンゴ7、国道東側は地雷だらけだ。≫
「タンゴ7、そのままだと釘付けになる。5時方向にある路地に移動しろ」
≪Copy Sir!≫
≪こちらタンゴ2。200m後退する。≫
「タンゴ2、6時方向には敵特殊部隊が来ている。7時方向が手薄だ。そこから6時に隠れている敵特殊部隊を片せ」
≪タンゴ2、Roger!≫
≪もっと引きつけてからだ・・・・今だ、撃て!≫
「タンゴ10、2時方向に重装部隊。警戒しろ。タンゴ14、左側面の戦車は友軍だ。」
≪了解!側の戦車は味方だ!撃つなよ!!≫
≪目視で敵を確認しろ。見えるか?≫
「タンゴ6、1時方向距離50mに敵部隊。それ以上前進するな。格好の的だ。ダルモエード3。タンゴ6の2時方向、50mの五階建ての建物にアヴェンジャーで攻撃。周辺の敵対空砲は生きている。警戒して当たれ」
≪ダルモエード3、了解で御座いますです≫
≪航空支援により敵戦車撃破!TOW用意!JSTARS、敵戦車の位置を送れ≫
「了解、その撃破した戦車を基点3時方向、15m。砲塔旋回中だが、そっちには気付いてないようだ」
≪Copy、Fire!・・・・敵戦車撃破!≫
「良くやった」
(まったく・・・口と目が忙がしいったらありゃしない)
刹那はハアと、溜め息をつきながら思った。だが、解放戦はまだ始まったばかりなのだ。

fin

今刹那が眺めている世界はこんなもんです・・・


綺麗だろ?人が沢山死んでるんだぜ?これで

第三十五話:

誰かが私に怒鳴る。私はそれに耳を貸す。聞こえるのは全て違う言語の罵詈暴言

誰かが私を呼ぶ。そこに行けば、全身を貫かれて血が流れる。

誰かが倒れた私を見る。その目は全て見下し、憎しみの感情がこもった目。

誰かが立ち上がった私に石を投げる。それは憎いが為の投石。

誰かがまた歩き出した私に銃を向ける。それは恐ろしいが為。

誰かがその者に手を掛けた私に銃弾を放つ。それは自分を守るが為の発砲

誰かが倒れた私に対してまた罵詈暴言と暴力が始まる。それは私への畏れ、恐れ、怖れの為

私はまた立ち上がり、とうとう血達磨になった肉体でそいつ等を裂き、貫き、撃ち抜く

誰かが私から逃げる。それは生き残る為

私は、自分の体をこれ以上壊させない為にそいつ等を殲滅する。誰一人も残さず、血も肉片も全て喰らい尽くして

私は全てを終わらせ、高らかに謳う。それは勝利の凱旋唄。

私はまた歩き出す。私を滅ぼす"敵"を探して


ノースポイント 入間基地 7月5日 14:05 ファイアフライ作戦決行5日前
「まるで詩のようです。言っている事はアレですが」
「中佐かい?ああ、時々あるんだよ。あんな風に謳うのが」
機体の集中整備を進める刹那は謳いながら作業をする。それは自分の事を指すのか、それとも違う化け物を指すかは分からない。
「我々の戦力であるうちは別に構わないよ。あんな狂人でも」
「まあ・・ね。ちょっと気味悪いけど」
SAFの隊員らはちょっと引き気味にその様子を見ていた。ファイアフライ作戦に万全の状態で間に合わせる為に刹那は機体の要所を分解し、チェックを行なう。それらは全て一人で行なっており、作業効率を高める為にあんな唄を歌っているのだという。実に愉しそうだ
「気味悪いだって?そりゃ間違いですよ」
「は?」
この基地のベテラン整備員は苦笑されながらSAFの隊員らに言った。彼等はポカンとしている。
「戦場にずっと・・・それも5年以上戦場に居たんですから、あんな風にならない方がおかしいんです」
「我々だって、5年くらいは・・・・」
「あの人の場合は次元が違いますがな。危険レベルの放射能の中で暗殺任務を幾度となく行なったり、味方も敵も殆ど全滅する戦場を駆けずり回ったり、敵地の真ん中で2~3週間戦い抜いたり、銃火と鉄火の中を突撃したり・・・生きて帰ってくる奴の方が珍しい様な所・・・・そう、生存率が1%あるかないかぐらいの所しかあの人は行ってませんよ。そんな所に五年以上居たら誰だってああなります。その証拠に、"鉄火を持って闘争を嗾けて来る奴等に何もクソもない。唯々殺し尽くすだけだ"と闘争の真髄を知り尽くしてらっしゃる」
「それを戦争狂と言うのでは?」
「戦争狂は唯の戦争を求める。あの人はかかって来る敵だけを皆殺しにしているんですよ」
「わっかんねえな・・・」
「何れにせよ、敵には回したくないのは確かだ」
彼等が遠ざかるのを確認すると刹那は機体の部品の中に混じっていた衛星携帯の会話ボタンを押した。
「すまないな、1-5・・・ちょっと見られそうになったんでな」
≪・・・2分もコール応答が無いんでまさかと思いました。ネガテイブレポートを≫
「頼む」
≪ya・・・これから貴方のID端末にデータを送ります。内容はサンサルバシオンの現状とメガリスに関する新情報です≫
「Ok、ちょっと待て」
刹那は自分の指をナイフでちょっと削り、血がついたIDチップを舐めて綺麗にすると衛星携帯に繫いだ。
「スタンバイ」
≪送信開始します≫
このIDはそれぞれの中隊・大隊長が情報を共有する為に作られたものだ。大体は爪などの色をコーテイングされ指に引っ付けていて、それを端末に差し込むだけでいいが、刹那の場合は自己治癒能力が非常に高く、尚且つセキュリテイの面で圧倒的に信頼できる為こうしている。IDから得た情報は、脳にナノマシン経由で送られて頭の中でフラッシュバックする。ナノマシン自体はそれぞれの長の位置を把握する為のものだ。
「・・・ほう・・・これは面白い情報だな・・・××××××(※自主規制)ちそうだ」
≪・・・だと言うと思いました。他の第三大隊のメンバー達も同様なことを言ってました≫
「これは面白い・・・・実に面白いぞ・・・・そうか、あやつがとうとう我々に立ち向かう気になったか・・・クハッ・・・はハhaハハhahaはハhaはハ・・・・情報提供感謝する。Over」
≪Sir・・・コマンダー・ラインハルト?≫
「・・・もうその名で呼ぶな、と言っていただろう?」
≪失礼しました。"黒いの"・・・記録に残したくない案件が一つ・・・≫
「言ってみろ」
≪・・・今回の件で、メガリスを狙っている組織が割れました。オーシア・ユーク・ノース・サウスポイント・エメリアのスペシャルフォースが動き、灰色の手下の"暁"も動いています≫
「!・・・ほぅ・・・こりゃまた剣呑な・・・・」
刹那はどれがどれほどの戦力か、見当がついていた。しかし、予想以上にそれらの組織が居る為に少し驚いたのだ。
「・・・・奴等がどれほどの戦力を出してくるか想定はついてるか?」
≪ネガテイブ・・・・判明次第追って連絡します。Over≫
「了解、サンサルバシオンに私の部下を向かわせる。私の中隊は至急"コマンドメガリス"への侵入経路を探せと伝えてくれ。"メインメガリス"はISAFにくれてやるともな。ネガテイブレポートは10時間おきに、Over」
≪Roger・・・Out≫

サンサルバシオン 3日後 21:45
≪・・・・ライトクリア≫
≪レフトクリア≫
≪Move Now、Go、GO、GO≫
黒尽くめの戦闘服を着た兵士達が、マンホールから街のど真ん中に出てくる。彼等は刹那の私兵なのだが、今回の任務はISAF軍を援護する為の作戦だった。
≪チェック・コーナー≫
≪クリアレフト≫
≪クリアライト≫
≪Move up!GOGOGO!!≫
≪4時方向敵歩哨≫
≪曹長、片せ≫
≪Copy Sir≫
隊員の一人が敵兵の後ろから音を立てずに、脊髄目掛けナイフを一気に突き立てた。相手は心臓が止まり、呼吸も停止した事に気付いた。だが、呼吸が出来ずに声どころか、呻き声も立てられなかった。
≪無力化、確認≫
≪敵に発見された際は短針銃を使え≫
≪Yes Sir・・・早速見つかりましたな。3時方向、死体を見つけたようだ≫
≪了解、確認を取られる前に殺せ≫
≪スタンバイ・・・・Now!≫
ジャッ!!

短針銃により敵のヘルメットごと消え去り、敵兵は力が抜けたように崩れ倒れた。文字通り、頭が一滴の血液も残さず消滅したのだ。短針銃とは数千の鉄の針をガス圧で音速以上で放つ武器だ。例え鉄骨でも一瞬でボロボロになる。
≪Kill≫
≪Move!作戦時間は5分。ORPへの集合時間は10分だ。散開ッ!≫
≪Run!ツーマンセルで動け!全ての対空火器にレーザー発信機をつけるんだ!≫
部隊の任務はISAFのSEAD任務機の援護の為に敵の対空火器と主力戦闘車両にレーザー発信機と遠隔操作型ストロボを装着する任務だ。任務時間はたったの5分。彼等は全力で走るだけではなく、屋根、マンホール上下水道伝いに目標に向かって散開する
≪04、クリア。チャージ・・・・OK≫
≪06、チャージ・・・設置完了。これならバレない≫
≪03、チャージNow・・・・Ok≫
≪08、敵兵を無力化。チャージ開始≫
≪09、Ok。発見される前に逃げるぞ≫
≪07、敵を殺害。死体をマンホールに落としました。チャージします≫
≪此方01、05と02はどうした?≫
≪05、GPS上では間違いないのですが・・・・目標がありません。移動した模様≫
≪02、敵兵が随分粘って反抗したので手こずりました。これより仕掛けます≫
≪他の小隊は間も無く終わるぞ!早くしないと我々は05を捨てて逃げる。いいな?≫
≪05、Copy Sir・・・くそ、IRセンサーでも反応がない!半径500m以内に目標は確認できず!≫
≪一基だけ我々に感ずいた?馬鹿な・・・・近くにある筈だ。探し出せ!≫
≪Yes Sir!≫
≪01、此方04、敵部隊は異変に気付いたようです!≫
≪05以外は撤収しろ。05、仕掛けるか敵に見つかるか・・・どちらかの場合のみ撤退を許可する≫
≪了解≫
≪01より各小隊へ、トラブルが発生した・・・≫
05は屋根伝いに目標を探している。01は焦っていた。もし計画がバレれば05を失うだけでなく、今後の作戦も行なえない
≪!05、目標確認しました!!あれは・・・・病院の上です!無理だ。昇れる以前に敵も多いし、光量が大きすぎる!!≫
≪01、了解。早急に撤退しろ≫
≪05、Copy!・・・!待て、敵部隊だ・・・・≫
無線機越しに敵兵の足音が聞こえて来る。既に05を除く全部隊が地下に入りORPで待機している。
≪05、撤退が最優先だ。分かっているな≫
≪はい・・・しかし、今からではORP集合時刻には間に合いません≫
≪構わん、5分間待ってやる≫
≪了解・・・クソ、早く行けウスノロ・・・・ッ≫
どうやら敵兵は05の周辺で止まっているらしい。動けば、見つかる
≪・・・・ふう・・・・移動します≫
≪後4分≫
≪ッッ!敵部隊と接触!近くに撤退路はありません!指示を≫
≪後3分、何もない。生きてもどれ≫
≪クソッ・・・は、早く行けッ・・・・・良し・・・良いぞ・・・良い子だからそのまま行け・・・・良し!行くぞ!≫
≪後2分≫
≪マンホールに入れました!ETA1ミニッツ≫
≪急げよ≫
≪05の身柄確保。撤収時刻30秒前だ≫
≪ま、間に合った≫
≪所定へと戻るぞ。さあて、行こうか≫
サンサルバシオン奪還まであと・・・42時間

Fin

戦闘?戦争?紛争?何それ?美味しい?・・・って人向けの動画です。ほんの一部ですがね










さて、全てご覧になった方は戦場とは何ぞやと言う事が理解できたでしょうか。現地では命懸けでカメラマンが撮影し、命懸けの兵士らの戦闘の様子を写しています。どう判断するかはご自由ですが、戦場にいる兵士達は皆戦う理由をもっています。カネの為、国の為、自分の生活の為、家族の為、企業の為・・・など、沢山あります。それらを知った上で、戦争とは何ぞや、と言うことを考えてください。戦争には様々な利害と、人間の意地、生き残る為の自衛が交じり合って複雑に出来ています。必ずしも悪だけではないと言うことを忘れないで下さい。

番外編:エリート・ソルジャーズ/One Shot One Kill

6月18日 上陸地点より南に15km エルジア軍物資集積地点 14:05
「よう、相棒。タバコ吸うか?」
「よしてくれよ・・・禁煙中なんだ」
迷彩色の日の丸を防弾チョッキの胸に刺繍して、ギリースーツを着込んだ自衛官三名は丘陵地にたっている敵の物資集積地を目下に、本隊の到着を待っていた。日はすでの傾き始めており、背後に太陽、前方に集積地を眺められる素晴らしいくらいのスナイプポイントだ。他にも、別の装備を持った狙撃兵が2、3チーム展開している。現在彼等は目標1個大隊と接敵し、5、6人程撃って敵を足止めしていた。距離は425m程度、風は東方より0.5~0.7m/秒、使用火器は即応性に欠けるが確実性があるM24とMSG-90A1N(ノースポイント向けのMSG-90A1、セミオートと2連バーストを備えていて兆弾防止のFMJとフランシブル弾を使用。全重量6.045kgと軽量化も図られている)、SVU-AS(サウスポイント向けのライセンスブルパップ式狙撃銃、フランシブル弾、FMJを採用)と近接戦闘用ダットサイト、サブプレッサー付き01式小銃を使っていた。敵は格納庫に戦闘ヘリも所持しているが、先手を取ってヘリ周辺を撃った為に整備員は近寄れない状態だ。もし離陸しようとしてパイロットが乗り込んでも、最近納入されたバレットM95で撃ち抜くつもりだ。
「・・・来た。友軍部隊だ」
北の遠くから軽装甲機動車と高機動車のエンジン音が聞こえて来る。さらにISAF軍用に三菱製ライセンスのメルカバ戦車やレオパルドⅡの走行音が響いてきた。
「始めるぞ。構えろ」
班長が伏せたままの状態で言った。即座にバイポッド・サイレンサー・10倍スコープ・偽装網付きのMSG-90A1NとSVU-ASを構える。
「攻撃開始前に上陸地点からMLRSの掃射を行なう。既に座標は送ってある。もう間も無く発射される筈だ」
程なくして無線機にロケットが斉射される旨が伝えられると、彼等は掩蔽壕の内部に隠れている敵兵を2~3人撃った。角度的に敵兵士が隠れている所が丸見えなのだ。
「Nice Shot!ありゃ頭だな」
「目標無力化。次」
≪命中≫
≪スナイパー2より1へ。掩蔽壕から敵が出て来た。別の掩蔽体を探すつもりらしい≫
「1より2へ、好都合だな。MLRS着弾まで20秒。敵の指揮官を探せ。何だったら軍曹クラスの奴を撃ってもいい。敵の指揮能力と士気を奪え」
≪了解≫
僚隊のスナイパー2はSR-25とSVU-AS、そしてヘリでの戦闘地域輸送中敵の携帯対空ミサイルを避けようと回避を行なった際に銃身がわずかに湾曲したM24の変わりに我々の分隊が敵軍の武器庫から恐らくWW2時旧軍のものであろうか・・・鹵獲した九七式狙撃銃を使っていた。6.5mm×50弾は、特殊部隊向けにと腐るほどあるし、大陸の武器商人から腐るほど購入できた。精度は恐ろしいほど良好だったので、一応我々スナイパー1もボルトアクションのM24が破損した場合に備えて狙撃用ライフルの予備として持ってきた。さらにサブプレッサーを使わずとも音もマズルフラッシュも小さく、市街地でも全然使えるものだった。
ピンッ・・キン・・ピンッ・・キン・・ピンッピンッ・・キンッキンッ
≪His Down≫
≪Good Night≫
「ナイスキル」
「素晴らしい・・・MLRS弾着まで5秒・・・・3・・2・・・弾着、今」
ヒュウウウウウウッ!!パンッ!ババババババババババババッ!!!!!!
≪土埃で目標視認不可。狙撃支援は出来ない≫
「了解。此方もだ。此方スナイパーチーム01、敵の損害率は確認できず。繰り返す、MLRSによる敵損耗率は確認できず」
≪此方第ISAF海兵隊、了解≫
MLRSの600発もの子弾を搭載したロケット弾4発は指定された地点・・・敵兵が逃げ惑う頭上へと落ちた。計2400発もの子弾の殆どが炸裂し、掩蔽壕にいた奴だけ生き残ったのだろうと推測するが、断定は出来ない。敵を殺すというのは何て楽なんだろうか、スコープを覗き、敵の頭に直接照準するか、又は偏差を持って狙い、左手を添えて右手人差し指をトリガーにちょっと力を込めて引けばこっちは反動を受けて、そいつは崩れ倒れる。それを繰り返し、繰り返しするだけだ。初めて人を殺したときも、あまりの冷静さに驚いた。海外で"実戦経験"を積んだ狙撃の教官から聞いた話だと
"狙撃兵ってのは、敵弾がビュンビュン飛んでくる所で撃ち合う小銃手とは違って全然怖くない。あまりの拍子抜けに俺は笑ったけどね"
といった。まさしくその通りだ。まるでコントのようにトントン拍子に敵を斃せば基地で暖かい食事が待っている。上手く行けば昇進も早まる。いい事尽くめだ。さらに基本的に敵に降伏するときは他の小銃手と一緒なので狙撃兵とばれる物を持ち歩かなければ普通の捕虜扱いになる。戦闘中の敵兵は誰が誰に何所から撃たれたのかなど知る由もない。
「ん?ヘリ格納庫に人影が・・・?」
「本当か?M95準備しろ」
「オーケイ」
≪格納庫方面に敵兵発見。撃ちます≫
≪了解、発砲開始≫
僚隊でも敵兵士を確認できたようだ。しかし、IRスコープを使っても敵の姿は確認できない。と言うより所々で着弾後に火がついたらしく、役に立たない。
≪此方主力部隊、敵集積地に到着した。≫
≪スナイパーチーム2了解。これより援護を開始する。ヘリ格納庫周辺はどうなっている?≫
≪あー・・・敵がM60を格納庫入り口に付けている。現在そいつ等と交戦中。他は死体だらけだ≫
「此方スナイパーチーム1。此方からでは確認できない。敵ヘリKa-50が居たはずだが」
≪ネガテイブ、確認不能。敵はスモークグレネードを使っている。敵の制圧射撃を受けていて前進不可≫
「スナイパーチーム1、了解。火力支援を行なう為に移動するぞ。2もだ」
≪2、了解≫
ギリースーツを着ている以上は敵が我々を踏まない限りはばれない。ばれるとすれば夜間で暗視スコープや暗視ゴーグルをつけているときぐらいだろう。匍匐で敵陣を中心に反時計回りに移動を開始する。戦闘はかなり激しいらしく、特にM60が据え付けられた格納庫周辺は死傷した海兵隊員が倒れているのが見受けられる。
≪此処からなら格納庫の機関銃手が狙えます。≫
「射線確保、風東方より1.45m~1.8m/秒、距離395。2、機関銃をやれ」
≪2、了解≫
此処までいくらアサルトライフルの有効射程に近いとは言えど、銃声は

タタタタン・・・タタッ・・・タタタ・・・

ぐらいしか聞こえない。その連続した発砲音が一瞬で消えるのと同時にクロスコムに一声が入った。
≪Tango Down≫
「良くやった。狙撃支援を再開する」
ピンッ・・ピンッピンッピンッ・・・
≪・・・!?シャフトローターエンジンの音!?ヘリが動いています!≫
「1、了解。M95スタンバイ。他は狙撃支援続行」
「了解」
程なくして、敵のヘリコプターが自走しながら出て来た。Ka-50の搭乗員は1名。
「確認しました。確かに搭乗員が乗っています」
「良し、撃て」
ズガンッ!ビシッ・・・
もう少しでローターを回して離陸しようとしていたパイロットの頭に向けて放たれた12.7mm50.cal弾は防弾ガラスを突き破り、首と胴体を永遠に分かれさせた。様々な計器が並ぶコックピット内に血と一緒に白子のような脳の欠片や淡いピンク色に染まった頭蓋骨の欠片が散乱し、血肉でコックピットは真紅に染まった。
「Nice Shot!奴は死んだ」
≪ウホッ、こりゃ凄い≫
≪敵が気付いたぜ。M60をそっちに向けた≫
「了解、機銃を撃て。上手く行きゃ暴発するさ」
「了解、相棒見てろよ?」
ズガンッ!!・・バキャッ!!ドンッ!
「流石だな。命中確認。暴発したぜ」
敵兵が此方に向けて乱射していたM60に向けて放った銃弾は、的確に風を読み、機関銃の銃身部に命中。歪んだ銃身の状態で発砲したため、暴発を起こし機関銃手と装弾手、指揮官が破片を受けて死亡した。ISAF海兵隊と外人部隊が一気に突撃を開始。5分もしない内に殲滅した。
「終わったな・・・ふう・・・」
「おい、タバコねえか?」
「お前、禁煙中じゃなかったのか?」
「良いじゃねえか、どうせ配給されんだから減るもんじゃないし」
「はいはい」

Fin

第三十四話:新たな翼を手に入れた蒼き死神

6月18日 ノースポイント 千歳航空自衛隊基地 レイピア隊宿舎 17:50
「日が沈む・・・」
「上陸部隊は上手くやったかなぁ?」
「知るか。知りたきゃ最前線まで歩いていけば?」
「うへぇ・・・そいつは勘弁だ」
「我々に何も言って来ないって事は上手くやっている証拠だろう?このまま何も起きなければいいが」
対空装備で待機中だったレイピア隊は、支援要請が入ってこない事によって暇をもてあそんでいた。ISAF空軍の傭兵達は誰も彼もが競って前線へと飛んで行く。彼等はペイを1セントでも多く稼いで、作戦終了後にパーッと飲みに行くのが普通だ。それに対し正規軍所属のパイロットは支援要請に受け答えるだけがペイの内に入っているものだったから暇で仕方ないらしい。
「傭兵になっておけば良かったかなあ・・・」
「やめとけ、空飛ぶ傭兵共は自分の機体の整備費から兵装代、燃料代まで引かれるからな」
「だったらプライベートオペレーターにでもなれば?お前だったら戦場で野たれ死ぬか、引き裂かれるかの二択だろうな」
「・・・・やっぱ止すわ」
「・・・・・プライベートオペレーター・・か。PMCとは違って自由気ままに契約を交わせるから良いよな・・・・」
「そうでもないですよ・・・・」
彼等の会話にメビウス1が陰鬱そうな声で割り込んだ。
「何だよ急に・・・」
「傭兵の方から聞いたんですけど、組織的バックアップは無し、生き残るのは運が頼りで武器は現調達が多いそうです。武器を手にするまで・・・IDカードをぶら下げた"ただの的"でしかないとか」
「フライング・マーセは武器は自前の航空機だぞ?そこまで厳しいとは思えんが・・・」
「・・・違うんです。組織的バックアップが無ければ現地の低性能の兵器と武器しか使えないんですよ・・・・。つまり正規軍を相手するのには厳しすぎる、と言うことです。維持費で大概はペイが吹っ飛ぶとか・・・腕と悪運が無ければ火の玉に包まれて焼け死ぬか、ボロ雑巾の様にズタズタになるか・・・・」
「・・・・それ、誰から聞いた?」
「スギさんとグエンさんからです。中には狂気に取り付かれた様に戦場で戦うパイロットや兵士を沢山見たそうで。二人は軍と会社のバックアップがあって、アフマドさんやクルスさん、ニーダヴェリールさんはエイセスコミューンっていう組織のバックアップがあるそうです」
「ふーん・・・そういや、あいつは?SAFの連中は?何であんな高性能機ばっかなんだ?」
「彼等はそれらよりもっと強大な組織のバックアップがあるそうで・・・なんでも利益はまったく重視しない超大型の組織だそうです。エメット隊の皆さんはNASDFとSASDFのものを使用できるように計らってもらったそうですよ」
「刹那なんかどうだ?あいつは一匹狼な感じで、機体もお古だろう?その他は知らんが」
「彼は・・・NASDFの余剰機を購入したそうです。4000万ドルで」
「よっ!?4千万!?」
「新品のF-16E辺りが買えそうじゃねえか・・・・何であんな旧式を?」
「さあ・・・扱い慣れてた奴じゃないんですか?色々と変わっている所を見ると、改造を施したようですが」
「旧式で悪かったな。それとも機龍を購入しておけば満足か?」
「!」
窓の外からニョッキリと顔を出してきた刹那が言った。
「・・・何ですかいきなり・・・・デリカシーの欠片も無いんですか!?」
「いや、随分脇があまいなって思ってな。それよりメビウス1、こっちに来い」
そいつはこっちを見て言うとそこから歩き出した。何も言わずに彼に付いて行く事にした。やがてビニールシートをかけられた戦闘機らしきものを見つける
「・・・・!これは?」
「まあ、私からのプレゼントって所か。お前の新しい愛機となるかも知れん奴だからな」
「え?」
「取り合えずそのシートを除けたらどうだ?」
彼に言われるがままにそっとシートをめくり取る。それは見た事も無いようなスマートな形状とYF-23のような尾翼、左右のノズルが上下にずれており、クローズドカップルドデルタ翼からひょっこり生えたような前進翼のスリーサーフェイス機。
「・・・・これは・・・一体・・・・」
「コードネーム"X-02・ワイバーン"、エルジアが開発中の最新鋭ステルス戦闘機。ミリタリー推力時の最大速M1.8、航続距離4500km、武装はダークファイア4基、AIM-9X又はR-73二基~四基、スタンドオフデイスペンサー。固定武装M61A1、20mmヴァルカン800発。RCS23.4cm~89.2cm。エルジア空軍の切り札の一つ」
「!?・・・何でそんな物が・・・此処に!?」
メビウス1は驚きながら刹那に聞いた。刹那はそんなに決まっているだろうと言う目を返しただけだった。
「・・・これを手に入れるのに私は多くの手駒を失った。だが、それに相当する力なのだ。お前に使いこなせられるかどうかは知らぬが、やってもらわねば困る」
「これを・・・私に?」
「嫌と言うのであれば、構わぬ。別の連中に当たるまでだ。まあ、時間はあろう。じっくり考えて答えを出せばよい・・・・」
刹那はそう言うと日が沈んでいく野外駐機場から闇に溶けるように消えた。
「こいつが・・・!!」
≪ガガッ!当基地において出撃待機中のパイロットへ!至急ブリーフィングルームへ!繰り返す!出撃待機中のパイロットへ!大至急ブリーフィングルームへ!≫
「おいでなすった!」
メビウス1は一回目の放送を受けた直後、ブリーフィングルームへと駆け出した。彼女の心の中には躍動感で一杯だった。

大陸北部450km沖 氷原上空 19:30
「・・・何とか、哨戒網は抜けたな・・・捕捉されたかも知れんが」
「ええ、お陰で燃料ギリギリですよ。失敗すればISAFに降伏ですね」
XB-70の内部で二人のパイロットが言い合う。後ろの爆弾倉にはトマホーク巡航ミサイルが積める限り積んである。彼等はリグリー飛行場からISAF・ノース・サウスポイント連合軍の哨戒網を避けて此処まできた。燃料満載とは言えど、直線でないとリグリーまで戻れそうにない。
「もうちょっと接近する。じゃ無いと、迎撃されやすくなる。相手はSM-3をも持っているからな、いくらRCSが小さいとは言えどもミサイルが捕捉されたら確実に堕される」
「出来れば最後の一発は使いたくないですな。アレだけは・・・」
≪同感だよ機長。これを放った人間にはなりたくない≫
爆弾倉の爆撃手も機内無線を通して言ってきた。トマホーク巡航ミサイルの最後の一発・・・それは、人類が自分達を守る為に作ったもので、人類に対して絶対使用してはならない弾種だった。今はそれを放つ"砲"が無くなり、現在は在庫がゴロゴロしている物だ。
「!・・・護衛のF-22より発光信号!"Unkown接近、ワレコレヲ迎撃ス"」
「了解と返せ。爆撃手!発射用意!!」
≪Roger That!爆弾倉開け!第一射!翼下6発!!用意!≫
友軍のF-22A戦闘機が1-8-0に向かってミリタリー推力で進んでいく。XB-70である我々は、発射ボタンを押してさっさとトンズラするだけだ。
≪第一射!Fire!!≫
ゴンと言う音と共に6発の大型巡航ミサイルが主翼下から切り離される。
≪全基ブースト点火確認!プログラム作動確認!敵機接近!1-8-0より高速で約一個飛行小隊!一機速いのが来ます!≫
レーダー員がF-22と自機のレーダーが捉えた情報を伝えてくる。
≪第二射!12発用意!爆弾倉チェック急げ!完全に開いているか!?≫
≪開いています!≫
≪ミサイルのロックは!?≫
≪OKです!≫
≪プログラミング!≫
≪入力動作、完了!≫
≪発射用意完了!≫
このXB-70には本来乗員の2名の他に、爆撃手2名、レーダー監視員1名、技術士官1名が搭乗している。そのレーダー員が悲鳴を上げた
≪第一陣全撃破されました!!速い!速いぞ!!護衛機は敵と交戦中!≫
「第二射、用意!放てっ!」
≪Fire!≫
ミサイルを固定していた固定ロックが外れ、少し自由落下してからモーターに点火した。
≪全基ブースト点火確認!プログラム作動確認!15秒後に分かれます!・・・・ブレイク・・・Now!!ブレイク確認!≫
「速力最大!エンジェル300000!」
機長は即座に機体を急上昇させ、A/Bで加速する。6基のエンジンが火を吹き、高度取り始めた。
≪何だ!?クソッ!敵機のあの機動性は何だ!?ミサイルが喰いつかれる!・・・Holy fuck'n Shit!!!6基やられた!≫
「何!?馬鹿な・・・」
≪最後の一発を用意しろ!プログラミングは強力に!≫


≪やれる・・・この機体・・・凄い・・・!≫
メビウス1はX-02の機動性、運動性、レーダーの性能に驚いていた。気を抜けば即ブラックアウトすような旋回半径。それに強力なエンジン、ダークファイアの威力が相まって今まで操縦した事の無い様な機動力を持っていた。
≪スカイアイよりメビウス1!残り六基、対象スパルタン2-7-0、エンジェル3400、35マイル。大至急急行しろ≫
≪Roger!2-5-0に向かいます≫
≪此方レイピア、敵機を1機やった。こいつ等腕が良いぞ。警戒しろ。≫
≪Roger、レイピア1。メビウス1、聞いたな?レイピア隊は援護できない≫
≪了解!・・・捉えた!≫
メビウス1は対空モードに設定されたレーダー画面に目標を捕捉した。直ぐに武器選択ををセーフテイーからダークファイアBVRモードに変えて、レーダー画面を攻撃走査に切り替えた。残弾数は翼下に吊ってきた物を含めて6発。丁度良い
≪ロックオン・・・絶対有効射程まで突っ込みます≫
絶対有効射程とは、BVRミサイルがブースト(ロケットやラムエンジン)が切れて最大限加速した状態で目標に命中する距離の事。この状態からミサイルをかわすには、曳航式デコイが必要だ。有効射程は大体最大射程の1/5~1/3くらい、それで考えるとダークファイアの最大射程は200km、およそ40kmまでが有効射程、最も効率がいいのは有効最大射程から2~10km位引いた距離である。つまりは30km程度が最も理想的な射程距離といえる。ノーチカルマイルに直すなら16.48ノーチカルマイルだ。それをとろくさい巡航ミサイルがかわせる訳も無い。
≪FOX3アタック、行きます!missile Launch!≫
ゴゴンと言う音の直後、翼下のミサイルがラムエンジンを点火させて巡航ミサイルに向けて発射された。
≪当たれ!!≫
遠くで爆発が連発する。
≪・・・全基撃墜確認!良くやった≫
≪ふう・・・・≫
≪待て、もう一基接近。対象BRAA3-6-0、エンジェル4500ホット、60マイル、マーク0.9。におうな。警戒しろ。こっちは敵機と交戦中≫
≪了解ツクヨミ・・・スカイアイ、確認した。位置座標を送る。警戒して撃墜しろ≫
≪Roger That!AIM-9X、スタンバイ。A/Bで接近します≫
メビウス1はスロットルを最大の位置に持っていくと、操縦桿の武器セレクタをIRAAMに設定した。
≪目標確認しました。対象BRAA3-6-0、エンジェル3500ホット、15マイル、マーク1.23。怪しさ満点ですね。後方にまわ・・・!?≫
≪急旋回した!?≫
AWACSもメビウス1も目を見開いた。ノロノロと飛ぶはずの巡航ミサイルが右に急旋回したのだ。
≪クッ・・・!まさかミサイルとドックファイトするとは思わなかった・・。≫
メビウス1は、7.5G旋回でトマホークに喰らい付こうと必死にトマホークのエンジンダクトに機首を向けてようとするが、今度は左に急旋回したのだ。
≪クソッ!ぐぅ・・・≫
今度は操縦桿を目一杯引いた。9G旋回は相当キツイ。さらに速度も下がる。HUDに敵が納まんなかったら、JHMCSの照準を使ってもミサイルは簡単には当たりはしないだろう。旋回する瞬間を見分けなければ掠りもしない。2発しか積んでいないサイドワインダーなのだから無駄撃ちも出来ない
≪くう・・・・≫
≪メビウス1!チェックシックス!敵機が一機そっちに行ったぞ!!≫
≪アフマド!奴を追え!メビウス1をやらせるな!!バラード1!ケツに一機追いてる!≫
≪オーライ!≫
≪クソッ!これだからステルスは厄介なんだ!≫
友軍機もかなり苦戦している。といっても数的有利さがあって質的にも十分互角だ。
≪フッ!クッ!!フッ!クッ!・・・こんな巡航ミサイルがあるなんて信じられない・・・≫
≪いけるか?≫
≪もう・・ちょっと・・・で・・・すッッ!捉えた!FOX2!FOX2!≫
メビウス1がようやくHUDにミサイルの真っ赤なケツを完全に捉え、トリガーを引いた。ウェポンベから吊り下げられていたAIM-9Xサイドワインダー2000は目標に向かってレールを通った直後に一気にターゲットに接近した。
≪当たれ!≫
メビウス1の思いがこもったミサイルは赤外線を出し続ける目標に向け、正確に突っ込んだ。
≪ウワッ!?≫
命中した直後、極端に大きな爆発が起きた。まるでストーンヘンジの特殊砲弾のような爆発だ。メビウス1は咄嗟に操縦桿を右手前に引いて爆風に巻き込まれないように機体をバレルロールさせてかわした。
≪目標・・・・・撃破確認!!陸上部隊からも見えたそうだ!良くやった。発射母機と敵性航空機を撃墜または無力化せよ≫
≪スカイアイ。此方月詠、その必要は・・・無い。敵機は武装解除・降伏した。発射母機も同様の信号を我々に送っている。新たな指示を≫
≪了解、撃墜した敵機のパイロットの救助の為にSARを送る。全機は降伏した敵機を含めて最寄基地に着陸せよ。ウェイポイント情報は此方から送る≫
≪Copy That、ウェイポイント情報を復唱する。ウェイポイント07、BRAA方位2-5-0。エンジェル26000、20:45。ウェイポイント08給油機ランデブー地点、07ブルズアイ方位1-8-0、エンジェル10000、20:51、ウェイポイント09、空港へのアプローチ地点、08スパルタン方位2-7-0、エンジェル3000、21:09。全機了解か?了解ならばウェイポイント07へ機を向けろ≫
敵機を含め全機が新たに更新されたウェイポイントに機首を向けるのをスギ・アヤグモとレイピア1が確認すると、AWACSがストライク・コントロール用の周波数からディスバーチャー用の周波数に切り替えた。これで作戦が終了したことを示した。

Fin

リレー小説用掲示板完成

裏世界

上の掲示板がリレー小説用の掲示板です。

設定。
2015年
南米で続いていた内戦が反政府派の壊滅・内部分裂により終結

しかし、イランとテロリストが組んで中東において大規模紛争が発生

米軍・サウジアラビア軍・イスラエル国防軍・EU軍中心の国連軍が派遣されるも、治安改善などは出来ない状態。

上記と同時期に北朝鮮で大規模クーデター、金正日の一族郎党が殺害される。クーデターをやったのは北朝鮮第8軍司令官で超右派、かつ国家の安定した収入を得る為に資本民主化が進む中国の反乱分子とのつながりが強く、朝鮮統一を強く望んでいる。

当の中国では、資本化に反対する共産党の一部が国軍化した中国人民国軍(旧人民解放軍)を近代化をする上で首を切られた陸軍兵士の一部と結託、チベット民族などのいまだ根強く反抗している反乱分子を利用して新政府をひっくり返そうとする。

ロシアでは共産主義者がCIS諸国を跋扈、混乱状態。内戦突入は間違いない状態。

EU内部でもテロリズムが起きており、どの国も厳戒態勢である。テロの犯人は極右派のネオナチとイスラム原理主義者

アフリカでは未だに貧困が問題であり、自国の治安と衛生維持で精一杯の状態

北米ではEUでのテロリズムに感化された一部の若者が銃犯罪を起こしている。カナダでは主要交通、行政機関所にはMPと重装備の警察官がついていて犯罪が減っているようである

日本では世界的なテロと自国での犯罪率急上昇に伴い治安維持法が発動されて自衛隊が予防的な治安出動を行なっている。

ASEAN・インドでは反政府組織の活動も犯罪率も低く、安定している。

現在核戦力を所持しているのは欧米諸国、ASEAN一部とインド、CIS各国、中国、ロシア、イスラエル、サウジアラビア
所持の可能性テロリスト、共産主義者、北朝鮮、イラン

第三十三話:奪取

6月17日 大陸北東部沖 ISAF海兵隊上陸部隊 第45海兵隊師団、第4外人部隊 NGSDF第15混成大隊、SGSDF第4混成団連合第一軍 04:50
明日、STNが破壊された事により、大陸北部への攻撃が開始される。
「オーライ、マリーンズ。作戦目標を確認する。まずはヘリボーンで敵地側面に侵入し、橋頭堡の確保を―――・・・・」
ヘリ搭載護衛艦ひゅうがを旗艦とする輸送船団には約8000名の歩兵がUH-60やNH90などに分譲し、航空支援にNMSDF第一機動艦隊から機龍Ⅱ型15機、海兵隊F-35B30機、ISAF空軍F-15アクテイブ10機F-22が5機、Su-35が12機出撃する。敵軍の予想兵力はおよそ9000人。しかし、その多くは捨て駒のように配置された新兵とのレジスタンスからの報告があった。
「海岸線と内陸部の一部を確保するまで気を抜くな。敵が何所に潜んでいるか分からんぞ」
「敵は新兵揃いらしい・・・ま、明日の夜までには海岸線とかは完全に制圧できるだろう。問題はその後だ。」
そう、内陸に行った後が問題なのだ。内陸部にはエルジア精鋭部隊[501大隊]が待ち構えている。彼等が海岸線に到達した時には我々は海に追い出されるだろう。何故なら彼等はどんな状況でも死を恐れない。そして、戦闘技術に関しては第一空挺団に匹敵する。そんな捨て身で攻撃してくる敵と真正面からやり合ったら大きな損害が出ること間違い無しだからだ。気温はマイナスに近いほど北・・・それが兵士達に気力を徐々に奪っていた。さらにリグリー飛行場は二度壊滅したがその度に復旧させ、今度は少数のステルス戦闘機とXB-70と巡航ミサイルを配備したらしい。未だに脅威であるリグリーに止めを刺すためにその補給路となっていた北部を奪還し、リグリーを間接的に無効化するのが今回の目的である。デラルーシ等の大陸北東部のレジスタンスもこの作戦に乗じ、一斉蜂起を起こして我々を援護するそうだ。
「15大隊強襲チーム、集合!搭乗待機!!」
≪此方艦長、目標の海岸を視認した。現在敵航空機の反応は無い。作戦は予定通り明日行なわれる。上陸部隊各員は搭乗待機せよ≫
「よーし!準備しろ!!」
≪司令部より入電、"制圧攻撃を開始せよ、幸運を祈る"以上です≫
≪了解、支援艦隊前へ。全艦に通達、対地砲撃、トマホーク、ハープーン発射用意≫
ひゅうがの甲板や強襲揚陸艦上では慌しく乗員や兵士が配置に付き始めた。ISAF海軍第一艦隊も主砲を陸地に向けVLSを開いた。陸地からの攻撃は無い。まるで無人状態だ。そこに弾薬を使うのは素人から見れば無意味だが、軍人からいえば士気高揚や伏撃を防止するのに役に立つ。
≪制圧砲撃開始!撃ーッ!!≫

大陸北部に対する砲撃・ミサイル攻撃が開始されるのと同時に、戦闘機が戦術爆撃の為にJDAMと中距離AAM、短距離AAM、対レーダーミサイルを翼下パイロンやウェポンベイに搭載して大陸内部へと進んでいく。海兵隊・傭兵部隊が上陸用ホバークラフトに乗り込んで海岸を制圧し、NGSDF、SGSDFがヘリボーンで橋頭堡を確保する作戦[オーロラ]と同時進行でSAFのパイロットの一部とBLACK OPSが極秘作戦を行なっていた。

ファーバンシテイ郊外 BLACK認証コード[エリア14] 通称テスト空域 簡易試験飛行場周辺 01:15
「ふぁああぁぁ・・・・」
「こら!警備中だぞ!」
「いや、こんな所に敵なんて来ないでしょ。何たって空軍の次期主力戦闘機のお守りしなければならないんだ」
「任務は任務だ。愚痴を言う前にちゃんと見張れ」
こんな会話をしていた見張り塔の彼等は、50m以内に敵が侵入している事に気付いていなかった。昼間なら基地の格納庫や管制塔以外何もない荒野のど真ん中なので直ぐに異変には気付く筈だったが、その敵は音も光も無く近づいていて、さらにRPKを装備した防弾仕様のテクニカル(民間車両の荷台を改造し、銃火器などを装備した戦闘車両。ここでは民間車両の仕様書で作られたが、偽装工作の為に防弾用のチタン製鉄板や土嚢が積まれている)がSAFパイロット5名とBLACK OPSの隊員運転手、助席、荷台に3名が搭乗していた。
≪目標捕捉、敵歩哨、見張り員20・・・いや35、侵入経路における歩哨の視認間隔は45秒。隠密で行けるか?≫
≪ネガテイブ、此処は奇襲効果を狙って、パイロットと3-2で主目標を・・・他はテクニカルで機動展開しながら敵に奇襲攻撃を仕掛けて陽動する。≫
≪3-4、Roger。位置に付きます≫
≪3-1、Roger。さあ、行け≫
≪3-8、こちら3-0。40秒後に敵見張りを片付けろ。可能な限り音を立てずに・・・な≫
≪3-8、スタンバイ≫
狙撃兵4名の分隊が暗視ゴーグル越しにAK-47に取り付けられた狙撃用スコープを覗き込み、見張り塔の上でボケッとしている敵兵に合わせた。二人で一人を狙っている。
≪5・・・4・・・3・スタンバ~イ・・・GO!≫
カシュッ・・・カシュッ・・・・
≪Target Dwon≫
≪Tango Dwon≫
≪Move in!≫
≪突撃だ!行け行け行け!≫
タタタタタタン!!!タタタタタタタタタタタタタッ!!!ドガガガガガガガガッ!!!
突然の銃撃に敵兵達は急速に散開した。流石は首都防衛隊である。
「敵襲だ!応射しろ!!撃て!」
「司令部に通報しろ!!ゲリラ攻撃だ!!」
「遮蔽物を確保しろ!!機体のほうに行かせるな!」
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!俺の腕がぁ!!助けてくれっ!誰かっ!」
≪敵が防御を固める前に突っ込め!!≫
≪MG3!!3o'clock!!≫
≪了解!!制圧射撃!≫
ダラララララララララララッ!!!!タタッ!!タタタタタタタ!!ドガガガッ!
≪RPG!!12o'clock!!INCOMEING!!!
バシュッ!!シャアアアアアアア!!グワッ!!
≪負・傷・者・2・名!!メデイック!!≫
≪All Team For Back!!テクニカルは機動迂回!!Hurry!≫
「テクニカルが側面に!!RPGでテクニカルをやれ!!」
「装填する!援護を!」
「Covering Fire!!」
≪テクニカルに火線が集中しているぞ!今だ!!制圧射撃!!≫
「クソッ!機体の方は大丈夫かッ!?」
「知るか!早く敵を撃退しろ!!」
管制塔周辺で派手な銃撃戦が行なわれていたがテスト機が入っている格納庫付近は静かなままだった。そのため、エルジア側はそっちの方に目をやらなかった。格納庫は既に整備員等は射殺され、機体の整備と発進準備が進まれていた。
≪RPGを潰せ!目には目を!RPGにはAT-4だ!!≫
≪援護頼むぞ!≫
≪任せろ!≫
テクニカルからAT-4を取り出すとそいつを先程RPG-29が放たれた管制塔根元に向けた。
≪Fire!!≫
ドンッ!!ギュウウウンッ!ドンッ!!!
「クソッ!RPGが潰された!!」
「敵の狙いが良いぞ!暗視ゴーグルもってこい!!」
≪敵の狙いが正確になってきたぞ!!≫
≪奴等も暗視ゴーグルをつけたらしい・・・皆殺しにする!≫
姿を見られたのではBLACKの存続に関わる。彼等はより一層制圧射撃を集中した。
「手榴弾投げろ!!」
「手榴弾は武器庫です!!」
「馬鹿!何故それを言わん!!」
≪M203を使え。アーウェンもだ!≫
「クソッ!敵の榴弾攻撃だ!伏せて撃て!」
≪ぐあっ!≫
偶然敵の放った銃弾がテクニカルに乗っていたBLACK隊員を貫いた。
≪軍曹!!・・・クソッ!即死だ!≫
≪3-0へ!This is3-4!ソロモンSgtK・I・A!I Say Agein ソロモンK・I・A!!≫
≪3-0、Roger・・・死体のティルミットをかけて焼却しろ。遺体を残してはならん。Over≫
≪・・・・3-4、Roger。Out!≫
「敵の一人を殺った!」
≪エルジアめ・・・こいつを10兆倍にして返してやる!≫
≪落ち着け!体を出すんじゃない!!伍長!≫
≪ぐあっ!!I'm Hit!≫
≪Men Down!メデイック!≫
≪無闇に動くな!撃ち殺されたいのか!!≫
「あ、当たった!」
「ここに固まっていたらやられるぞ!兵舎と武器庫に散開する。制圧射撃が止まったら行く!」
「し、しかし!」
「議論の余地はn!!」
エルジアの守備隊長が命令を言い終わる前に、ヘルメットを飛ばして倒れた。偶然守備隊長がいた所の壁は銃弾で特に削られ薄く、貫通した銃弾が固定されていたヘルメットを飛ばし、そのショックで首の骨が折れた。
「ひっ!」
「隊長!クソオオォォ!!」
ダララララララララララララララ!!!!
≪隠れろ!RPKだ!≫
≪撃て!撃ち返せ!!RPK持って来い!!≫
襲撃側が正規の装備を持っていたのならば犠牲者は最小限ですんだろう。彼等は現地の武装勢力に見立てるためにわざと遅れた装備できたのだ。ボディーアーマーも着けず、弾薬も使い慣れていない7.62×39だった。元はと言えば"撃てて当たれば良い"という思想の元に5.45mmのAK-74や5.56mm×45のAK‐100やM‐16、FAMAS、IMIタボールAR21、6.5mmの零式小銃を使うため、大口径軽重は手馴れていなかった事が苦戦する要因となった。
≪Fire!Fireーッッ!!≫
≪コリンズが負傷!全滅しちまうぞ!!≫
「押せ!押し返せ!」
≪3-0へ!3-4、現在敵の射線が集中!釘付けだぞ!!ファック!≫
「撃ちまくれ!第二分隊突撃!!」
≪武器庫に向かうつもりだ!行かせるな!!あぐっ!≫
≪RPK射手が撃たれた!ケラー!救助しろ!≫
≪無理だ!敵の射撃が激しすぎる!≫
≪せめてRPKを拾え!援護する!!≫
「走れ!後ろを振り向くんじゃない!!行け!」
≪死んでも知らんぞ!ええい!ままよ!!≫
管制塔に向けて分隊支援火器を撃っていた射主が撃たれ、それを救助するためにケラー一等軍曹は全力で銃火の中を駆けた。痛みに耐える隊員の前に、スライデイングしてRPKを右手に隊員を左手で引きずってさっきまで居た軍用トラックの陰に全力で戻った。
≪良くやったケラー、名誉勲章モノだ≫
≪生きて戻れたら貰うさ!RPK装填完了!制圧射撃開始!≫
「ぎゃあっ!」
「マグナーソン!くそっ!!肩貸せ」
「俺は良い!!早く・・・!!」
「マグナーソン!!」
「死んだ奴は放っておけ!!止まるんじゃない!!死にたいのか!?」
≪武器庫に向かった奴等を撃て!逃がすんじゃない!!≫
≪あの止まった奴を撃て!≫
≪此方3-4!クソ!弾が切れた!!援護頼む!!≫
≪ネガテイブ!敵の火線がこっちに集中している!援護は不可能だ!≫
「武器庫に着いたぞ!早く開けろ!!」
≪武器庫周辺を狙え!上手くいけば弾薬に誘爆する!≫
≪任せろ!≫
「ちくしょォ!弾が切れた!!」
「武器庫から離れろォ!!奴等の狙いはこっちだ!!」
「冗談じゃねえ!にげr!!」
グワッ!!!ドンッ!!ドガン!!
≪やった!≫
武器庫兼弾薬庫に置かれていたミサイルの信管に銃弾が命中し、倉庫ごと大爆発を起こした。それに巻き込まれたエルジア兵の血肉が茜色に瞬時に染まった空に飛び散る。
「クソッ!やられた!!」
≪此方ユニコーン1、待たせたな。離陸準備完了した。後続の機も整備、20mm弾薬、燃料補充は完了した≫
≪3-1、Roger That!総員撤退用意!!テクニカルは健在か!?≫
≪現在、管制塔の裏側です!敵部隊と交戦中!≫
≪了解!負傷兵から乗せろ!呼び戻せ!!≫
≪3-4、Roger!3-0!C‐1はまだか!?≫
≪3-0、現在・・・あー・・・超低空でその基地を目指している。ETA1分≫
≪燃料の関係上、30秒しか居られん。早急に撤退だ≫
≪オーライ!!≫
≪ユニコーン1、これよりエンジンを始動する。離陸開始まで1分40秒≫
「!?・・・エンジン音!しまった!!」
「機体が奪取されたぞ!!」
≪敵増援が接近中。APC3台、Mi‐8二機≫
≪この期に及んで、まだ来るか!≫
「敵のテクニカルに火線を集中しろ!M60を撃ちまくれ!!」
≪敵の機関銃を潰せ!撃てー!≫
「がっ!くおぁぉぅぅ・・・・
「射手が殺られた!」
≪Nice shot!ヘッドショットか!≫
≪C‐1が来たぞ!≫
滑走路に真っ黒なC‐1輸送機が低速で進入し、スラストリバーサを使って停止した。直ぐに負傷者を乗せたテクニカルが開いたカーゴルームに侵入する。そして、それに入る兵士達をを庇うようにX‐02とYF/A‐27が盾を作る。
「撃つな!機体に傷が付いたら射殺モノだぞ!」
「し、しかし!敵に乗っ取られたんですよ!破壊しましょう!」
「・・・・この際止むをえん・・・RPG用意!」
「RPGは使えません!軽機、重機もだめです!」
「クソォ・・・撃って撃って撃ちまくれ!」
≪敵に撃たせるな!グレネードを全て使え!≫
「!!逃げろォっ!!爆発に巻き込まれるぞ!」
「うわああ!!」
ズンッ!ドン!!グワッ!
グレネードが投擲されエルジアの兵士達は急いでその場を離れた。小銃を撃つ間も無く、逃げ出したのだ。その隙にC-1はエンジン出力を高め、全員が搭乗すると滑走を始めた。
≪行け!離陸しろ!≫
≪何とか、任務成功だな・・・・≫
≪得たものも大きいが、我々は多くの戦力を失った・・・・目だし帽をしていたから顔を見られてないはずだが・・・・・≫
≪皆殺しできなかったのは痛いな。ばれるかもしれん≫
≪3-0、此方3-1、全員の脱出に成功。SAFパイロット達が機体を確保しました。主目標達成です≫
≪ご苦労。基地に戻ったら休暇が待っている。じっくり休んでくれ≫
≪・・・・out≫

Fin

 

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